のぞみ寮通信

みぎわ館

2010/02/09

みぎわ館 第30号(2月8日)

<3年生の皆さんへ ~晴子先生からの手紙~ >

 
3年間の寮生活お疲れ様でした。1年1年の積み重ねで、あなた方は大きく成長しました。

思えば不安だらけで入った寮生活。右も左も分からず、先輩達にいろいろ教えられた寮の生活の仕方。覚えきれない約束事。目も回りそうな時間との追いかけごっこ。後悔の日々もあったけ。友達が出来るかと悩んだこと。頑張ったガス台掃除。頑張った電話ダッシュ。頑張ったお風呂のお湯汲み。すんなり出来るようになった挨拶。階段を駆け下りる登校チェック。気配り、気遣い等々。2年になれば、1年生の養育係り。自信もないのに、自分も失敗だらけでわからないのに。繰り返されるミーティング。本音で話せない友達関係。けれども楽しかった寮祭、いっぱい食べたガーデンパーティー。ケーキとゲームのクリスマス。いろいろな行事。勉強よりもおしゃべり。同じ釜の飯。食当。掃除。洗濯。夕礼拝のお話。等々。まだあるかな?

 
どれだけ悩んだことでしょう。どれだけ苦しんだことでしょう。どれだけ泣いたことでしょう。どれだけ笑たったでしょう。どれだけはしゃいだことでしょう。つらいことの方が多かった寮生活?けれども、もう卒業です。思えばあっという間の3年間でした。いやいや、ながーい3年間でした。でも思い返せば、人のために身体を動かし働くことを覚えました。ありがとうの言葉もうれしかった。心を鬼にして注意しなければならないつらさも知りました。   

 

先輩だからと偉そうにと思った態度の裏に、すごい勇気が必要だということも知りました。注意することの後味の悪さも知りました。けれどもきちんと言わなければ、な~んにもならないことも体験しました。言うからには自分の行為にも責任があることを学びました。ありがとうも言えました。そして何よりも仲間がいたからここまでやってこられたことを知りました。どんなときでも相談できる仲間がいました。支えてくれる仲間がいました。一緒に泣き、笑い喜び合える仲間の存在に気付きました。けんかもしました。でもそれは本音が語られること。そしてお互いのわがままを許しあえる、存在を認め合える関係が出来ました。去って行った仲間もいました。つらかった。でもその気持ちを理解する事が出来ました。そんなのぞみ寮での3年間の生活があなたをとっても強くしました。ここでの成長がこれからのあなたを支えることでしょう。どうぞ望み寮で育んだものを誇りとして自信を持って歩んでください。のぞみ寮の後輩たちを引っ張り立派に支えてくださったことに心より感謝いたします。ありがとうございました。あなた方と共に過ごしたことは私にとって大切な思い出です。お元気で頑張ってください。

(大西)

 

 

 

 

<ある?> 

 
本当に見事によくやってくれた3年生のまとめ合宿が終った。が、大きな落ちがあった。  
3年生が去りひっそりとなったみぎわ館。1月30日「静かになったなぁ」と、夜の点呼に館内を見回ったその時、唖然とした出来事にぶつかった。それは2F廊下に置きっぱなしの大きなゴミ袋。「自分達のゴミは自分達で捨てなさい」と言ったのに。「まとめ合宿の時にはなかったはず」と首をかしげる。そして4特(4Fの畳の部屋で3年生は全員で就寝した)を覗いた森口先生が見たものは!!!なんと乱雑な乱雑な部屋のありさま。「開いた口がふさがらない、情けない」と事務室に戻って来た。幸か不幸か2人の3年生が居残っていた。後の始末はこの2人がするとのこと。仰せつかったとか。聞けばみんなは時間が無いので、自分の荷物をまとめて帰って行ったとか。残る私たちが後始末をするから大丈夫とのこと。それにしてもあの散らかしようはいったい・・・・・。しばし沈黙。2人を呼んで2F廊下のゴミと4特をきちんときれいにして帰ることを約束させた。さすが3年の2人。翌31日にはゴミも捨て、きちんと綺麗にしてくれた。「すみませんでした」と言う置手紙があった。感謝。お2人さんありがとう。お疲れ様でした。

 

   
しかしヤレヤレと喜んだのも束の間。夜にはリサイクル委員長の「先生、3年生ゴミ分別がめちゃくちゃです。」との声。「この缶詰。○○さんのですが、中味を出さずに空き缶のところに捨ててありました。どうしましょうか。」との声。翌日には「先生、3年生が捨てていった靴ですが、燃やすゴミに捨てていいですか?」と玄関掃除の2年生。玄関のカゴ入れに無造作に突っ込んで捨ててあった何足かの靴とスリッパの始末までしてくれるという。なんてけな気な事よ。思わず、「ごめん。そんなところにも3年生のものが捨ててあったの?自分達で捨てるゴミだね。ここに入れて。」とゴミ袋を差し出す。立つ鳥後を濁さずと言うが、これは一体?!思わず3年部屋のゴミは捨てたのだろうか?何か情けなかった。私たちの指導力不足?冬休み開けすぐに、「荷物整理は早めに取り掛かること。テストも始まるので間に合わないよ。○○日までに送る荷物はホールへ下ろす。もって帰る荷物は会議室へ箱詰したものからどんどん入れなさい。」の指示を何回も出していたはずなのに。聞いていたのかいないのか。知ってか知らずか。他人事ですか?冬休み前からきちんと計画していた素晴らしい生徒もいましたが・・・。はかどっていない生徒には声がけもした。「大丈夫です。出来ます」の声。その結果は?・・・沈黙。

