のぞみ寮通信

光風館

2015/04/24

光風館通信 第446号(4月23日)

 新年度が始まり、今年は新しい試みとして新入寮生に名札を渡しています。私は、“人間関係の始まりは名前を覚えることからだ”と考えています。ひとり一人に素敵な名前があって、そこに両親や家族の想いが託されていることを忘れないでください。そして、ひとり一人の名前もひとつの魅力だと考えています。これからの寮生活で信頼関係を築くためにも、自分自身も他人の名前・個性・魅力を大切にしてほしいと願います。

 部屋ごとの写真を掲載します。こう見ると、部屋ごとに個性が良く出ているなぁと感じます。

 先日、女子寮の新入寮生から言われました。『先生の名前を見た時、ふりがなが無かったから“片岡みゆう”さんだと思った!』……正直、衝撃でした。いつもは「なんて読むんですか?もしかして、そのまま“じゆう”ですか?」と言われることには慣れています。また電話で名前を聞かれた時、頻繁に聞き返されるので「自由時間や自由帳の“じゆう”です」って伝えると、すぐ理解してもらえます。ちなみに「自由奔放の“じゆう”です」って伝えると、私の滑舌の悪さのせいで聞き取れないらしく、さらに聞き返されるので避けています。そういった体験談や話のネタはたくさんあるけど、今回はまさかの“みゆう”とは…。

 話を戻しますが…2・3年生のみんな、考えてください。光風館で1年生と2・3年生のどちらが名前を早く覚えることが出来るでしょうか?1年生は光風館の先輩と同級生、教師も合わせて約50名分の名前を覚えなくちゃいけない。それに対して2・3年生が覚えるのは光風館19名分の名前。明らかにどちらが早く名前を覚えてあげられるか、わかるでしょ?先輩に名前を覚えてもらって、話しかけてもらえることは何よりも嬉しいはずです。そして、名前を覚えてもらえるとわかることでより一層、1年生は光風館で迎え入れられていると感じるはずです。1年生は慌ただしさの中から、やっと寮生活のペースを掴めてきたのではないでしょうか?光風館で生活してみて、優しくて話しかけやすい先輩が多いことに気付き始めたのでは?魅力溢れる先輩・仲間がたくさんいるはずです。どんどん話しかけて、新しい出会いを自分から作ってみましょう!(片岡)

 

 

< “光風館で待ってます!” > 

 18日(土)、寮見学に来てくださった方が2名いらっしゃいました。男子寮の見学を…ということだったのですが、あいにく本部には私しかいませんでした。「ご案内いたします~!」なんて気前良さげに請け負ったものの、男子寮の見学なんてしたことないし、「第一、男子寮の部屋に入っちゃってもいいのか?いいよね?」なんて自問自答しながら、内心ドキドキでお二人のお迎えに向かったところ、偶然、学校の廊下で光風館生に出会いました。

 大きな笑顔で『先生~!こんにちは!』とあいさつをしてくれる光風館生。「いいのかなぁ?」の連発で曇りかけていた私の心に陽をさしてくれました。部活帰りの彼のとってもすがすがしい笑顔に、私はつい「こんにちは!…ねぇ。助けて!」と寮案内のお手伝いをお願いしました。部活が終わったばかりで汗まみれで、きっとヘトヘトだったことでしょう。でも『あ、いいっすよ!じゃぁ、光風館で待ってます!』と言ってくれた彼の言葉に私の足取りは軽くなり、自信満々でお迎えに行くことができました。

 見学の方々と一緒に友愛館を周り、いざ光風館へ!「こんにちは~!」と叫びながら入っていく私たちに、どこかしこから『こんにちは~!』とこだまのような挨拶の返しが。「今から光風館、見学させてもらいます。よろしくお願いします!」と放送をかけると、上の階からも『は~い!』と返事が。これだけで光風館見学がなんだかワクワクしてきました。私がワクワクしたのですから、見学者の方もワクワクしたこと、間違いなしでしょう。

 そして、来てくれました。彼が。光風館で待っていてくれました。変わらない爽やかな笑顔と、一緒に案内をしてくれる仲間と共に。見学者に向けて自己紹介をしてくれ、1階のホール・音楽室・談話室・娯楽室の4つを紹介。ただ見せるだけではなく、この部屋をどんな風に使っているのか、どんなに楽しく過ごしているのか、簡単なエピソードを交えながらわかりやすく紹介してくれていました。やるな~。

 自分たちのお部屋も見せてくれて、“何でも聞いてください”と言葉にはせずとも、対応と雰囲気で表現してくれた彼らに見学者のお母さんが「寮生活楽しい?」と一言。みんな迷わず『楽しいですよ!』と返答。「中学校時代に課題がある子も楽しく過ごせるかな?」と更に一言。『ここにはいろんな人がいます。一緒にいろんな経験ができるから、乗り越えていける。いろんな人がいていい場所なんです。大丈夫ですよ。』お母さんが喜ばれたのは言うまでもありません。

