のぞみ寮通信

光風館

2009/10/05

光風館通信 第236号(10月4日)

< イボころリン奮闘記 >
 あれは先週のことでした。Kくん(3年生)が私のところへやって来て、「寅さん、病院へ連れて行ってもらえますか?」と聞いてきました。

「どこが悪いの?」と聞き返すと、彼は、左目まぶたの上にある小さな物体をつまみながら、これを取りたいんです」と言いました。見てみればなるほど、そこには奇妙な形をしたイボが鎮座していました(本当のところ、僕は少し前から気付いていたんだけどね)。

 
 進路選択で「就職」を希望していた彼は、就職試験に臨むにあたって、その異物を取ってしまいたいと考えたようです。ただ、彼が通院したい旨を申し出てきたのは、あのシルバーウィーク中でした。「病院に連れて行くのはいいけどさ、連休中はどこの病院も休みだよ」と私が言うと、Kくんは「えっ~!?」と驚きの声を上げて慌てだしました(病院っていうところは、カレンダーで赤字の日はお休みなの!!そんなことも知らなかったの~?!まったく…)。就職試験まであまり日がありませんでしたが、どうしようもありません。私たちは連休明けに病院へ行くことにしました。

 
 ところが、なのです。シルバーウィークの連休最終日に私は気付いてしまったのです。「明日は木曜日だ~…」ということに。木曜日は、個人医院の多くがお休みする曜日です。調べてみると、案の定、どこの皮膚科もお休みでした。唯一、木曜日の午前中だけ診察をしているところを見つけ、翌朝、Kくんを連れてその皮膚科へ向かいました。しかし不運は続きました。シルバーウィークを一日余計に楽しもうとの魂胆なのか、病院の入口には「臨時休業」の張り紙がされてあったのです…。

 
 そんなこんなで、結局彼は、イボを取るチャンスを失ったまま、全国大会への出場がかかった関東合唱コンクールへ出発する前日を迎えてしまいました(彼は、このコンクールが終わった後、現地から就職試験の会場に直接向かうことになっていたんだ)。その日の夜、Kくんと同室であるSくん、Hくん、それに私を加えた3人は、ある決意をしました。それは、「僕たちで、Kくんのイボを取っちゃおう!!」というものでした。

 
 Kくんもその場にいましたが、彼は私たちの決意を冗談半分に受け取っていたようです。でも、私たち3人の真剣な様子を見て、彼は悟ったようです。「これはマジだ…」と。彼が就職試験を受けるのは湯沢にある老舗ホテルです(この記事を書いている時点ですでに就職試験は終わっているんだけどね)。ホテルですから、もちろん接客業です。あの奇妙な形をしたイボは、就職試験におけるKくんの第一印象を、悪くすることはあっても、よくすることはない、というのが、私たち3人の結論でした。

 
 かくして、「イボを取っちゃおう!!」大作戦が始まりました。皮膚科でイボを取るときも局部を凍らせ、神経を麻痺させた上で切り取るそうなのですが、私たちも同じ方法を採ることにしました。パソコン機器についた埃を取る「ダストブロワー」をもってきて、それを噴射して局部を凍らせることにしました。イボを切り取る道具は、「毛抜き」にするか「爪切り」にするかで悩みましたが、結局スパっと綺麗に切り取るには「爪切り」の方がよかろうということで、それに決めました。

 
 「爪切り」とはいえ、さすがに人様の顔に刃物を当てることに躊躇があった私たちは、Kくん本人に爪切りをもたせました。「ダストブロワー」による局部麻酔は私が担当しました。大事な目は紙で覆い、局部だけを露出させてから、「ダストブロワー」を噴霧させました。イボが白く凍ったところで、Kくんは「爪切り」に力を入れました(本当のところは、「痛みがあるんじゃないだろうか…」と怖がって何度も「爪切り」を当て直していたんだけどね)。Kくんはギャーと悲鳴をあげた…、というのは嘘で、そのイボは、痛みを伴うこともなく(本人曰く、全然痛くなかったんだって)、彼のまぶたの上からプチッと切り取られたのです。

 
 もちろん、出血はしました。でも、ティッシュを数分あてていると、それは自然と止まりました。Kくんの左目まぶたはすっかりきれいになり、手術(?)は成功しました。出血が止まったあと、Kくんは、切り取られたイボを、愛おしそうにコロコロと転がして遊んでいました。(・・・。自分の体の一部だったんだものね、仕方ないか…)。Kくんの人生を大きく左右する就職試験だから…、そんな思いで行った作戦でした。でも、素人の私たちがやるには危険すぎました。「結果オーライ」だったからよかったものの、もしものことがあったら大変でした。私自身も大いに反省です(もっとも、彼がもっと早くに病院へ行って皮膚科の先生にイボを取ってもらっていればこんなことをしないでも済んだんだけどね…)。

