自分探しの敬和学園で 人を、自分を、好きになる。
2019/10/21
雑穀ごはん・豚肉味噌漬け焼・アスパラソテー・味噌汁・牛乳・みかん
豚肉を箸でつまみ、しげしげと眺めた。いつだって食の中心に躍り出るお前が、なぜこのように味噌に絡められ焼かれることになったのか。そこにどんな葛藤と、歴史があるのか。心の中で問うが、豚肉は沈黙している。赤茶の姿をただ横たえている。それを口に運ぶと、凝縮した香ばしさと旨味が口の中ではじけた。そうか、お前は1つの答えを出し、誇りに思っているのだな。
ごはんを口に運ぶ。雑穀である。白米には無い逞しさや野性味を感じる。味噌汁をすすった。これはまた、もやしとねぎが安心感を与えてくれる、嬉しくなる一品であった。
最後に、みかんを頂いた。このみかんは、未完である。まだ青みがあり、この先に円熟を控える中で出番が来た。皮をむいて口に入れる。その味は、熟したみかんには無い酸味と爽やかな瑞々しさがあった。未完であるゆえの勢い、若さのエネルギー、それは完成された大人には無い若者の魅力とどこか似ている。
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