のぞみ寮通信

めぐみ館

2019/01/16

めぐみ館通信 2019年1月14日 第112号

めぐみっ子の幸せを願いながら

 冬休みを終え帰寮してきためぐみっ子の表情は、とても穏やかに感じます。実家でのんびりと過ごせたことが伝わってきます。早速「お家に帰りたーい」とつぶやいているめぐみっ子もいますが、口にしながらも行動はしっかり学校・寮生活に向かっています。

 冬休み明けのめぐみ館の夕礼拝開始前に、礼拝委員のYさんとCさんから「3年生の皆さんと過ごせる時間もあとわずかとなりました。2年生から3年生へ感謝のラストメッセージを伝えたいと思います」と全体に伝えられました。3年生からのラストメッセージは、毎年この時期に伝えられるのですが、2年生から3年生への感謝のメッセージ!なんて素敵なことでしょう。2年生一人ひとりが、毎晩の夕礼拝で順に感謝のお話をしています。2年間共に過ごした先輩へのあふれる思いを、自分の言葉で心を込めて語っています。これは2年生がじっくり話し合いを持ち決定しました。毎晩語られるお話は、3年生の心にしっかりと伝わっていることはもちろんですが、1年生へも2年生のあたたかな言動力が伝わっていると感じます。

 共に生活をした喜び、幸せを感じるからこそ芽生えていく気持ちだと思います。今までめぐみ館で過ごしてきた先輩たちから受け継がれている証であるとも感じます。

 こうして今、共に過ごせる事がありがたいことであることをじっくりと受け止め、感謝して毎日を過ごしていきたいと心から願っています。

 3年生は、登校日もあと10日となりました。わずかな日々の中でも、考え、感じ合いながら全力で過ごして欲しいと願っています。1,2年生も今学期は、学年末でまとめの時となりますが、一人ひとりが安心して生活できるようにサポートしていきたいと思います。仲間と過ごす生活を通して、それぞれの歩みで、自分が目指したいこと、大切にしていきたいことを見つけられることを願っています。いっぱい笑って、いっぱい悩んで、いっぱい泣いて、いっぱい考え、思い合ってすごしていきたいと思います。共に生活できる喜びに感謝しています。2019年もどうぞよろしくお願いいたします。(小菅)

0114_me01

毎学期の始業時と終業時、行事ごとに集合写真を撮影していますが、こうしてそろって写真を撮影できる幸せを感じます。2019年を迎えての初写真です。今年も一日一日を心も体も健康で過ごせますようにとレンズ越しに願いました。

 

 

 

礼拝のお話 

「幸せに毎日を過ごせる喜び」 1年 Y.A

  今日は少し昔の話をしたいと思います。昭和20年、とある16歳の少女がいました。日本は戦争中で少女は女学生でしたが全く勉強が出来ず学徒動員として軍事場で8時間労働をさせられていました。夢と希望のない毎日を過ごしていた少女でしたがタイプライターの夜間学校に行くようになり、タイピストの資格を取り満州に働きに行くことを決めました。神の国日本は必ず勝つと信じていたので親の反対を押し切って働きに行くことを決めました。満州は、日本人も多く言葉の不自由もなく平和に暮らしていました。満州に来て4ヵ月、昭和20年8月15日戦争が終わりました。それと同時に一瞬にして職場も住むところも失いました。日本の敗戦により満州人は暴動を起こして、一方的に宣戦布告したロシア兵が入ってきて治安は乱れました。女性と分かると暴力を振るわれるので三つ編みにしていた髪を坊主頭にして男子寮に避難しなければなりませんでした。少女はおしゃれが好きで坊主頭になんてしたくなくて逃げ出しました。すると一人の男の人が追いかけてきて、髪の毛を刈られてしまいました。この衝撃的な出会いから2人は結ばれその孫に当たるのが私です。この話の少女は私のおばあちゃんになります。「日本に帰れたらまた会いましょう。」住所を交換して別れたそうです。おじちゃんとおばあちゃんは危険をたくさん乗り越えて何とか日本にたどり着くことが出来ました。それから結婚まで文通をして連絡を取り合っていたそうです。祖母からこの話を聞いた時、今の自分が恥ずかしくなりました。私は、学校が嫌いで勉強が嫌いです。けど当時同い年だった祖母は勉強が出来ずに働いていました。ロシア兵におびえて生きぬく生活でした。自分はこんな幸せな環境なのにそれを理解できず、自分の都合の良い生活を望む自分がわがままだと感じました。戦争は多くの犠牲が出て辛いことばかりだと思っていましたが、祖父と祖母が出会えた偶然はすごくロマンティックだと思いました。祖母のこの物語は自分自身を見直すきっかけとなりました。人間の過ちで戦争が生まれ、その過ちで人間は苦しみました。戦争は二度と起こしてはいけないと思います。平和を願いながら、一日一日を大切に感謝して過ごしていきたいと思います。

 

 

0114_me02 0114_me03 0114_me04 0114_me05 0114_me06 0114_me07 0114_me08
~寒い日、雪の日、登校時間0分のうれしさ~

雪模様に大喜びするめぐみっ子もいますが、冬の厳しさに接する時、学校内での寮生活のありがたさを痛感するのです。登校時間0分で学校へ。今日も神様に守られて一日を過ごせますようにと祈りながら、めぐみっ子の登校の後ろ姿を見送りました。(小菅)