今日のランチ

今日のランチ

2019/05/24

今日のランチ(2019.5.24)

カレーピラフ・グリーンサラダ・野菜スープ・牛乳・プリン

0524

 

 

 ランチホールの窓が全開だ。ニセアカシアも満開だ。風がやんだ日には馥郁とした香気が漂ってくる。初夏の装いに衣替え中の敬和に教育実習生が来た。46回生を中心に6名の卒業生の顔を拝見すると、敬和生の面影を残しつつ、その後の着実な歩みが見て取れる。各々が卒業後様々な経験を積み、年輪を刻んできたようだ。

 

 期せずして44回生が学校を尋ねてくれた。結婚が決まったという。敬和生時代はなかなか教師の言葉が入らなかった男が、敬語を使い、アポイントメントを取ってから来校したことに驚いた。聞けば現場で、気の荒い年上の方々の管理の仕事をしているという。「鍛えられてますわ」と笑うその表情にも、引き締まった様子が伺えた。

 

 敬和の教育は、外へ出ると通用しないと揶揄されることがある。受験勉強しないから大学で授業が分からないとか、社会はとても厳しく敬和のぬるま湯生活は通用しないとかいうのである。こんなことなら在学中にもっと厳しくしごいてもらいたかった。などという卒業生もいる。

 

 しかし、勉強や修養というものは強制されてするものなのだろうか。敬和は、誰かに叱られてやる、命令されてやる、怖いからやる、強制されてやる人を育てたいのではない。未来に怯えながらするのではなく、自分から進んで考え、判断し、行動に移す(そうとする)人を応援しているのだ。

 

 他の学校より難しいことを求める敬和だが、自ら考え、判断し、行動するきっかけは敬和生活のどこかに必ず用意されている。「ゆるい、甘い」敬和でしっかりと自分を律する人になる。その結果、社会の荒波でもまれても、柔軟に折れることなく生きてゆく。敬和に帰ってきた卒業生の姿が、何よりも証してくれている。

(S・K)