お知らせ

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2024/02/05

今週の校長の話(2024.2.5) 「進路デイズ」

【聖書:コリントの信徒への手紙二 3章 2~3節】

「わたしたちの推薦状は、あなたがた自身です。それは、わたしたちの心に書かれており、すべて人から知られ、読まれています。あなたがたは、キリストがわたしたちを用いてお書きになった手紙として公にされています。墨ではなく生ける神の霊によって、石の板ではなく人の心の板に、書きつけられた手紙です。」

 

3年生が自宅学習期間に入り、今日から皆さんの礼拝の座席が変わりました。

いよいよ1,2年生が学校の中心となります。

1年生は、先週水曜日から蔵王でスキー教室でした。

楽しい思い出ができたでしょうか。

2年生は進路デイズがありました。

卒業後の進路について本気で考えなければならない時期となりました。

 

敬和の卒業生から次のような話しをよく聞きます。

「敬和を卒業して離れてみると、敬和の中では当たり前に思っていたことが、当たり前ではないことに気づかされる。そういうことがたくさんあった。」

私は、その一つに敬和の学習があると思います。

 

ある東京の大学に通っている卒業生から去年聞いたことです。

敬和では、人権や差別の問題、多様性、戦争や平和の問題などについて、たくさん学習してきたが、外に出てみると周りの人があまりそれらの問題を考えていないことに驚かされた。

学校でも、ほとんど学んで来ていないように思う。

 

たしかに、敬和には、他の高校では学ぶことができない特色ある授業がたくさんあります。

2,3年生になると個人選択制カリキュラムになるのもそのためです。

強制されてではなく、主体的に学んで欲しいと願うからです。

 

敬和生の進路にもその特徴がよく表れます。

 

私は中学生対象の学校説明会で、敬和の進路について次のように説明しています。

敬和は例年、卒業生の約50パーセントが4年制大学に進学し、35~40パーセントが専門学校、10~15%が就職します。

4年制大学の場合、ほとんどの生徒が推薦で進学します。

全国のキリスト教大学を中心に指定校推薦の枠がたくさんあるからです。

指定校のなかにはびっくりするような難関大学も含まれています。

専門学校に進学する人や就職する人は、自分のやりたいことが決まっている人たちです。

調理師や美容師になりたい、福祉や医療系の仕事につきたい、イラストレーターやゲームクリエーターなど目指す職業は様々です。

 

まだ、やりたいことがはっきり決まっていない人には、大学に行って、自分がやりたいことを探してみようと勧めます。

その意味で敬和学園大学はもっとも信頼できる進学先です。

先輩が大勢進学していて、高校とも同じような雰囲気なので、安心して通えます。

地元企業への就職に向けて面倒見が良いのも強みです。

 

敬和は、学校の授業で受験勉強はしませんが、様々な進路が備えられています。

みんな無理することなく、自分に合った進路を探して卒業します。

ですから安心して敬和にきてください。

中学生やその保護者の方に、いつもこのように説明しています。

 

よく敬和生は、推薦入試に強いと言われます。

理由は、敬和の教育のなかには、小論文を書くための学習や経験が豊富だからです。

他校の生徒に比べて、書くためのネタがたくさんあります。

毎朝の礼拝や聖書の授業、修養会での経験、様々な特色ある選択科目、フェスティバルなどの学校行事。

他の高校生に比べて話題が豊富にあります。

また、自分が希望する先生に小論文の個人指導をしてもらえます。

授業も、点数を上げるだけの学習ではなく、表現力、文章力、自分の考えを発表する力を養うことを目標にしています。

それによって、推薦入試で求められる小論文を書く力、面接で自分の考えを表現する力が、知らず知らずのうちに身につくのです。

 

以前、キリスト教の大学の先生と研修会でご一緒したとき、敬和の卒業生の様子を、聞いて歩いたことがあります。

他の高校とちがって厳しい受験勉強を経験しないで、推薦で入学した敬和の生徒のことが心配だったからです。

ちゃんと大学の勉強について行けているのか、気になったからです。

 

ところが、多くの先生は、「敬和の卒業生はよく勉強していますよ。」と言ってくださいました。

少しほっとしました。

「大学に行くために、高校でやっておいた方がよいことがあったら教えてください。」と私が聞くと、ある先生が「英語はしっかりやって来た方がいいですよ。」と教えてくれました。

 

多くの敬和生は、自分が受験勉強をしてこなかった不安から、入学後、大学の勉強について行くために必死で勉強します。

他校の生徒は、大学に入ると受験勉強から解放されて遊んでしまう人も多いと聞きます。

敬和生は逆に、高校の頃より勉強します。

敬和で蒔かれた種が芽を出し、大きく育って行くのです。

だから、大学3年生くらいになると、成績が上位になっている人が多いのです。

 

しかし、その先生は「英語だけはやっておいた方がいいですよ、」と教えてくれました。

それは、英語は今までの積み上げがものを言う、受験勉強で鍛えられてきた学生に、英単語など知識量ではかなわない。

だから、高校時代に英語だけは他の受験校の生徒並みに勉強をしてきて欲しい、そのようにこの先生は言われたのだと思いました。

貴重なアドバイスです。

その意味でも、「英検」の学習は、敬和生の弱点を補うために重要だと思います。

しかし、英語だけではありません。敬和生に足りないのは知識量です。

特に難関大学を目指している人は、そのことを意識して日頃の学習に励んでください。

さて、今日の聖書はパウロがコリントの信徒に書いた手紙の一節です。

ここでパウロは、コリントの信徒一人ひとりが私たちの「推薦状」であると言います。

「それは、わたしたちの心に書かれており、すべて人から知られ、読まれています。」

「墨ではなく生ける神の霊によって、石の板ではなく人の心の板に、書きつけられた手紙です。」

あなた方の心の板には、神様からの推薦の言葉が記されている、というのです。

これはどういう意味でしょうか。

 

マタイによる福音書に次のような言葉があります。

「あなたがたは世の光である。あなたがたの光を人々の前で輝かしなさい。人々があなたがたの立派な行いを見て、あなたがたの天の父をあがめるようになるためである。」

皆さん一人ひとりは、私たち敬和学園が、世に送りだす推薦状です。

その心には、神様による推薦の言葉が刻まれています。

それはその人が、勉強ができるとか、できないとか、性格が良いとか悪いとかに関係ありません。

敬和生一人ひとりの心には、神様から推薦の言葉が刻まれています。

どうか、その御言葉を人々の前で輝かす人になってください。

そして、そのために必要な学びをこの敬和学園で真剣におこなってください。

それこそが進路を実現するために、もっとも大切なことだからです。

 

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今朝の敬和