のぞみ寮通信

光風館

2015/07/21

光風館通信 第455号(7月17日)

< 第二定期テスト お疲れ様! >
 

 第二定期テストが7月3日(金)〜8日(水)の間に行われました。今回もテスト期間中、管理栄養士の五十嵐さん・調理師さんが夜食を作ってくださり、光風生のモチベーションは上がっていました。ありがとうございます。

 またリクエストに応えて、光風館では私が夜食を作りました。以下、メニューです。

 

 7月2日(木)『ベーコンと夏野菜のトマトチーズリゾット』

 

 7月5日(日)『豚肉と青ネギのペペロンチーノ』

 

 7月7日(火)『鮭たまご雑炊・光風サラダ』

 夏野菜やサラダは光風ガーデンから取れたズッキーニ・ナス・ピーマン・レタス・インゲンなど、たくさんの野菜を使いました。前回の通信で記載した“畑プロジェクト”で大活躍しているW.M君(2年)とC.T君(2年)、Aさんに感謝して頂きました。またリゾットのチーズは冨井愛先生からいただいたモンゴルの“ア・ロール”を使いました。チーズの程よい酸味・甘味・香りがコクと深みを与え、最高のリゾットを楽しむことが出来ました。そして光風サラダはAさんのお手製クルトンが加わり、いつも以上に食欲が増し、みんなの食べる量が増えていたように感じます。頂き物や収穫した野菜で喜びを分かち合い、お腹も心も満たされる時間となること、本当に嬉しく思います。

 全教科の結果が返って来て、納得のいく点数でしたか?テスト期間中、光風館ホールで夜遅くまで勉強していたり、朝早く起きて清々しい気持ちで勉強していたりする姿を見ることが出来ました。しかし、「今回は捨てた……。」という声が聞こえていたのも事実です。本当にそれでいいのでしょうか?今回、諦めたことであとから苦しんだり、後悔したりするのは自分自身です。経験してみないとわからないかもしれないけど、後悔した時の「あの時、もっとやれば良かった……。」という気持ちを私自身が何回も感じてきました。そのことに気付いた後、「これからどう動けばいいのか?」と悩み、「次こそ頑張ろう!」というエネルギーへ変えてきました。私がテスト期間中の礼拝でのぞみ寮生みんなに伝えた言葉を記載します。次回からの定期テスト期間中、やる気に満ちて取り組む姿を期待しています。

 「今、自分が苦手だと思っていることや自分に与えられている課題に一生懸命取り組んでみませんか?あなたの一生懸命な姿が誰かを感動させて、誰かに幸せを与えます。一生懸命やっても、結果がうまくいかなかった。それでもいい。でも一生懸命やったことが、きっと自分自身を成長させてくれるはずです。ひとつ一つに一生懸命になるのぞみ寮生であってほしいと願い、そんなみんなを心から応援したいと思います。」(片岡)

 

 

 

< たこ焼きパーティ >

  7月11日(土)今年度初となるたこ焼きパーティを開催しました。参加者全員で300個以上のたこ焼きを平らげた後、Aさんお手製“紅芋タルト”に群がる光風生。たこ焼きを食べている最中の写真を撮ることが出来ませんでしたが、みんなの満足そうな顔を見て、楽しんでもらえたようで安心しました。また夏休み中、部活動で頑張る光風生へいろんなパーティを企画します。乞うご期待!(片岡)

 

 

 

< キリスト教の“本当の愛”とは…? >

  4月初めに部活動で指をケガしてしまい、入院・手術・リハビリを頑張った光風生がいます。入院・手術を経験し、好きなバスケットボールをやりたくても出来ないもどかしさ。完治までの日数を伝えられ「最後の試合に出られるのだろうか……」という不安。そのたくさんの感情の中、彼は本当によく頑張りました。そして引退がかかった公式試合には、残り数分で出場することが出来て、ファールを受けてフリースローをもらったそうです。フリースローの結果については、直接彼に聞いてみてください。

 つい昨日、その彼の最後の診察に付き添った時の出来事です。診察で指の曲がる角度を測り、「よし、もう大丈夫。しっかりと完治したので、これからは通院しなくていいですよ。」と伝えられ、彼が喜んでいる横で私もホッとしていました。その直後に医師は私のほうを向いて、こう言いました。「先生でいらっしゃいますか?」Tシャツ・短パン姿の私を見て、不思議に思ったのかもしれません。「はい、寮務教師です」と答える私。さらに「先生、クリスチャンですか?」と質問され、「はい、クリスチャンです。父親と祖父母が牧師でコテコテのキリスト教家庭です。」と答えた私へ医師は続けて言いました。「キリスト教でいう“本当の愛”って何ですか?」という質問にビックリし、戸惑う私。その医師の後ろでは看護師さんが「また聴いているわよ。」という薄ら笑いを浮かべていました。

 彼に聞いたところ、彼にも同じ質問をし、学校で宗教科の先生へ聞いてくるように宿題を出されていたそうです。困っている私に医師は話を続けます。

 「私、宗教に興味・関心があって、いろんな本を読むんです。仏教・儒教はその教えをたくさんの漢字一文字で表して、意味が理解出来るんです。でもキリスト教は“愛の宗教”と言われているじゃないですか?だからそのキリスト教が考える“本当の愛”を漢字一文字で表現し、置き換えると何になるのか、クリスチャンに出会った時に聴こうと考えていたのです。どうお考えですか?」という質問でした。その答えに困った私の横で、彼も薄ら笑いを浮かべ、「自分は答えなくていいや」と目線を合わせないようにしていました。

 私は咄嗟に「そうですね〜答えにちょっと困りますけど……。漢字一文字に置き換えると“尽”だと思います。聖書に『心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くして…』という箇所があるんです。自分の力や才能を用いて、誰かに尽くすこと。それがキリスト教の“本当の愛”じゃないのかなぁと思います。」と答えました。私は続けて「敬和学園にはキリスト教の教えが根底に流れていますし、のぞみ寮はその“本当の愛”を生徒ひとり一人が体現出来る場所であると信じて、仕事しています。」と伝えたところ、医師は妙に納得してキラキラとした表情に変化していました。「じゃあ、キリスト教の……」と続ける医師に看護師さんが「先生、診察よりもその話題のほうが長くなっていますよ。」と止めに入ってくださり、ひと安心しました。医師は「すみません。じゃあ次回の通院は……あっ、今日で終わりだったんですよね。話し足りないなぁ〜残念。」と言っている中、彼は私へポツリと言いました。「今度は自由さんが手をケガしなくちゃいけませんね。」この彼の診察はたくさんの気付きが与えられ、“本当の愛”について改めて考えさせられるひとときとなりました。

 明日から待ちに待った夏休みになります。夏休みの中でたくさんの人と出会ってください。たくさんの人と想いを語り合ってください。たくさん物事を真剣に考えてください。そして自分の力・才能を用いて誰かに尽くす“本当の愛”を憶えて、自分らしく成長してほしいと願います。身体や事故にはくれぐれも気を付けてください。では良き夏休みを!(片岡)