労作日記

労作日記

2021/11/29

労作日記(2021.11.26) 【2年月山クラス】

 11月26日(金)2限、2年生月山クラスの労作です。

 この世界のすべての人々は2種類に分けられる。それは、外労作が好きか、発送労作が好きかである。

 「今日は発送をやるよ」と言うと反応は2種類。「やった!」と狂喜する人たちと、「雨でも外がいいです」と不満げな人たち。それは単純作業に没頭することに楽しみを見出せるのか、とにかく体を動かして充実した疲労感を欲するかの違いでもある。

 後者は敬和で訓練され、畑に目覚めた精鋭たちである。体を動かすことを無情の喜びとし、一度野に放たれれば初めて草原に来た都会の犬のようにはしゃいで一心不乱に雑草を抜きまくり、肥料を畑にまきまくる。過酷な環境であるほど燃え、雨が降ると楽しそうで服が汚れることを厭わない。他の生徒は彼らに畏怖のまなざしを向け、勢いに圧倒されつつ草を抜き始める。そう、彼らには牽引する力がある。

 

 前者の発送労作を愛する者たちは更に派閥で分けることが出来る。単純作業没入派、効率至上主義派、エンジョイ派の3派であり、勢力図はクラスにより異なる。単純作業没入派は外界を遮断し目の前の作業にひたすら没頭していくストイックな職人たちである。効率よりも目の前の己の仕事に打ち込む人々で、仕上がりへのこだわりは強く、古き良き手工業の意思を受け継ぐ。一方効率至上主義派は最も効率よく時間内に仕事をこなすことに生きがいを覚える人たちだ。封入、確認、糊付け、回収。あらゆる場面で効率化を図り、指揮能力が高い者は単純作業没入派を上手く巻き込み、指示を出して更なる効率化を目指す。その光景はまさに産業革命期の工場を見るかの如くである。最後のエンジョイ派はどの時代にもいる、作業をしつつ仲間内との会話を楽しむ人たち。作業はそこそこ早く、しかしどんな時も人生の楽しみ方を心得た人々である。時々没入派にも声をかけてコミュニケーションを行う。手元がおろそかになると効率派から指示が飛ぶ。

 

 さて月山の発送労作は没入派3割、効率派2割、エンジョイ派5割であった。割合の黄金比率は目下研究中である。

 

 世界中の人々は2種類に分けられる。あなたは外労作派?発送労作派?

 

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