のぞみ寮通信

みぎわ館

2010/11/19

みぎわ館 第63号(11月19日)

<自分を語ること> 

 

 「礼拝のお話どうしよう!」後期から1年生も礼拝のお話のローテーションに加わり始め、まだデビュー前の1年生たちがそわそわしています。

「自分のことをしっかり話せば大丈夫だよ。」と声をかけると、「それで、もう一回(みぎわ1119_011館には、ごくまれに、お話をやり直すことがあります。)って言われたらどうしよう・・・。」と心配でしょうがない様子でした。
 礼拝のお話では、皆が、自分の過去や現在から、感じていることや考えていることを聴くことができます。その話の中には、必ずと言っていいほど、自分の弱さや小ささを語る言葉が含まれています。自分のことを語るには、自分と向き合わなければいけません。自分としっかり向き合ったとき、弱さや小ささがたくさん見えてくると思います。それを人前で語るのですから、費やされるエネルギーは相当なものです。
 先ほどの1年生、自分の言葉で、自分のことをしっかり語ってくれました。礼拝後、数名の先輩や同級生が駆け寄り、「すごくいいお話だったよ!」「すごい文章力!」「やるじゃん!」と声をかけていました。私も感動したことを伝えにいきましたが、彼女の口から出た言葉は、「本当にこの話でよかったのかな。○○さん、あんまりいい顔してなかったように見えた。礼拝始まる前から体調悪そうだったから、自分のお話がどうこうってわけじゃないと思うけど、でも気になっちゃった・・・。」と不安そうでした。
 お話を担当する一人一人は、どんな風に思われるか不安を抱きながらも、一生懸命話してくれます。聴く姿勢をとること=受け入れられていると感じさせること。聴く姿勢をとらないこと=受け入れられていないことを感じさせてしまうことになりかねない。と考えさせられました。一人一人がエネルギーを注ぐお話を、皆がしっかり聴くことで、いい循環が生まれていきそうですね!礼拝をよりよいものにしていきましょう!
 その夜、消灯の点呼に回り、ある部屋に入るとルンルンの3人が。その中心にあったのは、山高く盛られた生クリーム、埋まるコアラのマーチ、ロウソク代わりに立つポッキー。そう、それはムーンライト!部屋の先輩の誕生日を祝おうと後輩二人が一生懸命作ってサプライズパーティを開いたと聞き、消灯後にも関わらず、「すごーい!!」と叫んでしまいました。その先輩の笑顔から、嬉しさが伝わってきて、こちらまで嬉しくなりました。このような心温まる嬉しい出来事が、自分を語る時のエネルギーにもなるのだろうなあと感じました。

(冨井)

 

 

 

 

<今日は何の日?> 

 
1119_02 11月11日に「今日は何の日?」と聞かれて困ってしまいました。誕生日でもないし…何だろう?と。それは「ポッキーの日」なのだそうです。そして、そのポッキーの日、尾瀬クラスのMさんとHさん、Sさんが大きな大きな袋を持って事務室にやってきました。「先生、見て!こんなにたくさんのポッキーだよ!」と。なんと、担任の野間先生が「みんなで食べて!!」と大量のポッキー達を差し入れてくださったのです!見たことのないほど大量のポッキー群にみぎわ寮生たちの奇声(?)は止まりません。「どうしたの、それ!」「今日食べられるの!?」「ウキャー!すごい!!」などなど、真横で話していた尾瀬クラス3人組の声も聞こえないほどの興奮ぶりでした。
 自習時間明け、お皿に開けるのも一苦労です。が、そんなの苦労でもなんでもない!と尾瀬3人組だけでなく、3年生までもが手伝ってくれての開封作業。積み上げられて1119_03いくポッキー箱に、見ている1年生も落ち着きを失っていきました(笑)。「食べにおいで~」の放送がかかって初めてポッキーに手を伸ばせます。(フライングしたら、ブーイングをうけちゃうんだよね~。)開封作業にかかった時間は10分ほどだったでしょうか。食べきるまでにかかった時間は5分とありませんでした。みんな、電話ダッシュより早く駆け下りて来て、あっという間に、本当にあっという間に平らげました。楽しかったね~。こんなサプライズ、みんな嬉しくてたまりません。嬉しいのは、ポッキーがたくさん食べられる…という事だけでなく、学年関係なく、いつもより多1119_04くのメンバーが事務室を訪れみんなと机を囲むことが出来る事や、たくさん話ができる事、時間を共有できる事、そしてそれが人の新たな面を見つけるきっかけにもなる事等々、とっても素敵な連鎖反応が起こることが何より嬉しいのです。実際、「私の事怒っているみたいなんだ。」と互いに思い込んでいたAさんとBさん。ポッキータイム後、「気のせいだったみたい!」とそれぞれが報告に来てくれました。ポッキータイムが二人の関係修復に一役買ってくれたようでした!良かった、良かった!とにもかくにも、野間先生、ごちそうさまでした!   

