今日のランチ

今日のランチ

2019/07/02

今日のランチ(2019.7.1)

ごはん(ふりかけ)・サバ西京焼・ほうれん草おひたし・味噌野菜スープ・牛乳・シュークリーム

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 ランチにはいくつか派閥がある。

 

 まずチャイムと同時に友愛館に飛び込んでくるランチダッシュ原理派。号令と共に教室を飛び出す反応速度、廊下を駆ける脚力と、衝突しないように他人を避ける俊敏性。アスリートのような身体能力を有する彼らはとても活き活きとしている。彼らは真っ先に並んでランチを受け取ると猛然と食べ始め、誰よりも先におかわりに向かう様子はいっそすがすがしい。

 

 彼らの後から緩やかに列を形成するのはランチエンジョイ派である。走るほど理性を捨てきれないが、友達となるべく早く並び、できるだけゆっくりと食事を楽しみたいというイタリア人的思考を持つ。

 

 後半になって入ってくるのは、部活昼練派である。いくつかの部活は昼練があり、十分に腹を空かせてやってくる。時間の有効活用が重要で、午後の授業を遅れないようにするために、食べる速度は速い。基本的には部活の仲間同士で食べることが多いようだ。また、時間帯関係なく出入りするのは窓際の風景を愛するロケーション派。窓から外を眺めながら、ゆったり過ごす自由の人々である。

 

 終盤駆け込んでくるのは、走れメロス派。メロスのように時間とのぎりぎりのスリルを楽しむ。色々な事情で出遅れ、果たしておかずは残っているのか、あるものをありがたく頂き、高速で食べていく。図らずとも私は本日、様々仕事が重なりメロス派になってしまった。サバの西京焼きと米の相性の良さ、味噌野菜のあたたかさを味わいながら、立ち止まることは許されぬ流れの中に身を置いた。予鈴が鳴り、生徒たちが立ち上がっていく中であわてて牛乳を流し込む。ぎりぎりの時間の中で、「今日はあきらめよう」ではなく「少しでも食べていこう」と思えるのが、敬和のランチの素晴らしさである。

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