のぞみ寮通信

みぎわ館

2011/02/05

みぎわ館 第68号(2月5日)

<雪、雪、雪!>
 

 
 先日、一次前期日程の入学検査が行われました。

当日の朝、起きると寒い!もしかして・・・と窓の外を見ると、雪が降り積もっています。「なぜー!?」と毎年のように入試の日に降り積もる雪に向かって叫びました。
 礼拝の時間が近づき「寒い寒い」とチャペルに向かうと、グレーのブレザーを着たさわやかな面々が!入試労作の生徒の皆さんです。「おはようございます」と言って見せてくれる、その笑顔の素晴らしいこと!緊張でカチコチの受験生をホッとさせる笑顔です。清々しい気持ちで礼拝を迎えるころができたのは私だけではないでしょう。みぎわ館の皆も、いつもより胸を張って、顔を上げ、堂々としていて「すごいなぁ」と感心しました。1年前、2年前はこの受験生達と同じ姿だったのに、こんなにも変化・成長するものなのですね。今回の入試を終えて、1、2年生が「どんな子が来るのかな。もうすぐ3年生(2年生)かあ!」と楽しみにしているだけでなく、あとわずかで卒業となる3年生も「何人くらい入ってくれそう?寮生、どんな子だった?」とみぎわ館の新たなスタートに思いを巡らせていることに驚き、嬉しくなりました。
 
 もう一つ嬉しかった話。入試の後もなかなか収まらない雪。週末にかけてどっと降り積もり、気がつけば50㎝くらいになっていました。「やるかぁ!」と重い腰を上げて雪かきを始めたところ、「何してんの?」と声をかけてきたのは大望館のBくん。大雪の中、風邪をひいた仲間のためにセブンイレブンまでリポビタンDを買いに歩いて行ってきたとのこと。「手伝ってやるよ。」と言い残し去っていきました。すると今度は、みぎわ館の窓から「手伝いましょうか?」とK.S.さん。スコップを手にやってきてくれました。戻ってきてくれたBくんに、Oくんが加わり4人でみぎわ館の玄関前の雪かきをしていると、通生のS.K.くんが。「何してんすか?あー雪かきね。」とラグビー部室(?)のゴミ捨てを終えて帰ってくると、スコップを手に一気にみぎわ館前の道を広げてくれました。
 「これで十分だね。ありがとう!」と終えようとすると、友愛館前の駐車場の雪に埋もれた車に目に留まった面々。みぎわ館前だけでは物足りなかったのか、雪かき魂に火がついたのか、(たぶん)出かけることもない先生の車の雪抜けを始めたのです。新たに三浦先生も加わって、更にやる気を出した雪かきメンバー。みぎわ館からお湯の入ったバケツを運んで凍った窓ガラスにかけてくれるKさんに、両腕で車の上の雪をザザザと降ろしてしまうS.K.くん。冷えきったOくんの両手を暖めてあげるBくん。それぞれの知恵と技を発揮してくれました。三浦先生の車一台をきれいにし、隣に埋もれていた青木先生の車に手をかけたところで、およそ3時間の雪かきに疲れたのか飽きたのか、雪かきメンバーはそれとなく解散しました。中途半端に行き抜けされた青木先生の車・・・少しはお役に立てたでしょうか。
 誰かのために気持ちよく自分の心と身体を動かせる皆さんに、すごいなぁと感心し、暖かい気持ちにさせられた、一週間でした!      

(冨井)

 
 
 
 

<涙・笑・涙・大笑>
 

 
 1月28日(土)に、みぎわホールにて3年生を送る会が開催されました。昨年の今頃、「あ~、40thが卒業しちゃうなんて嫌だなぁ!」なんてぼやいていた41stに「すぐあなた達の番がやってくるんだよ~!」と言っていたのですが、本当にこんな日が来ちゃいました。「41stの送る会」なんて!
 3送会の準備は2週間ほど前から開始されていました。各学年で出し物をするのですが、みんな本当に熱心です。毎日のようにミーティングを開き、アイデアを出し合うところから始め、具体的内容が決定すればホールを貸切状態にして通し練習(リハーサル!)までしていました。それだけ真剣に3年生へ感謝の気持を伝えようとしていたのでしょう。
 当日、みぎわホールでの最後の45人そろっての夕食を摂り、礼拝を持ち、3年生ラストメッセージのアンカーとなる旧ブロック長Uさんのお話に耳も心も傾けました。その後、お待ちかねの出し物の時間です。1年生→2年生→3年生と順に披露しました。徹底した準備の甲斐あって、どれも出来栄えは完璧!とても心のこもった、それぞれの想いが溢れるものとなりました。
 3年生たちと過ごせた時間や貴重な出会いをこれからの力と変え、1・2年生にはこれからの敬和・のぞみ寮での歩みを積極的に前向きに取り組んでいってもらいたいと切に願います。また、これから新たな歩みを始める3年生たち。自分の夢に向かって自信を持って生きていってほしいと思います。人生、すべては自分次第です。笑うのも泣くのも、喜ぶのも怒るのも、落ち込むのも輝くのも、すべては自分が選ぶのです。みぎわ館での3年間を今後の糧に、主体的に最高の人生を歩んでほしいと思います。
 およそ一か月後、3年生が今よりちょっぴり大人の顔になって寮に戻ってくるのを楽しみにしています。                

