のぞみ寮通信

光風館

2010/02/28

光風館通信 第252号(2月28日)

< 3年生の皆、お帰りなさい。そしてお元気で!! >

 
 3年生が久しぶりに光風館へと戻ってきました。

実は、3年生が「自宅学習期間」に入ってから光風館はシュンとして元気がありませんでした。「やっぱり、3年生の存在って大きいんだなあ…」って、改めてそんなことを思いました。
 さて、3年生の皆さん、いよいよ巣立ちの時です。ぜひ、胸を張って堂々とその時を迎えてください。いろいろなことがあった3年間だったと思います。でも、その一つひとつが、君たちの大きな成長の糧となったはずです。「敬和」を卒業後、皆はいろんな厳しい現実に直面するはずです。でも、それらに立ち向かい、乗り越えていけるだけの「強さと逞しさ」を、この寮生活を通して身につけました。ぜひ、「のぞみ寮」卒寮生としての自信と誇りを胸に、今後の人生を豊かに歩んでいってください。君たちがこれから歩み出る道に幸多からんことを祈っています。

 
 さあ、2年生と1年生の皆さんは、3年生たちが気持ちよく「のぞみ寮」を卒寮、「敬和」を卒業していけるように、素敵な見送りの時をもってください。3年生との別れは悲しいものですが仕方ありません。ヒトは時間と経験を重ねて成長し、人生の新しいステージへと上がっていくのです。3年生にとっては今がまさにその時なのです。3年生の前途を祝し、最高の笑顔で見送ることにしましょう。
 光風館40回生の3年生たちが残してくれたよき精神や伝統はたくさんあります。光風館の41回生の2年生、42回生の1年生、それに4月から迎える43回生の新1年生を加えた光風館生全員で、それらを引き継ぎながら、新しいものをどんどんプラスしていき、光風館の歴代の先輩たちにさらに誇ってもらえる、そんな光風館を創っていきましょう。

(岩原)

 

 

 

 

 

 

< 先輩から最後の話 >

 
 3年生へ最後のメッセージということで、私が敬和を卒業してからの失敗談を紹介したいと思います。3年生だけでなく、光風館のみんなが、寮と敬和学園高校を離れてから、少しでもお役に立ててればと思います。
 幼い頃から工作でも大きな物を作ることが好きで、高校時代の長期休みに建築現場の足場を作る鳶(とび)のアルバイトをやったこともありました。足場とは、建物を建てる時や工事、補修するときに建物の周りにジャングルジムのような鉄骨を組み、職人さんが作業できるようにするのです。フェスティヴァルのスタンドは、建築現場でもつかわれる足場で作られています。作業現場は、体育館や高速道路の橋脚、橋の下、土砂崩れ防止の工事のために崖の側面など、足がすくむような高所で危険なところもありました。そんなことがきっかけで、私は敬和学園高校を卒業してから宮城県の大学に進学しました。専門課程は土木工学科(今では土木科と言わずに環境学科に変わりつつあるようです)です。あるゼネコンのCMで「地図に残る仕事」というキャッチフレーズは、私の進路を決定させるに十分でした。

 
 失敗談はここからです。大学で勉強もそこそこ(?)していましたが、卒業間近になって自分に資格が少ないことに気づきました。大学で単位がとれれば取れる資格はあります。運転免許証もそうですが、将来自分が就職活動を考えた時に、形となって残っているものがなかったのです。工学部の学生は研究等で忙しいイメージがありますが、実際には資格が取れないほど忙しいわけでもなく、学年が上がると少しずつ時間的余裕もありました。そんな時間を私はアルバイトに費やしたり、ラグビーや友人と遊んだりしていました。童話の「アリとキリギリス」のキリギリスに私はなってしまっていたような感覚でした。
 今では新聞の折り込みチラシによく入ってくる様に、様々な資格をとることが出来るようになっています。高校生でも取得できる資格から、講習を受けるだけで取得できる資格、自分の進路とは関係ないかもしれないけど興味が湧くような資格もあると思います。その中には国家資格から、漢検や英検のようなに認定資格まで資格の種類も様々ですが、資格は身を立てる(養ってくれる)ように国家資格があれば仕事に就くことができます。取得した資格が自分の進路とは関係ない資格でも、そこで学んだ教養や知識は自分自身の器を広げてくれるでしょう。きっと資格は自身の人生を助け支えてくれます。

