今日のランチ

今日のランチ

2019/12/02

今日のランチ(2019.12.2)

雑穀ごはん(ごま塩)・マス照焼・切り昆布煮・豆乳スープ・牛乳・ババロアシュー

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 先週、社会科の倫理の授業でディベートというものを行った。死刑制度や脳死など4つのテーマから1つを選び、賛成、反対5人ずつに分かれて討論を行う、というものだ。2クラス展開で合計8回行った。準備期間は1ヶ月ほどで、授業時間や放課後に図書室やPC室を使い、調べ物を地道に続けていく。ディベート当日は全体が35分ほどで、立論や自由討論を経て、最後の勝敗はそれまでの流れを見ている生徒たちがジャッジする。

 

 このディベートに必要な能力は様々だ。調べ物をする根気、専門書を読む読解力、膨大な情報から必要な部分を抜き出す情報リテラシー。それを自分に分かりやすくまとめる整理能力。聴衆に分かるように簡単な言葉を用いながら説得力を持たせる文章構成力。ゆっくりはっきり話す発声と話術。相手の意見、質問に即座に反応する思考の瞬発力。そして何より、相手の言葉に耳を傾け、丁寧に話をする真摯な態度と、チームワークが重要だ。

 

 ディベートは知的なスポーツなので、声を荒げたり、相手を馬鹿にしたりしてはならない。巷のテレビ番組にある、相手の話をさえぎって、いかに大きな声で自分の意見を押し通すか、という有様は討論ではない。その意味で生徒たちは実に真剣に取り組んでいたし、聴き手も感想のメモを取りながら、じっと行方を見守っていた。生徒たちに書かせた感想を読むと、本当に大変だつた、難しかった、という声と同時に、コミュニケーションの大切さを知った、こんなに1つの物事を深く考えたことはなかったので、多くの発見があった、楽しかった、今後も考えていきたいという意見もたくさんあった。そして又やりたいという声も上がっている。

 

 このディベートは私が担当するずっと昔から、ある名物教師の授業として社会科の核となっていたものだ。私自身が生徒の頃これを体験し、その影響が大学での学びにつながり、また教員として実施する側になったことは感慨深く、そのDNAを絶やしてはならぬという気持ちが強い。現在のアクティブラーニングが話題となる前から、敬和では対話式の授業をこの新潟の片隅で行っていたのだ。

 

 今日のランチはマス照り焼き。ランチはいつも美味い。しかしそれは当たり前のものでなく、調理師の皆様のたゆまぬ努力によって受け継がれていることに私たちは心を留めなければならない。

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