のぞみ寮通信

光風館

2020/09/02

光風 104号「それ、やらせてもらいます」

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 今のコロナ騒動、いろんなことができなくなっています。そのいろんなことができなくなっているせいで、生徒たちの成長の機会も奪われてしまっています。特に寮における学年の横のつながりをより強くするためには、一つの集団で同じ作業をすることが最も有効な手段なんです。しかも、より密集して、より密着して、より密閉された空間でそれを行うと一層効果的なんですが、そんな成長の機会を子供たちに与えるわけにはいきません。だから、ちょっとでもみんなで何かをやるチャンスがあれば、それを利用しないと損するわけです。

 で、そんな機会が先日与えられました。オープンスクールの会場づくりです。いつも食事をしている友愛館の椅子を半分撤去して、机の向きを変え大きな会議室のように設置しなくてはならなくなったのです。これはさすがに寮生たちの力を借りなくてはなりません。

 以前ですとこういう時は、のぞみ寮の学年単位でお手伝いしていただくんですが、今はそれをできるだけ少人数で行わなければなりません。それを私はいの一番にいただきました。「それ、光風館の一年生でやらせてもらいます」ほかの館も立候補してくるかと思ったんですが、すんなりと光風館で決定。しかし、さすがに光風館の男子だけでは、机拭きだとか、会場の整美整頓のことを考えると、女子のお力も借りたいかと……。するとやっぱりさすがです。こういう機会を逃さないのが女子寮のあっちの館の先生です。「じゃそれもらいます」とみぎわ館の一年生に決定です。

 さて、実際の作業ですが、一年生のこの時期になってこういう作業が初めてなんて過去にはありえないことなんですが、初めてにもかかわらず、まぁ“よく動くのなんの”です。作業が始まる前に光風館一年生を集合させ、こういう作業がいかに大事で、こういう場面の働きが集団の評価につながるなんて話をして、「こういうことも楽しみながらできるのが光風館プライドだ」なんて訳の分からないこと言って、何故か雄たけびを上げてアドレナリンが出まくっての作業になりました。しかし、そんな訳の分からない焚き付けに単純に乗ってくる光風生達。その素直さは、かわいいなんて一言では言い表すことができません。「次、何をしますか?」「何をしたらいいですか?」何度もいろんな生徒に聞かれました。そして出来上がった会場も完璧です。

 最後に、「光風館とみぎわ館の一年生たち。君たちだからお願いしたんだよ」とダメ押しの一言。これを聞いた他の館の先生たちは、間違いなくヤキモチを妬いたことでしょう。しかし、これも私の計算のうちです。互いの館が刺激をしあってお互いに高め合い、認め合う。そこにのぞみ寮での成長の一つがあると私は信じます。