のぞみ寮通信

めぐみ館

2013/07/12

めぐみ通信 (2013年6月15日)

フェスティバル ~一人一人が主役~
 

 みなさん、フェスティバルお疲れ様でした!7・8日と天気にも恵まれた今年のフェスティバル。毎年行われるフェスティバルだけれど、一人ひとりにとっては毎回違う立場でこの日を迎える事になります。これまで約2か月間の準備期間中、めぐみ館のみんなが連日の練習や準備で悩んだり頑張っている姿を見てきました。思ったように上手くいかず悩み涙を流す姿。ダンスのオーディションに受かるかなぁと心配しながら朝早くから練習する姿。連合のテーマに合わせた当日の衣装や髪型をどうしようかと仲間とあーだこーだと言い合いながらワクワクしている姿などなど。それそれが毎日の生活の役割に加え、自分の受け持つ仕事に向かって努力し、ぶつかり合い、また、協力し合ってきました。

 当日、たくさんの保護者の方々がフェスティバルに来てくださり、家族やペットたちとの久しぶりの再会ができた人も多いのではないでしょうか。私も陰ながら応援に行ったのですが、最後の表彰式では、これまでのみんなの姿が次々と思い浮かび、「みんな本当によくやったなぁ」と感動で涙が出そうになりました。

 このフェスティバルを通してみなさんはどんな自分に出会えたでしょうか?充実感でいっぱいの人もいれば、悔しい想いをした人、いま一つやりきれなかった人もいたのではないでしょうか。様々な想いがあると思いますが、私の目には、一人一人全員が今回のフェスでの主役に感じました。敬和での1日1日が、みんなが「自分史」を形作る上で色鮮やかなものとなりますように祈っています!(会田)

 

 

 

 

 

好きこそものの上手なれ

 フェスティバルが終わって1週間が経ちました。すぐに気持ちを切り替えた人・まだ何となくフェスティバルを引きずっている人、様々ですが、のぞみ寮全体がやっと普段の落ち着きを取り戻したようにも感じます。

 先日、全体礼拝で「好きこそものの上手なれ」という言葉を紹介し、進路選択にも絡めてお話をさせて頂きました。私が今教師という職業に就いているのは、全て自分の好きな事・やりたい事を続けた結果です。もちろん楽しい事ばかりではありませんが、好きな仕事だからこそ辛い事も楽しもうと努力できるので、自分の選択は間違っていなかったなあと感じています。

 3年生はフェスティバルが終わった途端に、急に進路に向けて動きが加速しました。まだはっきり進路を決めることが出来ないという声も聞こえてきます。そこで私が皆さんに覚えていてもらいたいのは、「人生は一度きり」ということ。よく聞く言葉かもしれませんが、何か行動を起こす時にこれを念頭に置くのと置かないのでは全く結果が違うと思います。自分の人生をどんなものにするか。人としてどうありたいか。自分の理想を常に思い浮かべて、それに近づけるように行動してほしいと思います。

 今の皆さんは好きな事・やりたい事の為にどんな行動を起こしていますか。理想の自分に近づいていますか。私もまだまだ理想の自分に近づくために日々奮闘中です。是非一緒に目標達成に向けて頑張りましょう。(小黒)

 

 

 

 

教育実習生

 5月から6月にかけての3週間、めぐみ館に教育実習生が来てくれていました!S.NさんとI.Kさん、どちらも40回生めぐみ館先輩の2人です。忙しい中、生徒の悩みや勉強の相談に乗ってくれたり、6年前のめぐみ館の様子を話してくれたりなど、めぐみ館のみんなにとってたくさんの刺激を受ける機会を作ってくれました。実習が終わった後、フェスティバルにも来て応援してくれていた事に、皆さんは気付いていたでしょうか!?敬和の素敵な所の一つはこのように卒業しても続いていく関係があることだなぁと思います。Nさん、Kさん、ありがとうございました!(会田)

 

 

 

 

< 礼拝のお話し >

3年 O.H

 みなさんはなぜ敬和に入学しましたか。親戚が敬和生だったから、中学の頃あまり学校に行けてなかったからなど、理由は人様々だと思います。では、なぜ私が敬和に入学したかをお話したいと思います。