 
 もう一つの失敗談は遊びの質です。高校を卒業しても二年間は未成年ですが、行動範囲が大人の世界に参加できるようになって行くことでしょう。酒の付き合いやパチンコなどギャンブルはお金もかかり、トラブルになる危険があります。ラグビー部に所属していた私は、酒の付き合いで辛い思いもしましたし、ギャンブルにはまって大学を去ることになった友人もいました。だからと言って、仲間で集まって麻雀やテレビゲームなどしていても有意義とは言えないでしょう。社会との接点が近づいた時期に色んな社会見学をして、より多くの人との出会いを求めつつ、自分の益になり、楽しめるような遊びを追求して欲しいと思います。バック一つで海外旅行、自転車で日本旅行、ヒッチハイク、地域のサークルに参加することやボランティアに参加するなど、遊ぶ時間ひとつでも自分のためになるような時間を持って欲しいと思います。

 
 最後にお願いです。これから先の人生には、どんなことが待っているかは分からないことだらけですが、命を大切にすることだけは忘れないでください。私には、すでに会うことの出来ない友人が3人もいます。自分の努力ではどうにもならない突然の事故で、3人の友人は亡くなってしまいました。どんなに苦しいことや辛いことに遭っても、色々な失敗をすることになっても、後戻りのできないような失敗だけはしないように心掛けて下さい。そして、みんなと何処かで会い、それぞれの失敗談を語り合い、腹を抱えて笑い合えることを楽しみにしています。

(帆刈)

 

 

 
          
            
< 礼拝のお話し >

 
S.K.(1年)
 みなさん、こんばんは。12室のS.K.です。今日僕は、今の自分の心境について話したいと思います。3年生が自宅学習期間に入ってしまいました。僕は、今まで同学年の人との関りが4割、先輩との関わりが6割、といった寮生活をしてきました。部活でも光風館の先輩が多く、とても仲良くさせてもらいました。だから、3年生が帰ってしまい、少し悲しいです。でも、なぜ「少し」なのかというと、あまり実感が湧かないからです。Yの時もそうでした。とても身近にいた人、寝食を共にした人が急にいなくなってしまうのは、悲しいことなのですが、でもあまり実感がないからなのか、深い悲しみが来ません。こんな気持ちは何だか失礼な気がします。だからといって、どうすることもできないのですが、僕は悲しい気持ちを持てない分、感謝の気持ちをたくさんもとうと思います。今、そうした気持ちになるのは遅いかもしれませんが、3年生が卒業するまで、またその後も感謝の気持ちを持ち続けていきたいと思います。そして、僕が3年生になった時、後輩に同じような気持ちをもってもらえるよう、自分のたくさんある弱い部分を直していきたいです。

 

 

 

 

W.K.(1年)
 みなさん、こんばんは。13室のWです。これからハイチで起きた大地震のことについて話したいと思います。僕はニュースでハイチに地震が起こったことを知って驚きました。そして、現地の人たちが支援物資をめぐって、傷つけ合っているのを見て、とても悲しくなりました。なぜなら、その支援物資は、世界中の皆が少しでも役に立って欲しいと願って出したお金が使われているからです。でも実際には、その支援物資を求めて、混乱が起き、暴動が起きてしまっているのです。
 私は、どうしたらそういった状況を解決できるのか、今自分を含めた私たちは何ができるのか、それを考えました。一つは、少しずつ物資を送り分けるのではなく、もっとお金を集め、いっぺんに、それも世帯ごとに配り、一人ひとりが十分にいきわたるようにしたらいいと思います。二つ目は、私たちが少しでもお金を節約し、それを募金につかうことです。普段何気なく日常の生活を過ごしている私たちですが、世界では今でも多くの人が苦しんでいます。私は、そのことを忘れずにこれから生活していきたいと思います。

 

 

 

 

H.S.(1年)
 みなさん、こんばんは。14室のHです。今日は音楽を聴くことについて話そうと思います。この中で、一日のうちで音楽を耳にしない、という人はまずいないと思います。礼拝、テレビ、ゲームなど、一日の中で音楽を聞く機会はたくさんあります。その中で、皆さんが好きな音楽はありますか。楽しい、悲しい、さびしい、面白い、盛り上がる、落ち着く、泣ける、などいろんなタイプの音楽があると思います。ちなみに、私が好きな音楽は、別れてまた出会う、そんな感じの音楽が好きです。だから、そういう音楽を聴くといろんなことを思い出し、何だか心が懐かしい気持ちになります。どんな時でも立ち直らせることができます。このように、音楽を聴くことには、人の心を大きく動かしたり、落ち着けたりする力があると思います。皆さんも、自分の心に力を与えられるような、そんな音楽を見つけてみてください。それが大きな壁にぶつかった時や辛いことがあった時に、自分を救ってくれることになると思います。私はそう信じています。