 分かれ際、案内をしてくれた彼らは見学者の方々に『光風館にぜひ!待ってます。』とお見送りをしてくれました。私も含めて見送られるみんなの心がとっても温かくなりました。ありがとう。

 気持ち良く挨拶を自然にしてくれること、「助けて!」に快く、本当に快く応じてくれること嬉しいなぁと思います。そして私が一番嬉しかったのは、仲間と共に待っていてくれたこと。『待っています。』と言ってくれたのは、最初は一人でした。でも最後は複数になっていました。どんなに些細な事でも、待っていてくれる人がいるっていうのは本当に嬉しいことなんだと、改めて教えてもらうことができました。ドキドキから始まった寮案内も、光風館生のおかげで、とっても優しい・嬉しい・温かい寮案内となりました。ありがとう。光風館生、ステキです。 (森口みち子)

 

 

< 礼拝のお話 >

M.H(2年) 

 みなさんは寮に入ってからホームシックになったことはありますか?多分一度は経験したことがあると思います。自分も昨年の夏休み明け一週間は、ホームシックになっていました。別に寮も学校も嫌なわけではないのに、なんでホームシックになってしまったのか?その時の自分にはわかりませんでしたが…秋休み明けにまた戻ってきた時には、ホームシックになっていませんでした。その時になぜ自分がホームシックになっていたのか、気付きました。それは期間と家にいる時の過ごし方でした。短い秋休みの期間には、寮にいる時の緊張感が抜けなくて、短い期間ではホームシックになりませんでした。しかし、長期間になると実家で生活習慣が変わってしまい、寮に戻ると急に規則正しい生活に戻るため、その大変さにすぐに慣れることが出来ず、ホームシックになってしまうのだと気づきました。そして冬休み・夏休み・秋休みの経験をもとに、家に帰ってあまり家で不規則な生活を送らなかった結果、ホームシックにはなりませんでした。なのでみなさんも違った形で自分なりの改善点を見つけていきましょう。

 

A.H(2年) 

 私は小さい頃、よく友達と一緒に外で遊ぶ元気な子でした。ある日、僕たちが近所の公園で“缶蹴り”という遊びをやっていると…鬼が三周目あたりになった時、僕の耳に今まで聞こえていた鬼や逃げる子供の叫び声や足音が聞こえなくなったのです。缶が見える位置まで移動すると鬼がいません。ほかにも隠れていた子供たちもぽつぽつと顔を出し始めて話し合い、自転車がないということから出た答えは一つ…鬼が無断で帰宅した。

 次の日から僕たちの学校で無視・いじめというものが始まりました。今、考えると「ガキくさいなぁ」と思います。しかし、当時の僕たちはその子が嫌いだったから無視していたのではなく、僕たちのその集団がまとまって遊んでいくために必要な措置だったのではないかと思います。確かに缶蹴りのルールに無断で帰宅してはいけないというルールはありません。しかし世の中にはこういった当たり前すぎて、ルールにも載せないルールというものはあります。俗に言う“暗黙の了解”というものです。

 暗黙のルールは、こののぞみ寮にも数えきれないほどあります。それは上下関係の中でもあるものですし、同級生との間にも築かれていくもので、決して悪いことではありません。お互いの常識を信じあっている証拠です。みなさんも信頼を裏切る人ではなく信頼される人間を目指しましょう。

 

O.S(2年) 

 先日、一年生がこの光風館に入寮しました。その時、私は一年生をテニス部に誘いました。しつこい私の勧誘に対して「またですか?」と言われたり、中には「僕は、もう部活決めたんだ…」なんて言ったりする子もいました。そんなやり取りで一番私の心に残った言葉は、「先輩はテニスが大好きなんですね!」でした。この時、ふと私は、“自分はテニスが好きなのか!”と思いました。それと同時にいつから好きなのか考えてみました。

 私とテニスが出会ったのは、小5の時、体育以外で体を動かさない私を見て母が近所のテニスクラブに連れて行ったのが始まりでした。そのあと、中学に上がると同時に、硬式から軟式のテニス部に入り、3年間一生懸命部活動に、励みました。

 高校でも「部活はテニス!」とはならず、野球部に入ろうとしました。“高校で新しいことに挑戦するのもいいかも”と思ったからです。しかし、とりあえず行くだけ行ってみた、テニス部でボールを打っていて私は初めて気が付いたのです。自分の中にある一番捨てられない想いに…。

 テニスをやる理由は、親がやれと言ったからでした。だからそこに自分の意思は、ありませんでした。仕方なく始め、仕方なくやっている事だと思っていました。でも違いました。それまでも、ここまでも、テニス続けてきた理由は自分自身の中にある「テニスが好き」と言う意思だと思います。例えそれが運命で、誰かに与えられた物だったとしても、好きだったんだと私は思います。みなさんも心から好きになれるものを探してみては、どうでしょうか?