のぞみ寮通信

みぎわ館

2010/10/13

みぎわ館 第56号(10月13日)

<ザ・シアター>

 

 
 みぎわ館に後期から、くつろぎスペースがもう一つ増えました。

それは1階にある会議室です。以前からミーティングをしたり、コアリズムやビリーなど1013_01エクササイズをする部屋としても使っていましたが、ここ最近になって素晴らしい映画館としてオープンしたのです。
そのきっかけは夏休み明けに、大きな大きな赤いソファがプレゼントされたことにあります。外国の映画に出てきそうなほど、ゆったりとした真っ赤なソファ。人ひとりゴロンと横になっても、縦にも横にもまだ余裕があるくらい大きなソファです。この魅力的なソファを活用するためには…という発想から、今までエクササイズ部屋として使われていた会議室から汗のにおいが消え、大きなソファでくつろいで小さなテレビで映画を観賞する、というスタイルが生まれました。
 先日、その映画館で「コーチ・カーター」という映画が上映されていました。観賞メンバーがなんとも素敵だったのです!3年生と2年生数名が、学年を問うことなく一緒になって楽しんでいました。映画は、ケン・カーターというバスケットボールコーチの実話を基に描かれた感動の物語です。アメリカの荒れた世界の住人である高校生たちが、自らの手で人生を切り開けるようカーターが可能性の扉を示そう…という奇跡の感動ストーリーでした。映画を見ながら「腹立つ!」とか「泣ける!」、「コーチの心が分からないのか!」、「こんな仲間に恵まれて…(涙)」など。様々な感想を口にし、またそれにみんなが同意したりしていました。
自分の気持ちを感じたまま素直に口にできる事や、それをうなずきながら聞いてもらえる事って、本当に幸せなことだなぁと思います。映画も良かったですが、学年を超えて感想をシェアしているみぎわ寮生の姿に、映画以上に感動し胸が熱くなる私でした。

(森口)

 

 

 

 

<DS&PSP>

 

 
1013_02 修養会も終わり、秋が深まってきました。冬の気配を肌で感じています。そしていよいよ10月13日から第3定期テストが始まります。悔いのないように、精一杯取り組んでくださいね!応援しています。
 テスト1週間前に入った10月8日の夜、びっくりして嬉しくてたまらなかった事柄がありました。それは1年生のA.Y.さんが「先生、ゲーム預かってもらえませんか?」と言ってきたことです。ゲームが好きなAさんは隙間時間があれば、ゲームをして遊ぶのが日課になっているようなのです。しかし、テスト期間中ゲームが身近にあると、誘惑に負けて遊んでしまう。だからその誘惑自体を遠ざけてやろう!という発想で、私にゲーム機2台を託してきたのです。すごいです!今まで私も何度かテスト期間を経験してきましたが、こんなこと初めてです!すごいです!
そしてそれを横で見ていた同室の2年生・N.Y.さんも「へぇ、そんな手があるんだ。いいなぁ。じゃぁ私のも預かって。」となんともナチュラルに差し出してきたのです。人の行動で「いいな」と感じたことをサラッと真似できるNさんの心にも、嬉しい驚きを与えられました。(嬉しすぎて、点呼の時にいろんな部屋で話してきました!)
 やらなければならないことに逃げずに向き合える力、自分を律するために具体的行動に出られる強さ、人の良いところを真似て吸収しようとする謙虚さなどを二人から教えてもらったように思います。
 テスト前になると事務室にゲーム機が集まる、なんていう習慣ができれば素晴らしいですね!まずはこの二人から。そしてどんどんこんな素敵な輪が広がっていくことを期待しています。

(森口)

 

 

 

 

