のぞみ寮通信

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2020/05/20

寮長日記「元『ブルゾンちえみ』さんの選択 -自分を偽り続けるのは限界-」

 「元『ブルゾンちえみ』さんの選択 -自分を偽り続けるのは限界-」

2020年5月20日(水)  寮長  東 晴也

 

 「『ブルゾンちえみ』というペルソナをつけて、自分とはまったく違う性格を演じることは本当に楽しかった。それによって自分自身を解放できて、何度も救われてきたのも事実です。でも、仮面をつけて自分を偽り続けるのはもう限界でした」(『婦人公論』5月26日号より)
 某Yニュースが紹介する5ページにもわたる藤原史織(元ブルゾンちえみ)さんの「独占告白」を読んだ。「そうだったんだ……」本当に他人が何を考えているのかなんてわからないものだ。以前、みぎわ館の夕拝後のお楽しみ会で、この「ブルゾンちえみ」のキャリアウーマンの真似を48回生のNさんがみんなの前で熱演してくれたことがあった。派手な化粧と自信たっぷりな振る舞いとあの「35億」という名言で、その場を一気に盛り上げてくれたのを覚えている。
 芸能の世界に生きる人達は、カメラやメディアの向こう側にいる視聴者を意識して発信・発言するものなのだろうと思う。だから当然、視聴者とか大衆が期待することを言ったりしたりするものなのだろうし、そうしなければ視聴率とか制作会社などそもそも成り立っていかない。芸能人たるもの常に期待される自分の役を演じながらメディアに登場しているのだろうと思っていたが、どうもそうでもないらしい。
 「インスタのフォロワーは220万人ぐらいいる」有名人だから「本当の私」をあえて公開するという新たな戦略に打って出たのだろうか?いや、たぶん違う。「限界」という言葉は、演出ではなく本音なんだろう。そんなご本人の真面目さをこの記事から感じた。
 ひよこは自ら卵の殻を内側から破らないと生きられないらしい。自分を出せずに苦しんでいる生徒が「仮面をつけて自分を偽り続けるのはもう限界です!」と言えたなら、「自分探し」の大きな一歩になる。彼女の生き方が、苦しんでいる生徒の背中を押すものであったら嬉しい。
 ハイリスクを覚悟で新しい自分を生きはじめた藤原さんの今後が楽しみだ。