のぞみ寮通信

めぐみ館

2011/11/02

めぐみ通信 (2011年10月25日)

<運動不足解消>
 

 3年生のI.S.さんが週末に体育館を使用したいと言う事で、目的には、「めぐみ館生の運動不足解消。」
それはそうと、今週は月曜からラウンジ使用禁止ですし、丁度良い提案になりました。
加えて、9月に入ってからの週末はと言うと、クレープ、たこ焼き、ホットケーキ、アイスクリーム、カステラボール作りと、「食欲の秋」まっしぐらでしたので、まさに運動不足解消ができる週末になるという訳です。こうして、バスケット、バレーボール大会が行われました。


 
 
 
 
 


 
 
 
 
 


 
 
 
 
 
 

 
 
 
 

 

 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 

38回生のMさんが、礼拝でお話くださいました。次の号とに分けて載せさせていただきます。
 

<礼拝の話>                 
 

38回生 M.K.さん

皆さんこんばんは。16日からここめぐみ館で取材をさせて頂いております、敬和学園38回生M.K.です。今日この場でお話させて頂けることに感謝いたします。今日は、私がめぐみ館の寮生だった時代のお話、そして今回卒業生として取材をさせて頂いて、私が客観的に感じたことについてお話いたします。少々長くなりますので、皆さんどうぞ姿勢を楽にして聞いて下さい。
 

 突然ですが、皆さんはめぐみ館が好きですか。好きな人もいるでしょう。嫌いな人だって、もちろんいるでしょう。私は自分が寮生だった時代、めぐみ館の事が大嫌いでした。その理由を説明する前に、私がめぐみ館に入寮した経緯から先にお話いたします。私は中学3年生の時、いわゆる不登校になりました。その期間は1年間にのぼります。その期間で、今まで正確に刻んでいたはずの私の時計は完全に狂いを見せました。その狂った時計の針を再び正確な位置へと戻すべく、私は敬和へ、そしてめぐみ館へと入寮したのです。
 

 入寮当初の私は今より更に人見知りで、泣き虫で、自分の殻の中に閉じこもっている、そんな子どもでした。そんな私にとって、24時間他人と共に過ごし、同じ釜の飯を食べ、否が応でも他人とコミュニケーションを取っていかなくてはならないこのめぐみ館は、まさに地獄の館でした。「もうこんな所に居たくない。」「実家に帰りたい。」私は寮を逃げ出したい一心で、あらゆる事をしでかしました。両親との直接対決はもちろんのこと、学校を抜け出して無断で実家へと帰ったり、休日明けに実家から寮へと送ってくれた親の車から降りることを拒んだり、その車から走って逃げて捕まったり、当時ここの寮務教師だった先生を捕まえて夜を通して泣きじゃくったり・・・と、本当に寮の先生方、両親、同じ寮生の仲間に迷惑ばかりをかけていました。これは全て1年生の時のお話で、2年生になってからは私も少し落ち着いたのですが、やはり寮が嫌いである事に変わりはなく、毎週末のように寮と家を往復する日々を過ごしていました。寮に居ることが、とにかく苦痛で仕方が無かったのですね。本当の意味で落ち着いたのは、3年生になり、3年生部屋へ部屋替えをしてからだったと思います。そして卒業の日を迎え、寮の仲間や周りの友だちが「卒業したくない」「みんなと離れるのが嫌だ」と口々に別れを惜しむ中、私は1人「やっと卒業できる!」と心の中でガッツポーズをしたものでした。
 

 あれから4年の月日が経ちました。めぐみ館が大嫌いで、問題児として皆さんに迷惑ばかりをかけていた私は、今、その大嫌いだった場所で、カメラを回し、皆さんの前でお話をしています。さて、ここで問題です。そんな過去を持つ私が、何故わざわざ大嫌いだったこのめぐみ館へと再び戻ってきたと思いますか?それは、今現在の私があの辛かっためぐみ館での日々にとても感謝をしているからなのです。私は今、大学でとても充実した日々を過ごしています。大好きな事を見つけました。尊敬をする人たちにも出会えました。そんな日々を送る中、ふと私はこんな事を思ったのです。「中学の時不登校にならなかったら、高校の時このめぐみ館に入らなかったら、今の私は居ないのだ」、と。私はその事に気付くまで、たびたび後悔をしていました。中学の時にちゃんと学校へ行っていれば、家の近くの高校に通えたのに。めぐみ館のみんなと早くに打ち解けていたら、もっと充実した高校生活を送れたのに。でも、当時の私にはそれが出来なかったのですね。そしてその出来なかった自分が居たから、現在の自分が居るのですよね。人間の人生には、いくつもの壁が存在しています。その壁の高さは人によって様々で、簡単に越えられる人もいれば、息も絶え絶えにしながら必死でよじ登る人もいます。周りは簡単に壁を越えているのに、どうして私は越えられないのか。そう悲観する人もいるかもしれません。でも、比べる必要なんてないのです。人には人のペースがあり、自分には自分のペースがあります。「私の寮生活は、あれで良かったのだ。」めぐみ館での厳しさが、私を変えてくれました。