 
 術後(?)の経過は、翌朝に若干の痛みが出たようですが、その後は順調に回復しているようです。就職試験も無事受けることができ、ホテルの支配人の方との面接では、会話も弾んで好印象をもってもらえたようです。あとは結果を待つばかりです(この通信を発行する日には結果が明らかになっているはずだよ)。寮生活・敬和生活に真面目に、そして意欲的に取り組んできたKくんですから(イボもなくなって顔はキレイになったしさ)、きっと採用内定通知が届くことでしょう。光風館の8室で起きたこの大騒動、彼らが「敬和」を卒業して何年か後に再会した時、これが楽しい思い出話のネタになることは間違いなさそうですね。

(岩原)

 

 

【追記】
 Kくん、見事、湯沢の老舗ホテルから採用内定通知をもらいました(光風館の
3年生、進路決定第1号だね)!!今年度の高校新卒者の求人倍率が0.71倍(昨年度は1.31倍だったから半減したことになるんだよ)であることを考えると、本当に快挙です。就職試験の面接で、支配人の方は、Kくんにこう言ったそうです。「君は、他の高校生とは全然違うね。やっぱり、寮生活をしてきたせいなのかな」と。う~ん、嬉しくなる言葉ですね。光風館の皆もKくんを見習って、しっかり寮生活に取り組んでいきましょう!!

 

 

 
< 礼拝のお話し >

M.K.(1年)
 皆さん、こんばんは。9室のMです。今日は、人間関係についてお話します。僕は中学校の頃、ひっこみじあんで、人と話すこともほとんど無く、友達もあまりいませんでした。でも、敬和では、積極的に話すことができるようになってきました。話すことができるようになると、友達も自然とできるようになりました。そのお陰で、今はとても楽しい学校生活を送れています。寮でも、毎日が楽しく過ぎています。この夏休みには、初めて友達の家に泊まりに行きました。その友達の両親や兄弟に温かく迎えられるという経験をして、よい友達を見つけた、と思いました。このことを僕の両親に話したら、とても喜んでいました。そして、そんな両親の様子を見て、僕は後期も頑張ろうと思いました。後期になって、最初の行事は修養会です。僕は修養会実行委員になりました。こういうことをするのははじめてですが、同じく実行委員になった人たちと協力をしながら、修養会を成功させたいと思います。

(9月7日)

 

 

H.M.(1年)
 みなさん、こんばんは。10室のHです。今日は、僕が今頑張っていることについて話します。僕は、最近、部活動に力を入れています。なぜなら、ついこの間あった大会で、目標はベスト16でしたが、そのベスト16には入れず、ベスト32で終わってしまったからです。この大会が終わってから、テニスの練習により一層熱が入るようになりました。そういった意味で、この大会はとても意味あるものだったように思います。もう一つ、僕には頑張っていることがあります。それは勉強です。中学時代の僕は、授業中はほとんど寝ていて、昼休みは友達と話し、放課後は部活をするという、そんな毎日を送っていました。敬和では、部活だけでなく勉強にも力を入れたいと思います。中学時代と同じにならないように、授業中は寝ないで、集中して聞きたいと思います。そして、部活と勉強のメリハリをつけることを目標にしたいと思います。

(9月8日)

 

 

I.H.(1年)
 みなさん、こんばんは。10室のIです。今日は、僕が今頑張っていることについて二つ話したいと思います。一つは、サボらずに学校へ行く、ということです。僕は、これまでの学校生活で、幼稚園でも小学校でも中学校でも、毎月10日以上は学校をサボってしまっていました。中学生の頃は、学校をサボるというのが当たり前のようになっていました。僕は勉強ができないので、高校受験の際にはとても苦労しました。だから、大学受験の時は、苦労する事のないよう、サボらずに毎日ちゃんと学校に行こうと頑張っています。二つ目は、学習と部活の両立についてです。中学生の頃は、部活ばかりで勉強ができなかったり、テスト前には一夜漬けで勉強しなければならず、逆に部活に出られなかったりということが多くありました。敬和に入学し、前期は学習と部活を両立させようと頑張ってきたので、中学の時よりも僅かではありますが、成績が上がりました。これからも学校をサボらないように毎日学校へ行き、そして部活の練習と学習を両立させていこうと思います。僕はまだ一日も学校を休んでいません。一年間、学校を休まないようして皆勤賞をとり、部活と学習を両立させることを目標にして、また頑張りたいと思います。

(9月9日)