のぞみ寮通信

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2020/05/12

寮長日記「NHK朝ドラ『エール』に思う神様と人との関係」

「NHK朝ドラ『エール』に思う神様と人との関係」

2020年5月11日(月)  寮長  東 晴也

 

 NHK朝の連続テレビ小説『エール』の5月8日放送の終盤のワンシーンが心にしみた。
 (裕一)「父さん、俺、家族捨ててきた。」
 (父) 「おめえが捨てたって、俺はおめえを捨てねえ。安心しろ。」
 (裕一)「父さん、ありがとう。」
 これは、夢を追いかけて家を出て行く息子を受け止めて背中を押す父子のシーンでの台詞だ。家を捨てて、自分の夢のために鞄1つで上京しようとする息子に対する父親の包容力全開のシーン!私はジーンとしてしまった。
 その理由を自分なりに考えてみた。一つは、「この父親は凄いな!私は父親としてどうなんだろう?」という素朴な感想だ。もう一つは、この関係が「神様と人間の関係」のように思えたからだ。聖書には「放蕩息子のたとえ話」がある。父親からの遺産を父の生前に要求した息子が、放蕩の限りを尽くして、いよいよ自分の食べる物さえなくなった時に、悔い改めて父のもとに雇い人として戻ろうとした時、父はその息子を大歓迎して迎えるという有名な話だ。この話は、イエスが「神の愛」をわかりやすく民に説いた時に話された話らしい。それをその時に思い出した。
「そうだ。きっと神様はこんなふうに私たちを受け止めて下さっているに違いない。」
 ありのままの自分を受け止められた裕一は、自分ならではの生き方を精一杯していく、のだろう。(まだ知らないけど。)
 また、この青年裕一の奥さんになる音の実家の居間には、なんと敬和学園の建学の精神「敬神愛人」の書が掲げられていた!私はすぐにNHKにメールでその出典を問い合わせたが、未だに回答がない。まぁそれはいいのだが、今回の朝ドラ、コロナ禍に疲れた私の心にたびたびしみじみとした感想をもたらしてくれる。皆さんも良かったらご覧下さい。