 
この荷物整理の時に、大量に出る衣類の山をご存知ですか?もう着ない洋服をリサイクルボックスに入れるのです。欲しい1・2年生は好きなものをいただきます。再利用されるのです。「先輩から貰ったあー」と大喜び。しかし残る方が圧倒的に多いのです。機械拭きのウエスに出来る木綿類はある施設に持っていきます。それ以外のまだ着用できるものはハードオフに持って行き、わずかながらもお金に替え、クリスマス献金にと言う事になっています。それ以外は全部捨てる事になります。本当にしのびないのです。外国へ送ったこともあります。しかしそれにはとてもお金がかかりました。生徒は気軽に捨てます。私たちからみれば、保護者の方が働いて得たお金で買ったものです。消費時代とは言え、今の世の中、もっと物を大切にして欲しいと思います。衣類のほかに雑貨もたくさんあります。あり過ぎて置く所に苦労します。結局捨てざるを得ないのですが、本当に心が痛みます。何方かいい方法をご存知ありませんか?アイデアを教えて頂けたら幸いです。家に送り返すことが一番ですが・・・。寮は生活の場、本当に教育の場だなぁ。しみじみ。

(大西)
           

 

 

 

3年生のみなさん、2月28日は帰寮日です。3月2日の卒業礼拝までの本当に最後の寮生活。有終の美を飾ってくれる事を期待しています!これぞ3年生!!を後輩たちにも、私達にも見せてください!ね!

(森口)

 

 

 

 

 

<礼拝のお話 ~ラストメッセージより~>
U.S. (3年生)
 みなさん、こんばんは。10室のUです。今日はラストメッセージです。今まで当たり障りのない話をしてきた私ですが、今日はちょっとぶっちゃけたいと思います。緊張します。みなさん、特に40th、怒らないで聞いてください。まぁ、そんな心の狭いみんなじゃないって信じてるよ!
 実は私、みぎわ館に入ってきたばかりの頃、みんなのことが嫌いでした。というより、他人が嫌いでした。弱さを見せればすぐに何か陰口を言われると思っていました。人の優しさが信じられませんでした。だから、絶対に誰にも心を開こうとは思わなかったし、いつも一枚壁を作っていました。寮生活を楽しいと思えるような事は何もありませんでした。早く卒業したいと思っていました。そんな私がなんでこんなにみぎわが大好きになったのか、知りたくありませんか?知りたいよね!それは、みんなのお陰です。

 
 みんなはいつも正面から私と向き合ってくれました。一緒に笑ってくれたし、励ましてくれたし、ケンカしてくれました。いっぱい私のこと怒ってくれました。最初はフンッなんだよってトゲトゲしてた私も、何度もみんなの温かさに触れて、変わりたいって思うようになりました。ちゃんと人と関わって生きたいって思うようになりました。みんなとちゃんと繋がりたい、みんなを大事にしたいって思うようになりました。
 だけど私は弱くて、なかなか素直になれなかったり、意地を張ったりして、何度もみんなのことを傷つけてしまいました。ゴメンね。だけど、それでもみんなは待っていてくれて、少しずつ少しずつ私もみんなと向き合えるようになっていきました。そしてみんなのことを好きになっていったよ。そして同時に自分の事も許せるようになっていきました。まだまだ人を大事にする事は下手だけど、1年・2年・3年と経って、41st、42ndも入ってきて、隣にみんながいてくれることの嬉しさをより強く感じるようになりました。でも、41st・42ndには怖い先輩と思われていたかな?不器用だから、愛情表現が下手だけど、みんなのこととってもかわいく思っています。いつも元気をくれてありがとう!私にとって、みぎわ館は家族で友だちで、特別な特別な存在です。

 
 最近私はある事に気付きました。それは、「人を大事にする事」イコール「自分を大事にする事」だということです。最初、私はみんなのことが大嫌いだったって言ったけど、同時にそんな自分も大嫌いでした。だけど今、私はみんなのことが大好きで、そしてそんな風に言える自分がちょっと嬉しいです。すごくすごく幸せです。私は、中学までの自分をすごく後悔していたけれど、今はそれがあってみんなと出会えたのだから良かったかな、なんて思えるよ。みんなに出会うまで、生きることがこんなに楽しいと思っていませんでした。辛い事があればすぐ逃げていたし、人とぶつかり合うなんて絶対に嫌だったし、面倒臭かった。だけどみんながいる今、何気ない一瞬一瞬がすごくすごく大切です。みんながいなきゃダメです!みんながいるから今の私がいるのです。

 
 電話ダッシュしたり、みんなでご飯食べたり、大掃除したり、宴会したりした事。夜ビーズしたり、シミフまで歩いたり、トランプしたり、カラオケ行った事。花びらキャッチしたり、花見だんご食べたり、蛍を見に行ったり、すいか食べたり。ハロウィーンパーティーして仮装したり、焼いも食べたり。カマクラ作ったり、ソリで登校したり、クリスマスケーキ食べたりした事。マナミとお別れしなきゃならなかったり、ラウンジでみんなでケンカしたり、ミーティングがなかなかまとまらなかったり、カヨコが居なくなっちゃったり、ノゾミが寮を辞めちゃったり、たくさんの辛かった事。41st、42ndが入ってきたときの嬉しかった事。泣いた事、怒った事、笑った事。みんなとの一つ一つの思い出が私を作ってくれています。

 
 もう少しで、みぎわ館で過ごす事は出来なくなるけど、私の中にちゃんとみんながいるから大丈夫です。百万力です!辛い事があったら、みんなのことを思い出すよ!
 楽しかったね。幸せでした。ありがとう。ここにいる全ての人と出会えたことに感謝します。
 いつも恥ずかしいから言わないけど、大好きだよ!