お知らせ

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2024/04/08

今週の校長の話(2024.4.8) 「2024始業礼拝」

【聖書:マタイによる福音書7章24節】

「そこで、わたしのこれらの言葉を聞いて行う者は皆、岩の上に自分の家を建てた賢い人に似ている。」

 

 

新年度が始まりました。

春休みは家族や友達とゆっくりとした時間を過ごせたでしょうか。

普段、会えない人と会うことができたでしょうか。

 

3年生は、去年の秋頃からめざましい成長を見せてくれました。

勉強にも、それ以前に比べてしっかり取り組むことができるようになりました。

讃美歌発表会、卒業生を送る会などの行事も見事にやり遂げました。

自信をもって3年生になるための準備ができたように思えます。

今日から、いよいよ3年生です。

フェスティバルという大きな学校行事も待っています。

そして、卒業後の進路を決定しなければなりません。

ぜひ、一人ひとり、これらの課題にしっかり取り組んでやり遂げてください。

 

2年生は才能、豊かな学年です。

先月の3年生を送る会では、クオリティーの高い出し物を披露し、その力を遺憾なく発揮してくれました。

2学年は目的を定めにくい学年ですが、2学年をどのように過ごすかでその後の学校生活が決まる大事な学年です。

また、2年生はこれからクラス替えの発表があります。

不安な人もいるかもしれません。

1年の時の友達と別々のクラスになることは、苦しいことかもしれません。

しかし、新しい友達を作るチャンスと考えて前向きに考えて欲しいと思います。

クラス替えは、それまでの自分を変えるチャンスとも言えます。

ぜひ、1年生の時にできなかったことに挑戦してみてください。

遅すぎるということは決してありません。

敬和で過ごす残りの2年間を悔いのない、充実したものとしてください。

 

さて、長かったコロナとの闘いも、収束の時を迎え、私たちはアフターコロナ(after  corona)、2年目を迎えます。

アフターコロナとは、単にコロナ前に戻すということではありません。

コロナで経験したことを活かして新しい時代を拓いて行くことです。

 

4年前の今頃を思い出してみてください。

皆さんは中学生でした。この後、2か月間、休校となりました。

家にいることが求められ、町からは人が消え、飲食店に客はほとんどいませんでした。

今、思うと遠い国の、遠い昔の出来事のように思えてしまいます。

皆さんは、100年に一度と言われる、この特別な経験をしてきたのです。

この経験から、何か大切なものを学んでいるはずです。

 

例えば、私たちはこの3年間において、日常の大切さを教えられました。

日常とは、私たちが当たり前に思っている生活のことです。

それが失われてみて、初めてその大切さに気づかされました。

友だちと楽しく、おしゃべりして笑い合うことが、どんなにありがたいことかを知りました。

そして、日常とは、自分ひとりの力で作り出されるものではないことも教えられました。

それは、人が互いに支え合い、それぞれが相手を気遣い、思いやって、初めて生み出されるものです。

社会には、人々の日常を支えてくれる、エッセンシャルワーカーと呼ばれる方々がいることにも気づかされました。

普段は目立たない多くの人たちが、私たちの日常を支えるために大切なお仕事をされているのです。

また、日頃、私たちが最優先に考えてしまう経済活動も私たちの日常生活を支えるためにあるのであり、その逆ではない、ということも教えられました。

生活とは「生命活動」のことですが、経済や社会や国家はそれを支え、守るためにあるのです。

コロナによって与えられたこれらの「気づき」を、私たちは忘れてはいけないと思います。

むしろは、アフターコロナという新しい社会を作って行くための、導きの「光」としなければなりません。

 

さて、明後日から、後ろの席には新入生が座ります。

皆さんは、このチャペルで1年生に自分の背中を見せることになります。

ぜひ、背筋をしっかり伸ばし、賛美歌を大きな声で歌う姿を見せてください。

先輩として、目標をもって、一生懸命に生きる姿を1年生に見せてください。

1年生が、あこがれ、尊敬できる先輩になって欲しいと思います。

 

新年度が始まりました。

今、どんなに日本が平和に思えても、今年も何か予想もつかないことが起きるかもしれません。

しかし、希望を持ち続ける限り、私たちはどのような困難をも乗り越えることができるはずです。

今日の聖書には、そのための大切なメッセージが込められています。

 

家を建てる上で大事なのは土台だ、と言います。

砂の上に建てられた家は、雨が降ると流されてしまった。

しかし、岩の上に建てられた家は、雨が降り、川があふれ、風が吹いてその家を襲っても倒れなかった、といいます。

 

人間にも同じことが言えます。

土台がしっかりしていれば、辛いことがあってもそれに持ちこたえることができます。

 

ところで、土台とは、外から見ても分からないものです。

今年の元旦に能登半島で大きな地震がありました。

建物の耐震構造がしっかりしていれば、倒れなかった家もあったかもしれません。

耐震構造は外から見るだけではわかりません。

どんなに快適で、外観の美しい家も、しっかりした工事がされていなければ倒壊してしまいます。

 

人間も同じです。普段は分からなくても、何か苦しい出来事に見舞われたとき、土台がしっかりしている人は、それに持ちこたえることができます。

敬和学園は、そういう外から見ただけでは分からない、人間としての土台を築くことを教育の目的とします。

では、そのために私たちは何をしたら良いのでしょうか。

今日の聖書は、そのために必要なことを教えてくれます。

 

「わたしのこれらの言葉を聞いて行う者は皆、岩の上に自分の家を建てた賢い人に似ている。」

 

まず大事なことは聞くことです。

敬和では毎朝の礼拝や授業で、たくさんの先生のお話しを聞きます。

よく聞いてください。

そのなかに、心に残る言葉がきっとあると思います。

しかし、それらの言葉を聞くだけにしてはいけない、

実際にそれを行うことが大切だ、と聖書は教えます。

 

敬和では、「まずやってみようよ、」と、よく言います。

よく聞くこと、そして失敗してもよいから、実際にやってみること、その経験を積むことによって、人間としての土台が築かれるのです。

ですから、何もしないで見ているよりも、少しずつでも行動してみてください。

 

敬和学園は失敗が許される学校です。

最初から上手くできる人なんていません。

新年度、ぜひ、新しいことに挑戦してみてください。

それぞれにとって有意義な一年となることを心より願います。

 

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