 敬和に入学した理由は、地元の公立高校の一般入試を受けたものの落ちてしまったからです。私が受けた高校の合格発表のその日。緊張しながら実際にその高校まで結果を見に行きました。掲示板を、おそるおそる見て「あれ?ない」と思い、もう一度よく確認してみても、自分の受験番号がなかったと知った時は、ショックで頭の中が真っ白になりました。みんな周りが受かって喜んでいる中で落ちた私は恥かしくなり、その場から逃げました。あの瞬間は今でも忘れられません。でも私は併願を敬和とは別の私立高校でとっていたので落ちても自動的にその併願をとった高校に行くことが落ちた時点で決まっていました。そして家に帰り、ケータイのメールをひらいてみると、何人かの友達から「高校受験落ちました」との知らせがあり、その子たちとも春からまた、併願の高校に一緒に通えると思い、自分が落ちたことなど忘れて喜んでいました。しかし、その夜、父が帰ってきて、落ちたことを伝えると、「落ちたなら敬和の寮に入れ」と急に言ってきました。私は「なんで急にそんなこと言われなきゃいけないの?絶対に嫌だから」と断固拒否しました。敬和は、おばさんが卒業した学校だったとしか知らなかったしオープンスクールにすら行ったことがなかったので、どんな学校なのかさっぱり分かりませんでした。「絶対行かない」と言い切る私に、父は「絶対敬和じゃないと高校に行かせない」と勝手に言い張り、喧嘩状態でした。父があまりにも言い張るので、それに負けた私はしかたなく敬和を受けることにしました。でも私の心の中では絶対に入試に落ちてやると思い、試験に臨みました。いよいよ敬和の入試当日。いやいやながら車で敬和に向かい、受付を済ませ、待合室となっていた図書館で、試験が始まるのを待っていました。そして時間になり、たぶん小田中先生だと思われる先生が挨拶をした後、言われた言葉が「讃美歌470番を賛美します。起立してください。」とのことでした。皆が立ち上がり歌い始めました。一瞬本当に、ここはこれから受験をするところなのか?とまじめに思いました。はじめて歌った賛美歌は、訳がわからず全く歌うことができませんでした。その後、筆記試験が終わり、残るは面接試験のみとなりました。ようやく名前が呼ばれ、面接会場に入ってみると、中にちょこんと座った、優しげなおじいちゃんがいました。そう、この方が今で言う、「信じい」こと寮長だったのです。面接では、地元の併願をすでにとっている高校か、敬和か、どちらの高校に入ろうか迷っている、と正直に答えました。普通の高校では、どちらの高校に入ろうか迷っているなんて言ったら、即落とされますよね。そう考えていた私は、絶対に落ちたなと思っていました。その後、合格発表まで1時間くらいあったので、母と初めてエミタイに行きました。パンをレジまで持っていくと、エミタイのおじさんは「お?中学生?受験かな?」と聞かれ、「はい」と答えると、エミタイのおじさんは「入試受かるように合格メロンパン、おまけに1個つけとくね」と言って無料で1個焼きあがったばかりのアツアツのメロンパンを私にくれました。ものすごくおいしかったのを覚えています。

 学校に戻り、いよいよ合格発表。待合室だった図書館の入口に合格者の番号が張り出されました。見てみると、白い紙にポツンと1つだけ受験番号が書いてありました。それは、なんと私の番号でした。10人中1人、私だけが受かっていました。まさか受かるなんて思ってもいませんでした。これが、私が敬和に入るまでのあらすじです。

 最後に、この先自分が想像していなかったことが絶対人生の中であると思います。でも実際にどの道が正しいかなんて分からないですよね。でも、どの道を選択しても、そのおかれた環境で楽しいとか、やりがいを感じられると思えることが大切になってきます。やっぱりあの時あっちの道を選択していた方が良かったかも…と最初は思うかもしれませんが、結局なんだかんだ楽しいし、まぁいっか…となることが多いのではないでしょうか。実際、私もそうでした。やっぱりあの時、こうしておけば良かったなーと後悔して根に持つより、むしろこっちの方が私には合っていたのかも、と思って生きた方が人生楽しいですね。