今日のランチ

今日のランチ

2019/05/27

今日のランチ(2019.5.27)

菜めし サケ照焼 春雨と野菜のソテー 味噌汁 牛乳 アップルシャーベット

0527

 

 

サケ、さけ、鮭。皆さんはどの「サケ」が好きだろうか?

 

 カタカナ、ひらがな、漢字。どれを使うかで全く印象が変わる。谷川俊太郎は詩の中で、カタカナは幼く明るく叫び、ひらがなはしとやかに囁きかけ、漢字は黙っている、と書いている(『二十億光年の孤独』)。

  照り焼きとなったサケの、落ち着いた色味。古い京都の仏堂のような静かな佇まいは、漢字の「鮭」も良く似合うと感じる。それでいて箸でつつけば、鮮やかなピンクの身が現れるのだから、実に国宝級である。

 

 漢字は中国からやってきてひらがな(やまとことば)と合流。日本語が形成された。ひらがなは複数の意味を含むけれど、漢字は意味を限定するのが特徴だ。
 音で聞いた言葉をすぐ「それってどんな字?」と聞くことを、民俗学者の柳田國男は「どんな字病」と名付けたという。すぐに1つの意味を限定し求めるのは悪癖なのかもしれない。
 知っている字をひらがなから考えると、別の意味が見えてくる。例えば顔のパーツの「鼻・歯・目・頬・耳」はひらがなにして再変換すると「花・葉・芽・穂・実」となる。もちろんこれは偶然ではないし、「花」という重要な部分が顔の中央に来る「鼻」となっていることも意味がある。生命ある植物を顔のパーツに置き換え、同じ音で呼ぶことで、意味を分解するより同化させていたのだろう。ひらがなが漢字になる際、多重の意味は一つずつ分解され、切り離されていったのだ。ひらがなとして言葉の響きを味わい、その意味を考えるとき、必要なのは豊かな想像力だ。

 

 鮭、さけ、サケ。さあ、あなたの前にあるのはどれ?

(M2)