毎日の礼拝

毎日のお話

2023/09/15

森山 陽太(スクールカウンセラー)

【聖書:ローマの信徒への手紙 1章 28節】

 

 「自分はつまらない人間で、みんなに馬鹿にされる。みんなに認められるにはどうしたらいいか」と自信をなくした若者が偉い人に頼まれて指輪を売りに行くお話。市場で声をかける人はその指輪を金貨一枚では買えないと断られ続ける。偉い人のもとに戻った若者は、「銅貨でなら売れるかもしれないが、私はこの指輪の価値はわからない」と偉い人に伝える。偉い人は「良いことに気づいた。では宝石商に見せなさい。売ってはいけないよ」と伝え、若者を促す。宝石商に指輪を見せたところ、宝石商は指輪を細かく調べ「金貨57枚ならいますぐ売ることができる」と言われた。戻った若者に偉い人は「指輪とお前は似ていないか。どうして本当の価値を誰もが見抜けると思いたがるんだ」と諭す。

 高校生というのは自分の価値や、自分にとっての価値観について考えあぐねる時期である。自分の価値を見つけるのは友達でもいいし、先生でもいいし、親でもいい。でもその価値に気づいて、認めて、どう味わうかは皆さんが選べる。そのあたりをきっと神様も見守っていて下さるだろう。

 人は「みんなに嫌われたくない、みんなに認められたい」と悩います。誰か一人だけでもいいから、自分の価値をわかってくれる人に出会えたら、そういう人に出会いたい、これは結構人間の根本に近いもののように思える。

 自分の価値にも、他人の価値にも気づける人になりたいものだ。