(森口) 

 

 

 

 

 

<礼拝のお話> 

 
*H.Y.(1年生)
 私は寮に入ってたくさんの事を学びました。一つ目は人は一人では生きていけないという事です。何をするにしても、隣に誰かがいないとできない事が沢山ありました。例えば笑うことも一人では笑えません。隣に誰かがいてくれるからこそ一緒に笑うことが出来ます。悲しくて泣きそうな時や、泣いてしまった時に誰かが隣にいてくれると、人の温かさを感じます。一人で寂しくなった時に、人がいるところに行くととても心が満たされます。いつも周りに人がいてくれることは、とても幸せな事なのだと改めて感じることが出来ました。

 
 二つ目は素直に自分の気持ちを相手に伝えるという事と、相手から言われたことは素直に受け止める、という事を学びました。相手に言いたい事があるのにはっきり言えず、ずっと心の中でモヤモヤしていました。相手に言いたいことを言えずにいると、いつもそのことが心のどこかでひっかかっていて、その人を見る目もあまりよくありませんでした。しっかし、そんなままでは気持ちよく生活はできませんでした。私は自分ではどうすることもできなくなったので、先輩に相談をしてみました。するとその先輩は「素直に自分の気持ちを相手に伝えることは難しいことだけど、とても大切なことで、相手も自分も成長するんだよ」と言ってくださいました。私はそれを聞いたとき、すぐには行動することはできませんでした。しかし、自分の中で心の整理がついた時、相手に自分の気持ちを伝えることが出来ました。私はその時、本当に自分の気持ちを相手に伝えることはとても大事な事なのだと学ぶことが出来ました。
 私は今までずっと人から言われたことから逃げていました。そんな自分からも逃げていました。自分の悪い所を注意されたり、「直した方がいいよ」と言われてもいつも受け流していました。しかしそんな事ばかりしていたため、自分のいけない所、何がよくなかったのかを見つめなおしていなかったので、同じことを繰り返していました。繰り返していたら、突然友達が離れていきました。仲間が離れていってやっと、自分と向き合うとはどういう事なのか、自分が逃げているものは何か、また逃げていた自分自身にも気が付くことが出来ました。
 私は寮に入っていなかったら何も気づくことが出来なかったと思います。人が私に言う言葉は、私を思ってくれているから言ってくれるのだ、ということが分かりました。そして、言われたことを素直に受け止めてみることにしました。素直に受け止めたことで、自分の中での振り返りができました。自分の中での振り返りはとても大切な事だと知りました。相手を通して、振り返りを通して、たくさんの事を学びました。しっかり自分と向き合う事は難しいことだけど、生きていく中でとても大切なのだと思います。

 
 三つ目は、家族の大切さを学びました。寮に入るまでは何気なくいつもそばにいる存在でしたが、寮に入ってから家族は私にとってとても大切な存在へと変化しました。寮では家とは違って、たくさんのことを自分でやるようになり、何かをするたびに家族の大切さを感じました。洗濯をするときも、家にいるときは当たり前のようにやってもらっていました。洗濯は1回やるだけでも大変なのに、毎日毎日やってもらっていたんだな、と考えると感謝の気持ちでいっぱいになりました。毎日、掃除を自分でやるようになってから、お母さんがいつもどんな気持ちで掃除をしていたのかが分かりました。掃除をするのは面倒くさくて大変だけど、掃除をすることで心の整理をすることにも繋がりました。
 普段はなかなか家族に会えませんが家に帰った時も、寮で頑張って生活している間ももっともっと家族の事を大切にしていきたいと思いました。
 最後に私の好きな詩を紹介したいと思います。『人には繰り返し辛い経験がやってくる。裏切られたと怒る人もいるし、失敗したと泣く人もいる。自分が馬鹿だったと後悔する人もいる。でも、辛い経験で大切なのは何を失ったかじゃない。その経験から、相手から、感情から何を学んだかという事。ひとつひとつの経験を人生の傷にするか肥やしや勲章にするか、それはその人次第。どんなに辛い経験でも、気持ち次第でどちらにでもできる。』

(11月17日)