のぞみ寮通信

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2020/04/27

寮長日記 推薦図書「ベサニー・ハミルトン『ソウル・サーファー』」

 「ベサニー・ハミルトン『ソウル・サーファー』」


2020年4月26日(日)  寮長  東 晴也


 全国に緊急事態宣言拡大後の最初の週末、神奈川県藤沢市の海岸には県内外から多くのサーファーが訪れ、サーフィンを楽しむ姿がメディアで紹介された。19日午後3時時点の海岸の人口は、宣言前に比べ6割も増えたらしい。マスコミの一般的な論調は「けしからん」というニュアンスのものばかりだった。これを受け、日本サーフィン連盟も22日「全てのサーファーの皆さんへ」と題した声明を発表した。
 私は「サーファーは自己中」と思ってほしくない。今日紹介する本の副題は、「サメに片腕を奪われた13歳」。本の表紙は、実際にサメに襲われた時に食いちぎられ破損したサーフボードを持ち、ビーチに凜として立つ片腕の少女の写真だ。私は都内の某書店で平積みにされたこの表紙に圧倒され吸い込まれるように購入し、一気に読んだ。この本は事故の翌年、ベサニー(当時14歳)の自伝としてアメリカで出版された。以下、本文より抜粋。
 「2003年10月、プロサーファーを目指す13歳のベサニー・ハミルトンは、ハワイ州カウアイ島沖でサーフィン中にサメに襲われ、左腕を根元から食いちぎられてしまう。出血多量にもかかわらず奇跡的に一命をとりとめたベサニーは、周囲の予想を裏切り、わずか1か月後にサーフィンを再開。その10週間後にはトーナメントに復帰し、その数か月後には5位入賞も果たす。このニュースは米国主要メディアで報道され、その奇跡の生還と復活は、ベサニーの人柄、ハミルトン一家の絆の強さ、サーフィンと信仰をよりどころとする、つつましいライフスタイルとともに伝えられ、人々に大きな感動を与えた」
 「わたしには土台となる硬い岩がある。それは、神様がわたしを愛して下さり、どんなサメにももぎとれないわたしの人生の計画をお持ちだと信じる心だ。……神様が、今起きている出来事を知っていて、悪から善を生み出すと信じているのだ。だれかが希望を見出す手助けができるなら、腕を失った価値はあったと思う。」
 これが13,14歳の少女の言葉かと思うほど、力強い言葉がちりばめられています。ぜひご一読を!ちなみに映画にもなっています。感想は、寮本部の寮長まで。