敬和の学園生活

日常の風景

2020/04/16

新入生のみなさんへ 担任よりメッセージ

 新入生のみなさん,こんにちは。

 

 8時45分,パイプオルガンの前奏で礼拝が始まります。讃美歌を歌い,聖書とお話しを聴いて,祈りの時を持ちます。こころの落ち着く,素敵な時間です。

 9時15分,チャイムが鳴って,1時間目が始まります。50分の授業が終わると10分休みです。校舎の4階からは,広大な日本海がよく見えます。初夏になるとさわやかな風が入っていきます。

 12時05分,チャイムが鳴るとランチタイムです。ランチホールに長蛇の列ができます。おなか一杯ランチを食べて,12時55分から4時間目が始まります。午後は,睡魔と戦いながら,授業に取り組みます。

 16時10分,掃除・ホームルームが終わり,放課後になります。放課後は自分の好きなことを好きなだけできます。授業を頑張れば頑張っただけ,自由な時間が輝きます。

 

 いつもならば,このような日常がスタートしていたことでしょう。いつもどおりの敬和生活が叶うまで,もう少しです。みなさんと出会うことを楽しみにしています。

N.M

 

 

 

 

新入生の皆さんへ

 

「今、最も自由になる方法」

 

 こんにちは。なかなか皆さんと直接出会うことが出来なくて、寂しい気持ちがありますが、この同じ空の下で敬和につながっていること、それぞれの場所で今出来ることを精一杯やって、やがてめぐり合う時を待つことに大きな意味があると信じています。

 

 さて、私には敬和の中でとても好きな場所があります。それは図書館。敬和の図書館はとても居心地の良い場所です。落ち着いていて、ぬいぐるみなどが置かれたあたたかな空間。どんな質問にも丁寧に答えてくださる司書の先生。並んでいる本もとてもセンスの良い選書で、ついうっかり時間が経ちすぎてしまうこともしばしば。寮生は借りた本を寮で友人に紹介し、返却後にすぐ次の借り手が現れるなど、「生きた」図書館になっています。

 

 家にじっとしていることが多いと、テレビやネットで動画を見る時間が増えます。テレビは極彩色で、刺激的で、親切で分かりやすく、どんどん移り変わっていきます。ネットで動画を見ていてもそうです。一方、本は情報量が少なくて、一見ひからびて死んでいる。白黒で、不親切で、じっと集中すること、想像力で補うことが求められます。だから自分の中に深く入って、人間の技術で表現できないような世界も、想像の中なら自由に楽しむことができます。映像の刺激で目が疲れたら、家にある本をなんでも良いので読んでみましょう。

 そして想像してみましょう。まだ一度も見たことのない風景。素晴らしい冒険。天上の音楽。手に汗を握るスポーツ。運命的な出会い。幻想の動物たち。まだ見ぬ自分の未来。言葉に表現できない自然の美しさ。地球の反対側で飢餓や病に苦しむ人々。銃声と地雷原と誰もぬぐえない涙。明日に咲く花たち。時をさかのぼり、国境を越え、宇宙を旅し、時に異世界に迷い込みながら。私たちの肉体は家の中に囚われていても、心は時間も場所も越えてどこまでも自由なのですから。

 様々な自粛の中で不自由さを感じることが多いでしょう。しかし普段の生活の中で、自分で自分の心を不自由にしていることが実は多いかもしれません。この機会に自分の心をテレビや動画などの「誰かが用意した限界」にしばりつけずに、創造的な想像力を養ってみてはどうでしょう。

M.M