のぞみ寮通信

みぎわ館

2012/10/15

みぎわ館 第141号(10月15日)

< テスト週間  >

 修養会が終わり、そこで得たエネルギーを次へ!という事で待っていたのは定期テストでした。何だか今回はやたらと静かにテスト週間に突入したように感じます。いつもなら「あ~!もう!テスト1週間前だよ!!」という叫び声があちらこちらから聞こえてくるのですが、今回は誰からもそんな声は聞かれず、気が付けば突入していました。そして、ずいぶん前からテスト勉強に励んでいた人たちが多かったようにも思います。夜12時までみぎわホールで勉強し、朝も4時から…と頑張っていた人たちもいたようです。
 自習時間明けも、事務室に降りてくるみぎわっ子たちはいつも通り元気なのですが、一ついつもと違う事がありました。それは英語の参考書を持ってきていて、周りの友達と単語クイズを出し合っていたり、倫理のノートを持ってきて、授業で行っているディベートの予行演習をしていたりと、いつもはのんびり羽を伸ばしにやってくる事務室でさえも、勉強の匂いがしていた事です。
 仲間がいて、一緒に取り組めるから、励まし合えるから、周りの人たちの勉強に励む様子に感化されるから…いろいろ理由はありますが、第一定期テストより第二定期、第二定期より第三定期と、テスト勉強に向かう姿が自然になってきています。自習時間以外でも、仲間と楽しく過ごす時間の中ででも、まるで遊びのようにテスト勉強が組み込まれている様子にはすごいなぁと感心します。
 テスト勉強を通しても仲間との関わりが生まれ、互いを知り合う機会となり、共に励まし合って取り組む喜びを知り、テストの結果からも達成感と自信を得ていくのでしょう。みぎわ館で起こる全ての事が、みんなの心の成長につながっている事に改めて気づかされました。毎日起こる全ての出来事が、当たり前に見えることさえも、本当にスペシャルなんですね。こんなスペシャルな日々は3年間限定です!大事に、元気に、過ごしていきましょう!! (森口)

 

 

 

 

< 気晴らしも必要!? >

 テスト期間中、最もよく耳にする言葉は「おなかが空いた!」です(笑)。みぎわ館は自他ともに認める(?)、よく食べる館ですが、集中して勉強した時のエネルギー消費が尋常ではないようで、いつも以上に声が挙がっていたように感じます。
 「ねぇ、夜食作って~!」と甘えてくるみぎわっ子たち。これがまた、かわいいのです。かわいいから、「え~!」と言ってみても、ついついリクエストに応えてしまう私達・寮務教師陣。テストが始まれば、厨房スペシャルの夜食が全員に配られますので(厚切りハムとフレッシュベジのサンドとか、その内容は超ゴージャス&オシャレ!)、ではそれまでの期間で時々…と考えていた私達ですが、おにぎりに始まり、ほぼ毎夜、何かしら食べよう会が発足していたような気もします(笑)。
 有田先生と私がにぎったおにぎりを夜食にした日がありました。自習時間明け、匂いに誘われて降りてきたみぎわっ子たちは、「誰がにぎったおにぎりか?」でクイズが始まり、おにぎり批評が始まり(これがまたなかなか厳しかったのです。。。)、理想的なおにぎりとは…なんて話になり、大盛り上がり。みぎわっ子が集まれば、それだけで本当に楽しい空間が創られていきます。そこに、私たちのおにぎりがちょこっとでも幸せを運び、たくさんの笑顔のきっかけに少しでもつながるならば、そんな嬉しい事はありません。
 夜食でお腹が満たされ、みんなと過ごす時間で心が満たされたら、またみんなは部屋に戻り机に向かいます。1時間足らずの気晴らしの時間ですが、これもまた重要な時間です。きっと気晴らしした分、集中して勉強に取り組めている事でしょう。みんなのテスト結果、楽しみにしておこうっと! (森口)

 

 

 

 

< 仲間がいつもそばに♪ >

 先日、1年生のAさんが「最近Bさん(2年生)にあまり声を掛けてもらえていなくって…。なんだかとても寂しいんです。」とつぶやいていた事がありました。確かにいつも明るく元気なBさんですが、このところいろいろあって落ち込み気味。Aさんは、「その気持ち、本人に伝えてみたら?」という周りの声もあり、Bさんとまた楽しく話したい!という想いと、最近のBさん、一体どうしたの!?という心配の心から、本人に直接声を掛けてみることにしました。
 作戦決行の舞台は事務室。Bさんが降りてくるのを待って、様子を伺って、今だ!というタイミングで「最近Bさんとあまり話せてないから寂しかったです…。」と一言。それを聞いた瞬間、霧に包まれていたかのようなBさんの顔が一気に晴れ渡り、喜びの舞と共に「うわ~!嬉しい~!」と絶叫。「私の事、気にかけてくれていたなんて!超嬉しい!ありがとう!」とAさんにハグをするBさん。それを見ていた周りの2年生たちも、「あ!ずるい!」とハグに参戦。Aさんをまるで取り合っているかのような、ハグ合戦が繰り広げられました(それを見ていた周りもみんなワハハ!となりました(笑))。「よかったね~。」とBさんに声を掛けると、「はい!とっても!幸せの魔法の言葉を貰ったような気分です。」とニッコニコでした。
 みぎわ館でよくある一幕…と言っても過言ではないこのような場面。落ち込んだ時ほど、独りぼっちな気になりますが、ここではたくさんの仲間が見守っていてくれます。Aさんのように直に声を掛けてくれる人、気付かぬところでサポートし続けてくれる人、助けて!と手を伸ばしてくるタイミングを見逃すまいと注視してくれている人…様々なポジションから、みんなが一人一人を支えています。ある瞬間、そんな仲間が居続けてくれることに気が付き、喜びで胸がいっぱいになり、再び前を向いて歩んでいく大きな力となっています。こんな素敵な出来事も、のぞみ寮ならではでしょう! (森口)

 

 

 

 

< 礼拝のお話 >

*W.H(1年生)
 私の友人にロシア人のVちゃんがいます。彼女はとても日本語が上手ですが、入学当初から上手く話せた訳では決してありません。時間を掛けて、少しずつ上達してきたのです。さらにVちゃんは、ロシア語・日本語・英語・ドイツ語が分かるのです。すごいです。
 そんなVちゃんの日本語ですが、時々、私には通じるのに他の人には伝わらない時があります。多少おかしい日本語でも、少し考えたら理解できるのに、伝わらないなんて不思議だと思いました。
 日本では日本語で話すのが当たり前で、他の国の言葉に接する機会があまりありません。言葉が簡単に通じてしまうから、相手の心を想像しなくても会話が成立してしまいます。だから、言葉だけを頼って相手の事を理解しようとしなかったから、Vちゃんの会話が通じない人が居たのかもしれません。
 この体験を通じて、会話と言うのは言葉の表面だけをなぞるのではなく、言葉に含まれている、その人の気持を汲み取ることが重要なのだと気付かされました。相手の言っている事を言葉ではなく、気持ちで理解するという事です。大切なのは、自分と相手は違うという前提を忘れずに、更に相手の立場を想像して向き合っていくことだと思います。