のぞみ寮通信

大望館

2009/10/05

大望館通信 第145号(9月27日)

<全体礼拝の話>
突然んですけれど、私はいつもこんな風に物事を考えるようにしようということがあります。それは、「この世の出来事に意味のないものはない。」という考え方です。

言い方を変えるならば、「すべての事柄に意味がある。」ということになります。

 
 みんなも知っていると思いますが、私の趣味は体を鍛えることです。自分でも考えれば考えるほどよくわからなくなるんですが、とにかくシャフトといわれる鉄の棒に、プレートという重りをつけて持ち上げたり、体に重りをつけて懸垂したりします。週に5日。一週間で全身を鍛えることができるように、今日は足、今日は胸、背中、腕、腰、それをローテーションしながら、最低で1時間、長いときは3時間。隙あらば、ジムに通って鍛えています。

 
 大望館2年生の山形県米沢市から来た男に言われました。「そんなことしてどうするん?」どうするんでしょうね。確かに、自らヘロヘロになって疲れるだけ。現役の選手ならともかく、今の私には全くと言っていいほど必要の無い行動です。意味なき行動。そう捕らえる人もいるでしょうが、しかし私にとってはとても意味のある行動なんです。

 
 「ストレス発散」これに尽きます。日頃たまるストレスを体を動かす事により発散させているんです。もし、私が鍛えるという意味のない行動をやめたならば、私のストレス発散の対象はいろんな場面で君達に降りかかるかもしれません。他人からは意味のないことでも、私のライフスタイルの中で欠かせない行動になっています。

 
 こんな事がありました。ベンチプレスをしている時です。いきなり重いものを持ち上げると怪我をしてしまうので、軽い重さから徐々に上げていくんですが、MAXの60%、70%、80%、90%そして時々最高重量にトライする。そんなメニューを組んでいるんですが、一番力を必要とする時それは、シャフトが胸につきそうになるとき、その一瞬に自分のもっている力を全てぶつけるんですが、まさにその時、さあ今が一番の力の入れ時って時に、私の頭上少し離れたところで、ダンベル持ってトレーニングをしているおばさんが、「ブー!!」力を入れたときに腹筋にも力が入り思わずガスを出してしまったんでしょう。しかし、まともにその音を聞いてしまった私は、一番力を入れなくてはいけない一瞬に力が入らなくなり、“ペひゃ”という訳わからない声と共につぶれてしまいました。一度つぶれてしまうと、たとえアップとはいえ私の場合100キロからスタートしますので、なかなか挙がりません。しかも、笑いがこみ上げてきてどうにもならない。笑いたいけど、胸が苦しくて笑えない。力も入らない。声すら出す事が出来ない。地獄の苦しみです。しかしながら何とかもがき、もぞもぞ動いて体を傾け片方のプレートを少しずつ落として、何とか脱出。

 
 起きてこの悲劇の原因であるおばさんを見てみると、顔を真っ赤にして、私に頭を下げました。しかし、この出来事にも大きな意味があったんです。ある道の駅で野菜を売っていて、焼き芋も置いてあるんです。その道の駅にたまたま寄って、焼き芋を買おうとしたとき、なんとそのおばちゃんじゃないですか。当然、タダで焼き芋家族分もらいました。その道の駅に行くと、いつも声をかけてくれ、焼き芋をくれます。ジムで何度か会って話をしていると、高校2年生の娘がいて、柔道をやっているということも知りました。そこそこ強くて、北信越大会にも出ているそうです。「今度是非教えてやってください。」なんてことにもなりました。そして何より、そのおばちゃんと私、ジムのペア会員にもなりました。ペア会員になると月々の使用料が安くなるんですが、片方が辞める時二人揃って受付にいかなければならないんです。大げさかもしれませんが、私のライフスタイルにとって欠かせない行動に大きく関わることなんで、運命共同体みたいなもんです。
 不思議なもので、ガス一発で地獄の苦しみを味わされたおばちゃんと、意味ある大きな出会いとなることが出来たんです。

 
 さて、寮生活をしている君達。生活を共に過ごしていると、本当にいろんなことがあります。楽しい事もあるでしょうが、つらい事も当然あります。特に後輩達は大変なんじゃないかと思います。しかし、その大変さ辛さそれが大切なんです。その思いをしっかり味わう為に、わざわざ親元を離れてここにきているんです。その思いをするからこそ逆に楽しいと思えることもあるんです。
この世に意味のない出来事はないんです。敬和にいるとそれを感じる事が何度かあるはずです。どういうことか考えてみると「見えない力が働いた。」そう捉えることも出来るはずです。そう見えない力が働くんです。全ての事を神様が導いてくださる。つらい事も、しんどい事もそれも意味ある導き。そう信じてここでの3年間を全うしてください。

 

 

 

<世代交代>
 寮では大きな動きが年に2度あります。一番はなんと言っても新入生を迎える4月。次に大きいのは、ちょうど今、世代交代の時期ではないでしょうか?大望も前運営委員はそろそろ引退モードに入ろうとしています。こうなると少しずつ寂しさも増してきます。もうあと寮生活残すところ4ヶ月。今はそんな思いに耽っている暇はありませんが、進路が決まった者から寂しさがこみ上げてくるでしょう。
 そして逆に元気になるのは2年生。いよいよ今まで経験してきた事を発揮するときです。自分たちがこの館を担っていくんだ。そんな思いがビシビシ伝わります。この2年生と3年生の対象的な動き、毎年のことながら面白いです。
 しかし、少しエネルギーを2年生に吸い取られた3年生。これから過ごす時間が生涯思い出として残る時間です。出て行った卒業生はみんな言います。巣立つ前の数ヶ月間の生活のことをよく語ります。それだけ大事な期間なんです。なんだかションボリしてないで、悔いの残らぬよう思いっきりエンジョイしなさい。

 

 

 

<第1号>
 彼が第1号となるなんて、誰が想像できたでしょうか?彼女と別れて、絶望の淵に立たされていた、彼が第1号になるなんて。彼の通知が届いた時、その封筒には赤文字で「合格通知在中」と書いてあるではないか。開けなくともわかる封筒の中身の結果。しかし、ホッとしたのはその通知が届いた時より、受験票が無事に届いた時のほうが大きかったのは何故だろう?