毎日の礼拝

毎日のお話

2023/11/24

冨井 愛(芸術科)

【聖書:コリントの信徒への手紙1 13章 13節】

 

 10年ほど前のクリスマスの時期にポーランドにあるアウシュヴィッツ博物館を訪れた。凍てつく寒さの中、当時の建物やガス室、収容時に没収された所持品や刈り取られた髪の毛などを目にした。アウシュヴィッツの生還者で精神科医のフランクルは、著書『夜と霧』に、生き延びたのは富や名声、力があった人ではなく、むしろ繊細な性質の持ち主、それは宗教的なバックグラウンドを持つ人、遠くの未来に希望を持てた人、愛し愛される体験を持つ人だったとある。

 私たちは、紛争や災害などで何もかも失う恐れのある時を生きている。すべてを奪われても自分の中に残り、生かすものは信仰・希望・愛だ。神はその独り子をお与えになったほどに世を愛された。そのことを心に止めて過ごしたい。