今日のランチ

今日のランチ

2020/09/11

今日のランチ(2020.9.11) ※フェスティバルランチ

 例年ならば6月の第一週の金・土に行われる「フェスティバル」が、今年度はコロナ禍のため今日一日で実施された。準備期間が短く様々な制約の中、一回はあきらめかけたフェスティバルを、生徒の希望を酌み本部が中心となり作り上げたものである。

 

 三密を避けるための対策として、演劇・合唱は会場を分散実施した。壇上の人数を制限する。観客と演者の距離を保つ。常時換気を行う。連合全体の合唱は24名の選抜、演劇は動きのない朗読劇である。室内での作業が制限されるため、パネル、衣装、プロフィールも取りやめや縮小、代替の「アート部門」になった。

 

 休校期間中、複数回行われた職員会議と関係者会議。教師からは「生徒の成長の機会の喪失」「受け継いできたものが失われる」などの意見と「授業時間の確保が最優先」「実施することで生じるリスクはとれない」などの意見がぶつかり合った。しかし、決まった意見は「生徒の気持ちを聞こう」というものだった。

 

 今年のフェスティバルはオープンスクールの中学生はいない。PTAを中心とした保護者の観覧もない。卒業生の来校も禁止され、ゆかり会の皆さんが焼くトウモロコシも五平餅も、バザーもない。例年の来校者1000人を超えるフェスティバルはない。しかし、生徒が自ら作り上げる伝統は確実に継承された。

 

 やり終えた生徒の表情は、悔しさ、喪失感、感謝、尊敬、様々な感情が入り混じっていた。「敬和の行事は思い出作りのためにやるのではない。ぶつかり悩むことも含め、皆さんの成長の機会として行われる学びの時なのだ。」小西前校長の言葉が思い出された一日である。

(S・K)

 

IMG_0593