「感謝できたなら」 O.M(めぐみ館3年 長野県)
敬和での生活は私にとって重要で、高校3年間をここで過ごせて良かったと思える、そんな3年間になりそうです。
ではまず、私がどんな感じだったかお話します。私は明るくて、何でもできて、素敵な仲間に囲まれている敬和の先輩に憧れて入学を決めました。憧れや目標を持った私は、そうなれるよう努力すべきでした。しかし思いとは裏腹に、なんともうまくいかず、敬和や新たな生活をする自分に期待していた分、実際の状態と心の中の何かこう頑張りたいとか、こうなりたいという思いとの間に大きなギャップを感じ、自分は一体どうしたいのかわからなくなりました。だから勉強、部活、委員会、友達、恋人と素敵なものに満ち溢れている皆さんのほうが私の目には「すごいな」と映っていました。また、こんなことに悩んでいる自分にも嫌気がさしていました。でも敬和1年目をそれなりに過ごしていましたが、2年生の始まりから、体調を悪くし、友人関係もなんだか上手くいかなくて、なんとも暗い生活が始まりました。
私は敬和が最初から嫌だったわけではなく、なんか来てみたらこんな風に悪い方向へと向かっていってしまいました。そして3年生になり私は「変わったね」とよく言われます。主に先生方からですが、私的には本来の「私」の素が出ているだけの感覚です。でも「変わった」のは事実です。
何が私を変えたか。それは「変わろう」と思うこと、「許す」こと、「気づく」こと、そして「めぐみ館」という存在です。
最も良くないのは自分を大事だと思わなくなることです。私は自ら生んだギャップで「私なんかダメだ。何をするにもふさわしい人間に値しない」と思っていました。でも皆さんどうでしょう。周りの人からしたら「あの人が悩んでいる、この人が悩んでいる」というだけ。悩んでいる人間の力になり、手を差し伸べても、その手をとって立ち上がるかどうか、は自分しだいではないでしょうか。単純に毎日くらい顔してめぐみの皆の中にいることが私自身すごくいやなことでした。
許すこと。それは、自分を価値のない人間だと思っていた私を許すことです。以前の私は、自分を許すためには価値ある人間にならなければいけませんでした。そうではないことに気づかせてくれたのがめぐみの皆、特に3年生のおかげでした。たくさん話してくれて、共感してくれて、私の存在を私に気づかせてくれました。私は許されていると感じると、今まで自分のことしか見えていなかったのが、皆のことも見れるようになって、一人ひとりのいろんな面に気づき、今日までのめぐみでの生活がとても楽しいし、逆に私が友達の力になれたときは、私なんかが役に立ててうれしいのです。
礼拝講師 宮澤アマリアさん
変わりたいと思ったら、そこには私を受け入れてくれる仲間がいて、そう気づかせてくれたのがめぐみの皆で、自分が受け取ったことを相手にも与えることができた。だから私にとってめぐみの皆の存在は、本当に大事です。
これらの体験から、私は「変わろう」と思うこと、「許すこと」、「気づくこと」、そして「めぐみ館」の存在が私を変えたと思うのです。
少し前まで、悩んでいた自分の心境をあの時のまま思い出すのは、大変でした。環境が変われば、全て過去になるけど、きっと今後の自分の支えになることを私は確信しています。
何かを乗り越えることが大事なのは、そこから成長することができるからで、そこで自分が向き合った悩みとかが今の自分を成長させたということに気づくことで、より成長できると思います。でも一人では絶対にできないことで、ここで話している私は別に何もすごくないし、悩んでいるときに「ああ、私は成長しているんだぁ」とか思うわけありません。こういうことに気づくのは本当に後になってからだと思うから、とても小さなことでも自分の成長に気づけたり、誰かに感謝できたら、敬和での生活に意味があったと思えるのではないかなと思います。
礼拝委員の活動から
「誰かの役に立ちたい」 Y.C(めぐみ館2年 上越市)
今年の寮クリスマス、私は礼拝委員としての仕事を務めました。寮クリスマスに向けて、私たち礼拝委員会はたくさん話し合い、準備をしてきました。例えば、讃美歌の練習だったり、プログラム作成や表紙の絵を描いたり、聖書箇所や招詞の箇所を決めたり、献金先を選んだりと、本当にたくさんの仕事をしました。今思うと、あっという間。しかし、当時の私にとって、それは時には荷が重く、話し合いに行くことすら億劫に感じる時さえありました。
しかし、そんな時でも私は人に助けられました。讃美歌の練習という、私にとって不慣れなことをしても、いつもどこかで声を掛けてくれる人がいて、みんなが礼拝を大事にしている気持ちを一つ一つの出来事で知りました。礼拝委員会との関わりもその一つです。クリスマス礼拝という大切な時間をどう作り上げて、どのようにしていきたいかを仲間と話す時間は、私を元気にしてくれました。
敬和学園のぞみ寮で過ごせる時間は、私にはあと一年とちょっとしかありません。今の私に出来ることは、一日を大切にして仲間との関わりを大切にすることです。そんな中、礼拝という時間でお話を聴き、仲間と向き合うこと。どこに行っても誰かがいて、どこにいても誰かの声がする。その誰かのためにちょっとでも役に立てたのかなあとぼんやりと思います。寮クリスマスという行事で、礼拝を見つめ直す時間を神様から与えられたのだと感じています。