自分探しの敬和学園で 人を、自分を、好きになる。
2019/01/21
新潟のおみやげとしてこのごろチタン製のストローを良く買い求めています。
珍しいこと、地場産業製品であること、軽くて小さくて持ち運びがしやすいこと、そしてトレンドに乗っていることなどが理由です。
近頃マイクロプラスチックが大きな問題として世界的に話題になっています。
マイクロプラスチックは、環境中に存在する微小なプラスチック粒子のことです。
特に海洋環境において極めて大きな問題になっています。
一部の海洋研究者は1mmよりも小さい顕微鏡サイズのすべてのプラスチック粒子と定義しています。
単純な海洋汚染だけでなく、海洋生物がマイクロプラスチックと、それに付着したPCBやDDTなどの有害物質に汚染されていることはもっと重大な問題です。
魚の消化器にマイクロプラスチックが溜まっている映像は衝撃的でした。
海鳥や人間の健康にも影響することが心配されています。
科学的な検証や検討はまだはじめられたばかりですが、マイクロプラスチックの発生を減らす取り組みが世界規模で始まっています。
たとえばスターバックスコーヒーアメリカが2020年までにプラスチックストローの提供をしないと発表しました。
スターバックスコーヒーは世界中で店舗を展開していますので近い将来日本のスターバックスでもプラスチックストローを提供しなくなるかもしれません。
日本では昨年8月にガストなどを展開するすかいらーくがプラスチックストローの提供をしないと発表しました。その他にもスーパーマーケットで使っているような買い物袋やプラスチックストローを使わないというところが出てきました。
私が最近好んで買い求めているストローはチタン製です。いま世界的に売り上げを伸ばしているのはこんな背景があります。
元々、ストローの原材料は麦の穂を切り取った残りの麦稈(ばっかん)すなわち麦わらが利用されていました。
日本でも1950年代後半頃までは喫茶店やカフェで麦わらが使われていたそうです。
麦わらのストローは使っているうちに水分を吸って柔らかくなってしまいます。
米の裏作として麦を栽培することが減ったこと、原材料がより低価格で調達できるようになりストローはプラスチックへと変遷してきました。
ストローは二回目の大変化を迎えました。
一回目は麦わらからプラスチックへ。
ここには科学技術と経済効果がありました。
便利で清潔な道具を求めての変化でした。
2018年に始まった変化は環境のための変化です。
たとえばチタン製のストローを飲食店で使用すれば一本あたり800円ほどかかりますし、専用の細いブラシで洗わなければなりません。
お金もかかるし手間もかかるのです。
しかし環境のために生態系のためにこうした負担を進んで担う人々や企業があるのです。
卒業する皆さんは敬和学園を離れた場所で今日の聖書箇所(ヘブライ人への手紙6:9)にあるような「もっと良いこと」を求めていくことでしょう。
それは誰にとっての何にとっての「もっと良いこと」なのかという視点を大切にしてほしいと思います。
たとえ少しお値段が高くても手間がかかってもマイクロプラスチックを発生させない方法を考え、実行に移すようなはっきりとした例は実際の社会では少ないでしょう。
そして、わかりづらいでしょう。
敬和学園で学んだみなさんには弱い立場の人や不利益を負わされている存在に心を配る人になってほしいと思います。
皆さんは一人ひとりを大切にする敬和学園で学びました。
一人ひとりが大切にされる体験を重ねてきました。
自分が大切にされた体験大切にしてください。
自分以外の人が大切にされていた場面を忘れないでください。
皆さんは自分以外の人の存在や思いを大切にできる人へと成長したはずです。
少し損をしたと思えても手間がかかることがあっても一人ひとりを大切にする方を選ぶ生き方をしてください。
敬和学園で身につけたことを熱心に「行う人」として歩んでほしいと思います。