毎日の礼拝

毎日のお話

2020/07/10

中野 眞由美(国語)

コヘレトの言葉 11章4節  伊吹有喜作『雲を紡ぐ』という小説を読んだ。いじめが原因で不登校になった高校生の美緒の心の拠り所は、祖父母がくれたホームスパンのショールだ。しかし、このショールをめぐり母と口論になり、盛岡の祖父の元へ家出をする。美緒はホームスパンの職人の祖父と共に働く事で、職人達の思いの尊さを知る。「時代の流れに古びていくのではなく、熟成し、育っていくホームスパンの様子が人の生き方や、家族関係に重なり、この作品を書いた」と著者は語る。これを読んで、こうでなければならないという呪縛から解き放たれて、自分らしく生きる事を考えた。