毎日の礼拝

毎日のお話

2025/07/16

森山 陽太(スクールカウンセラー)

【聖書:詩編 139篇 14節】

「私はあなたに感謝をささげる。私は恐ろしい力によって驚くべきものに造り上げられている。御業がどんなにお驚くべきものか私の魂はよく知っている。」

 

 

 

 ある人が警句として「人生は一箱のマッチに似ている。重大に扱うのはばかばかしい。重大に扱わなければ危険である。」と述べていました。敬和学園の入学希望のポスターには、“自分探し”という言葉が掲げられることが多いです。私にとって“自分探し”は、かっこいいけど、少しうさん臭さも感じる、危うい言葉だと思っています。マッチ箱に似ています。心理学ではこの自分探しというのを“アイデンティティの確立”という思春期・青年期のテーマとして研究されています。自分が何者であるか、自分には何が出来るのか、自分の使命とは何か、今このような生活をしていて本当に良いのだろうか、このような問いを経て、自分とは何かを確立していくのがこれからの皆さんの課題です。

 1+1=2ですが、自分が現れるのは1の書き方だったり、=の中身だったり、2を出した後の感動だったりするようなそういうたぐいのものです。さらに難しくすることに、私たちは結構簡単に自分を曲げます。どうせ言ったってしょうがないしとか、普通でいようとか。これは自分の意見があるからまだよい方かもしれません。人間は自分の意見なんて簡単に曲げてでも生きる強さがあります。私たちは自分に簡単に嘘をつけますが、ついた嘘があまりにも自分とずれていると、また簡単に病みます。そしてその病が、私たちに問いかけるのです。「本当にその生き方でいいの?」

 前期もあと三日で終わろうとしています。本当にお疲れさまでした。まずはゆっくりと休んで、前期の疲れを癒してください。疲れや忙しさは自分の生き方が自分にマッチしているのかをチェックするのに最適です。その疲れが人生を充実させていると感じるならあなたの生き方はあっています。その疲れが人生の充実にほど遠ければあっていません。シンプルでなんて難しいのでしょうか。是非今の自分を良く見て、感じて下さい。そして、困った時には誰かに相談してください。今は相談できる窓口がたくさんあります。人間は一人では生きられないし、生きてはいけないし、生きていないです。