毎日の礼拝

校長のお話

2019/04/03

「知ることはわかること」(詩編 31:8-9)

 赤ちゃんの時を覚えていますか?

私たちは赤ちゃんの時の記憶をほとんど持っていません。

後から親や兄弟などに聞いた話でエピソードを知っていることもありますが、ほとんど記憶にありません。

 

 人見知りする赤ちゃん、しない赤ちゃん。

あなたはどちらでしたか?

人見知りは生後6~12ヵ月の間に起こる反応です。

ただし、どうしても「生まれながらにもった性格」があり、たとえ同じ環境・状況で育った双子でも、人見知りの度合いには違いが出てしまうのだそうです。 それでも、「環境」が性格に及ぼす影響は大きなものです。

人見知りが強いというのも個性ではありますが、「人に慣れる」というのはさまざまな面で大切になってくることです。

 

 誰にでも抱っこされていた赤ちゃんが、急に人見知りを始め他人に拒否反応を示すようになると、まわりの大人も動揺してしまいます。

この子は人のことが嫌いなのでは、協調性がないのでは、と心配になるかもしれません。 しかし、本来赤ちゃんは、立体的で刺激があるものが大好きです。

ただ、「いつもと違う」という違和感を覚える力が強くなり、人見知りが始まります。

誰にでも抱っこされていた時期は、その「違い」を認識する力がまだ足りなかっただけなのです。

人見知りは喜ぶべき成長の証だと言えます。

 

 人見知りは成長の過程です。

しかし、いつまでも人見知りというのも成長がそこで止まってしまします。

人見知りを超えるために重要なのは、ママやパパが他人と話すときの距離感を、赤ちゃんにも頻繁に体験させることです。

「とはいえ、毎日公園や児童館に行くのは大変なことです。日々の生活の中でできる人とのふれ合いを大切にしましょう。」と研究家は述べています。 たとえばお店で買い物をするにしても、向き合って会話できる距離を保つとか、まわりが見える体勢で抱っこすることが勧められていました。

反対にベビーカーや、顔が内側に隠れる密着型の抱っこひも、フェイスカバーの利用は、人がいるところでは避け、人との距離感を体験させるチャンスを減らさないことが重要なようです。

 

 こんな風にして私たちはいつも誰かの手を借りて少しずつ成長してきました。

人見知りを超えるために大切なのは「他人との距離感」、向き合って会話できる距離に慣れるということです。

なんだかオリエンテーションキャンプを思い出しませんか?

みなさんは昨年一年をどのような距離感ですごしましたか?

誰と向き合って会話ができましたか?

今年度はどうしたいと考えていますか?

 

 

 今日の聖書では私の苦しみを神様が知っていてくれるといっています。

知るということは「わかる」「理解する」という意味を持っています。

いつもと違うことを理解した赤ちゃんは本来大好きな立体的なものへ安心して興味を示すようになります。

私たちは神様に知ってもらうと喜び踊ると詩編の作者は語ります。

そして私たちを広い所に立たせてくださるというのです。

 

 新年度への不安や心配は神様が知っていてくださいます。

新しい学年という広い所に私たちは立たせてもらっています。

人見知りを超えるために専門家はこうまとめています。 最初は泣きだすこともあるかもしれません。でも、諦めずにゆっくりでいいのです

また、赤ちゃんは人に会うだけでも相当のパワーを使います。

よく休ませ、しっかり食べさせてあげること、外に出られるよう体調をベストに保つことも、この時期を乗り越えるには大切なことですね。

 

 「赤ちゃん」を「高校生」に代えてみます。

最初は泣きだすこともあるかもしれません。でも、諦めずにゆっくりでいいのです

また、新学期の高校生は人に会うだけでも相当のパワーを使います。

よく休み、しっかりランチを食べること、登校して行事や授業、部活動に臨めるように体調を整えることも、この時期を乗り越えるには大切なことですね。

 

お互いをもっとよく知り、高め合う学園生活を重ねていきましょう。