 
<礼拝のお話> 
*T.E.(1年生)
 私は演劇部に所属しています。先日、演劇の大きな大会があったのですが、そこで発表する台本は、なぜか私が選ばれてしまいました。そして先輩たちの暖かくも恐ろしい一言、「1年生には今後のこともあるから、主役やってほしいんだ!」と。私的には、私が書いた台本だから、地味な役を演じて監督などをしようと考えていたのでびっくりしました。まるでドッキリ大作戦です。なんとか周りの支えもあって主役をやり遂げることができました。感謝です。
そしてそんなこんなで今に至りますが、演じることは実に難しいものだと痛感しています。表情や動きで感情を表現します。今まで日々適当に、クールに生きていたつもりの私にはかなりの難題です。
ある番組でベテラン人気声優さんが「演劇とは?」という質問に「生きること。」と答えていました。人は誰しも毎日演技をしているからだそうです。ある時は友人として、ある時は家族の一員として、ある時は父親や母親として、様々な役割をその時々で演じているからだそうです。これを聞いた時の私は「何を言ってるんだろう?じゃぁ日常の自分の姿は嘘なのか?」と思いました。しかし最近、この言葉の意味が分かってきました。
人は誰に対しても同じ態度をとるわけではない。自分にとってのその人への自分のイメージを無意識に作っている=演技している、つまり演技とは生きることにつながるのではないかと思います。でもこれを正当にやりきることは私には難しいのですが、日々学びながら習得していきたいと思います。

(9月23日)

 

 

 
*K.S.(1年生)
 私は最近体育の持久走が気がかりです。走ることは嫌いではないけれど、終わりが見えなくて、とても疲れて、汗もいっぱいかいて、走っていてだんだん悲しくなってきます。しかし嫌でも走らなければなりません。そこで私は少しでも楽しく走れるコツがあれば…と思ってパソコンで持久走のことを調べてみました。
 持久走とは70%くらいの力で5分~30分間走ることであり、絶対的なスピードや瞬発力などよりも持久力・戦略などが要求され、精神面が大きく影響し、いかに他人よりも楽に走り自分のペースが守れるか、というのが重要だそうです。そして1つ目のコツ、腕を大きく振って走ることを意識する。2つ目は、背中を丸めずに大きく息を吸いながら走ること。呼吸は息を鼻から2回吸って口から2回出すのがいいそうです。
 精神面がとても影響するというので、走りながら楽しいことを考えたりして現実逃避をするのもいいことかもしれません。私は2つの走るコツと走っている間楽しいことを考える、を利用して体育の持久走を乗り切っていきたいと思います。

(10月4日)

 

 

 

 

*Ruder (本人の強い希望でペンネーム表示しています)
 私は中学1年の頃いじめにあっていました。いじめに遭う前はすごく仲の良かった友達のMも、私がいじめに遭うようになってから私を避け始めたのです。私はいじめられていることよりも、その友達の態度に一番ショックを受けました。裏切られたと私は感じました。その瞬間から私はどんな人も信じられなくなってしまったのです。自分によって来る人が全て敵に見えたのです。それらが原因で私は不眠症・躁うつ病になってしまいました。そして、不登校です。誰も助けてくれない、辛いし苦しいし、こんなに生きていることが辛いなら死にたい…と思ったこともありました。
 病院に通い始めて数か月、不眠症は解消され、うつ病も少しずつ改善されていきました。そして、1年の終わりには担任のY先生が私をいじめていた主犯の2人を説得して謝らせてくれました。それがきっかけでその2人とはまた仲良くなれることが出来ました。Y先生には感謝です。しかし私はそのいじめがきっかけで人を信じることが怖く、信じることができなくなっていました。それは敬和に入学しても同じでした。みぎわ館のみんなといる時も、信じよう、信じたいと思っても、あの時のいじめのことが頭に浮かび、みんなのことを完全に信じることが出来ない自分が居ました。信じてまた中学1年の時のようになるかもしれない…そう思うと、どうしても信じることが出来ませんでした。
でも今、私は信じられる、大切な仲間を得ることが出来ました。それはみぎわ館のみんなとラグビー部の仲間です。不信の中で生き、みんなを疑い、自分を大切にできていなかった私は謹慎になりました。私のそんな現実に気付いていたみんなは私の謹慎を残念に、だけど当然だと思ったでしょう。それでも戻ってきた私を心の底から受け止め、受け入れてくれました。本当に感謝です。ありがとう!みんなの優しさ・強さに、私はいつも救われていたのだ、ということに気付くことができました。みんなには感謝してもしきれません。これから、みんなに恩返しができる人へと成長していきたいと思います。

 (10月7日)