毎日の礼拝

毎日のお話

2019/12/04

田村 寛子(司書)

ルカによる福音書 2章10~11節  又吉直樹の俳句「血脈の讃美歌ひびく霜夜かな」を以前、目にしていた。この情景が又吉氏の最新作『人間』で明らかになった。祖母の危篤に際し、親族が「いつくしみ深い」を歌った思いが祈りだったとする場面があったからだ。霜夜のような、課題の多い冷え切った世界の中で、灯りが明らかになる事がある。小さい者が排除される世界は、馬小屋に生を受けたイエスを想起させる。それでも、私達は自分のできる事で、灯りをともす事も可能だと、聖書や又吉氏の俳句と小説で教えてもらった。