のぞみ寮通信

めぐみ館

2020/08/04

めぐみ館 58号「夏休み前最後の一週間、パート②」

 6月から始まった2020年度の寮生活はあっという間でした。でも、一日一日が本当に充実していたように感じます。限られた寮生活をいかに楽しく過ごしていくかを考えてくれた3年生たち。1年生が楽しく安心して過ごせるようにと、いつも優しく温かく見守ってくれた2年生たち。毎日の生活をいつも笑顔で元気いっぱい過ごしてくれた1年生たち。寮生の生き生きとした姿が、私たち寮務教師にとって何よりもエネルギーとなっていました。のぞみ寮での生活って素敵!楽しい!そして本当に幸せ!ということを毎日感じることができたのは、めぐみっ子のみんなの存在があるからと、実感できた毎日です。

 保護者の皆様、この2か月間、遠くからお支えお祈りくださりありがとうございます。どうか、それぞれのご家庭で充実した夏休みを過ごせますよう、そして何より寮生とご家族の皆様の命が守られますことを心からお祈りしております。

 

夏休み前の大そうじ!自室の床、洗面所など、館内をみんなでピカピカにしました。

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 礼拝のお話

「何も無いことは無い!」 2年 H.K 

 長い休校期間中に、みなさんは何をして過ごしていましたか。私は何かを始めたわけでもなく、頑張っていたことがあるわけでもなく、だらだら過ごしていたら、いつの間にか学校が始まっていた、という感じでした。だから、みなさんが礼拝のお話で休み中の出来事を話しているのを聞く度に、「ああ、私は何もやらなかったな」と、反省しています。でも、「その中でも何か成長があるものですよ」と小菅先生に言われました。

 そこで、もう一度休校期間中の自分の生活を振り返ってみると、本をたくさん読んだことを思い出しました。今までに読んだことの無いくらいの勢いで、本を読んだと思います。ピアノコンクールに出る4人の主人公のお話やヤクザが経営するホテルのお話、引退した刑事が昔の事件の真相を明らかにするお話、若手芸人のお話、売れない脚本家と大学生の恋のお話など、家にあった本を手あたり次第に読んでいきました。ピアノが出てくる本を読めば、ピアノを始めようと思ったり、推理小説を寝る直前まで読んでしまい寝むれなくなったり、悲しい場面を読めば自分も悲しくなったり、全てを悟ったかのような気持ちになったり、一冊一冊の本にかなり影響を受けました。

 本を読むと、今まで誰にも言っていなかった、ついついやってしまう自分の癖とか、「なんだ、この人私と一緒じゃん!」など共感することが見えてきました。また、こんな仕事があるんだとか、その仕事で一生食べていけるのか?とか、今までの自分の価値観が壊れて、人それぞれ色んな生き方があるんだなと感じました。何もしていないと思っていた休み中に、大切なものを得ていたんだ、と気が付きました。

 私は、少しでも上手くいかないと、それまでのことは全部だめだ、明日からは頑張ろうと思ってしまう完璧主義なところがあります。でも、今回の礼拝のお話を書いて、先生の言葉を聞いて、「何も無いことは無い」と気づかされました。

 もし、私のように休校期間中に何もしていない、もしくは、自分の今までの道のりを否定してしまうような人がいたら、その中の小さな成長を見つけてみてください。