(森口)
 

 

 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 

<礼拝のお話>
 

 
錆子(1年生 本人の強い希望によりペンネーム表示をしています。)
 皆さんは、ストレスが溜まったら何をして解消していますか?寝たり、カラオケに行ったり、愚痴をこぼしたり…色々な方法があると思います。私はその方法の一つとして絵を描いています。ですが、たまに絵を描くことですらストレスになったりします。それはスランプだったり、描きたくない物を描く事だったり、締め切り間近だったり…などです。1番最近では、美術部の展覧会用の作品を描くことが大きなストレスでした。真っ白なキャンバスに何を描くか全く決まらず、時間ばかりが過ぎていきました。他の人が作品制作を順調に励む中、自分だけ何も進んでいなくて焦って焦って心臓がバクバクでした。何とか構図だけは思いつき、描き始めたものの、目の前で2年生のN.Y.さん率いる彫刻組数名がみんな楽しそうに順調に作業をしているではありませんか!私は内心、「畜生…。なんで俺だけ油絵やってんだ…。」という自分に対しての呪いを込めつつ、作業を進めていました。
 作業の進み具合は予想以上の遅さでした。彫刻組にいる友人がたまに様子を見に来てくれ、話しかけて来てくれました。放たれる言葉の一部は私のガラスのハートにヒビを入れていきました。あの頃の私の口癖は「もうだめだ」「油絵終わらない」「畜生!」でした。完成まであと半分のところで考えていたことは、「なんで彫刻にしなかったんだ!もう描きたくない!終わらない!もうだめだ!死ぬしかない!」という事ばかりで、そればかりが頭の中をグルグル回っていました。そして更に古川先生には真顔で「まだまだだな。」というお言葉をいただき「あぁ、終わったな。」と思いズガーンとテンションが下がりました。が、古川先生のレアなスーツ姿に感動して、少し気力が戻りました。4分の3程完成したころには、何とか少しポジティブになって「ここはどうすれば1番良くなるか。」という事しか考えていませんでした。作業が出来ないと思われた入試当日も、部室を開けていただいて1日一人で制作していました。大変孤独でした。搬入に間に合わないと思われましたが、何とか作品制作が出来る最終日の部室が閉まる1時間前に完成しました。一時はどうなることかと思いましたが無事終わり、古川先生に作品を見ていただいた時「十分だ。」と言ってにやけて頂けたので、少し救われました。
 
 搬入の日、2年生の通生の先輩にも褒めて頂いて、他の高校の生徒さんからも反応が頂けたので描いていた時のストレスと、その他日常のストレスは殆ど消えました。ストレスの原因だったものがストレス解消の理由へと変化したという事です。考えてみればいつもそうでした。締め切りギリギリになって、気に食わなくて破いた作品は数知れず。5日かかって描いたものを破いて3日間徹夜して新しく描いた作品があったり、1週間ずっと描いては消してを繰り返して出来た作品も渡さなければならない日の前日に破いて捨てて、深夜デジカメの明かりで描きなおした物もありました。どれもこれも描いている時は締め切り等のストレスをビンビンに感じながらも、無我夢中で描いていました。でも、いつも描き終った時は、そのかかったストレスの何倍ものストレス解消が出来るような力を持っていて、いつも驚かされます。そんなこんなで、何が言いたいかというと、正直今回の油絵は未だに破りたい気持ちでいっぱいですが、大きなストレスを感じても、それを乗り越えた時はそのストレスに見合ったものが帰ってくるという事です。そのストレスが漠然とあっても、少し視点を変えてみてみればストレス解消の原因として見れることもあるかもしれません。いつもたくさんの視点で物事を見れたら良いですね! 

                    (1月31日)