毎日の礼拝

毎日のお話

2024/03/12

井上 哲郎(スクールカウンセラー)

【聖書:ペトロの手紙1 2章 16節】

 

 10年ほど前から、この世にある美しい物をできるだけたくさん見ておきたいと、強く願うようになりました。何よりも心が癒されるのは、春、森や林で、木々や草花が芽吹き、それまでの冬枯れのモノトーンの景色が緑色につつまれていく様子でした。美しいものは自然界だけではありません。早春の森の緑の景色と同じくらいに心が癒される美しいもの、それは、人の心の美しさです。私たちが生きている今の世界・社会は、争いや詐欺などの残念なことがたくさんあります。一方で、善意の寄付が贈られて、幼いかけがえのない命が救われるような美しい心もまた与えられているわけです。この学園で毎年おこなわれているさまざまな行事や活動は、そうした温かくて優しい気持ち、親切な気持ちがあってこそだと感じてきました。お互いが自由に意見を言い合える、助けたり助けられたりできる、安心して文句も言い合える。そういう姿こそが、人間らしくて美しいものなのだと私は思っています。敬和学園がこれからも温かくて優しい心が充満していて、もし冷たい心に襲われたとしても、また誰かの心によって暖められるような、そんな場所であり続けて欲しいと願っています。