毎日の礼拝

毎日のお話

2025/07/17

Iさん(56回生)

【聖書:ヤコブの手紙 1章 2-3節】

「わたしの兄弟たち、いろいろな試練に出会うときは、この上ない喜びと思いなさい。信仰が試されることで忍耐が生じると、あなたがたは知っています。」

 

 

全校の皆さん、おはようございます。大雪クラスのいしだれんかです。こうして、礼拝の場でお話しさせていただけることに感謝します。私は、去年の11月から約8ヶ月間、生徒会長として活動してきましたが、終わりが近づいてきました。今日は、56回生生徒会活動を通して得たことをお話しします。最後まで聞いてくださると嬉しいです。

 

私は去年の今頃、生徒会選挙の会長に立候補しました。理由は、敬和を変えたいと強く思ったからです。

それまで私は、敬和を選んで正解だったと思えたことが一度もありませんでした。敬和のオープンスクールに訪れた際、先輩方が主体的に動き、1人1人が輝いている姿がとても印象的だったことと、学校全体がとても温かい雰囲気だったことに衝撃を受け、敬和という場所への憧れを持って志望し、入学しました。大きな期待を持って入学したにも関わらず、この学校は自分には合わないかもしれないと思い始め、自分はなんでこの学校を選んだんだろうと自問自答しながら通う日々だったことを覚えています。このまま何も行動せずに卒業を迎えるという選択肢もありました。むしろその方が簡単で、楽だったと思います。ですが私は、「こんな学校来なきゃよかった、やっと解放される。」そんな気持ちで卒業したくないという思いもありました。じゃあどうする?しばらく悩んでいきついた答えが、生徒会選挙に立候補するということでした。学校を変えたい。その前に、これまでの自分の思いを変えたい。まずは自分がより多くの敬和生の声に耳を傾けられるそんな人間になりたい!!そう思うようになりました。

 

選挙を経て、実際活動がスタートしましたが、学校を変えるということは、自分が想像していた何百倍、何千倍も難しくて苦しい挑戦でした。生徒心得について何度も何度も先生方と話し合いをしたり、送る会などの行事を企画したり、忙しいという言葉では片付けられないレベルの仕事量で、特に送る会から4月の始業までの期間は、私が生きてきた18年間の中で1番苦しんだ時期でした。大人数の中心に立って何かを発信するということは、ただ優しく指示を出しているだけで成り立つような簡単なものではありません。特に送る会のハレルヤ合唱の練習を行なっている期間、全校に対して厳しい言葉をかけなければならない場面がいくつもありました。ですが私はついつい当たり障りのない言葉をチョイスして、厳しい言葉を発することから逃げていました。そんな私に、ある先生が「嫌われることを恐れすぎてるよ。」と言ってくださいました。その時の私にとって1番言われたくない、でも1番欲しかった言葉だったと思います。その言葉を受けてから、少しずつではありますが、嫌われることを恐れずに指示を出すことができるようになりました。

更に、生徒会活動をする中で、良いものを作りたいと思えば思うほど上手くいかなくなることもあり、自分のメンタルの弱さを思い知らされる毎日でもありました。中心になって何かを発信すると、当然不満や否定的な意見が飛んでくることもあります。その一つ一つの不満を解消するのは、現実的には難しいことです。でも、生徒の皆さんに寄り添える生徒会でありたい。という私の当初の覚悟は、生徒会メンバー全員にも共通していました。だからこそ、悩みながらもここまで走り抜けてくることができたのだと思います。

自分の弱さと向き合いながらも、より良い学校づくりのために全力を注ぐという経験は、敬和でなければできなかったことであり、生徒会メンバーとも、敬和に入学していなければ出会えていなかったと思います。今の自分にとっては、敬和を選んだという選択は間違いなく正解であり、その選択が今の私を作り上げています。

 

これから先、1、2年生の皆さんは生徒会や委員会、その他にも様々な役割を担っていくと思います。

もし今、自分の中で「何かを変えたい、もっとこうなれば良いのに」と思っていることがあり、それが学校のために、周りの人のためになることだと本当に思うのなら、ただただ不満を無責任に口にするのではなく、是非行動してください。周りのためを思ってしたその行動によって、きっと自分自身も成長できるはずです。迷っているなら挑戦しろ。というような言葉は色々な場面でよく耳にする言葉かもしれませんが、本当にその通りです。私は、身をもってそれを実感しました。

あの時選挙に立候補していなかったら、こうして礼拝という場で皆さんにお話しできていないだろうし、廊下や教室で、会長!と大きな声で呼ばれることが当たり前の日常になることもなかったと思います。

挑戦するということは、同時に自分の弱さを知ることでもありました。生徒会長という立場に立ったことで、自分にできないこと、分からないこと、無力であること、そんな知りたくない自分の弱さをたくさん突き付けられました。生徒会の活動をする前の自分からしたら、それらはとてもネガティブなものでした。ですが今は違います。ネガティブな部分にも正直になれたことで、生徒会内には、私に出来ないことを得意とするメンバーがいて、私が分からないことに関する知識をたくさんもっているメンバーがいることを知りました。それを知れたことで、今まで1人で突っ走っていた自分に気付き、私は1人じゃないんだと気づくことができました。

 

私たち56回生生徒会メンバーは、常に全員が同じ方向を向いて活動し、妥協せずに最後までやり続けるという気持ちを持って活動してきました。その中で、自分の弱さから逃げずに向き合ったことで確実に私は強くなりました。

私は、56回生生徒会メンバーが大好きです。生徒会メンバー11人と一緒に活動できたことが、私の宝物であり、私の人生の誇りです。

今日は、56回生生徒会最後の大きな企画である、生徒会デーが行われます。全校の皆さんに楽しんでいただけるよう、準備を重ねてきました。皆さんの中に素敵な思い出ができると嬉しいです。

生徒会の活動に協力してくださった先生方や全校の皆さんに感謝の気持ちを持ちながら、最後まで、精一杯活動を行っていきたいと思います。