自分探しの敬和学園で 人を、自分を、好きになる。
2021/10/08
■テーマ: 愛をもって~扉をあける~
■実行委員テーマ:
expand the circle~自覚とメリハリをもって~
■聖書箇所: ヨハネの黙示録3章20節
見よ、わたしは戸口に立って、たたいている。だれかわたしの声を聞いて戸を開ける者があれば、わたしはその中に入ってその者とともに食事をし、彼もまた、わたしと共に食事をするであろう。
■開催地: 新潟県妙高市関山
■ねらい:
〇本物にふれる経験をする。
(SNSやインターネット、ゲームなどでは感じられない本物に出会う。)
〇「当たり前」が「当たり前」ではないことに気づき、感謝の気持ちをもつ。
〇一歩を踏み出す勇気をもつ。できないときには周囲に「これに困っている。だから手を貸してほしい」と的確に伝え、助けを求められるようになる。
〇仲間と協力し、相互援助の中で「やってみたら、できた」という経験を積む。
〇他者を知り、親睦を深める。
愛をもって~扉をあける~
expand the circle ~自覚とメリハリをもって~
心の扉をあけてみよう――
思ったより悪い世界ではないはず。本物に触れてみよう。
expand the circle――
待ってばかりでなく、自分から輪を広げにいこう。
自覚をもとう――
唯一無二の私。そんな私は、今何ができる?
メリハリをもとう――
短所と思われていたこと、実は私たちの強みにはならないか?
修養会実行委員を募集したところ、学年の3分の1近い人が立候補してくれた。タイトル2段目のテーマは、彼らが54回生を見て導き出したものだ。とっても嬉しかった。彼らは自分の時間を削って誰かのために尽力してくれた。
全体を動かすのにうまくいかず、自分たちの段取りの悪さを反省するときもあった。良かれと思って決めたことに対し、不満が聞こえてくることもあった。うまくいくと思っていたのに、そうでない現実を突き付けられることもあった。一生懸命やっているのに伝わらないことが多かった。
でも彼らの「体」と「心」は確実に動いた。それこそ「本物」だと私は思う。彼らの目はキラキラしている。
SNSやインターネットで顔を合わせず、目も合わせず生きていくことは可能だ。その世界で輪を広げることもたやすい。でもそれは「本物」なのだろうか。
今回の修養会、いろいろなプログラムが計画されている。
例えば1日目の野外炊事。キャンプで上手にごはんを作っている動画を見ても、実際に自分たちが料理をするのとは全く違う。火を熾(おこ)し、薪(まき)に火を点け、火加減を調整するのは大変だ。お米も、鍋で炊く。いつもは当たり前に食べているご飯が、こんなにもありがたいものだったなんて……もしかしたらコゲだらけのご飯やびしゃびしゃのカレーも、今の君たちに必要な「本物」の味の一つなのかもしれない。
2日目のトレッキング。写真で見たようなきれいな景色を見て、仲間とさわやかな笑顔で……なんてことばかり言っていられないかもしれない。足が痛くなるかもしれない。坂道がきつく、リタイアしたくなるかもしれない。汗だくで笑ってなんかいられないかもしれない。友達としゃべる余裕すらないかもしれない。でも、写真では感じられない風を感じることができる。においを感じることができる。辛いとき隣を歩く仲間の存在を感じることができる。同じ思いをし、ただ隣にいてくれるだけで心強い存在に気づくことができる。「本物」の苦労の先にこそ見えない「本物」、ずっと自分の中に残り続ける「本物」が生まれるかもしれない。
様々なアクシデントが起こるだろう。だってリアルな体験をするのだから。そんな時君たちは一体どうするだろうか。どう動き、どうフォローしあうのか……そこに「成長」があり、それこそ揺らがぬ「自信」へつながると信じている。