今日のランチ

今日のランチ

2018/11/27

今日のランチ(2018.11.27)

ごはん(ふりかけ)・酢豚・中華スープ・牛乳・杏仁寒天

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 テスト1週間前である。教務室は生徒の出入りが制限され、放課後の学習会も各学年で行われている。下校バスの時間が変更となり、遅バス発車時間まで教師と問題を解く姿があちこちで見られる。詰め込み学習をしない敬和でも、試験が近付くと生徒のモードが変わる。

 

 一方、学ぶことから逃避する生徒もいる。こういった生徒には「成績不振で留年してしまうぞ」などという脅しは通用しない。なぜなら「努力した者にはそれなりの報酬を、能力の無い者、努力を怠った者には罰を」という利益誘導型の教育戦略からこぼれた弱者たちだからである。

 

 以前、クラスから一人も落第者を出したくないという想いから、試験前になると試験範囲の一覧表と、想定問題集を作り放課後勉強会をした女子がいた。その時間を自分の勉強に当てればもっと成績が上がるとか、全体の成績が上がれば自分の順位が相対的に下がる、という発想は彼女には無かったようだ。

 

 タレント(タラント)とは神様から頂いた賜物である。もし自分が人より勉強が出来たなら、それは自分が他者のために何かをするために神様が与えてくださったのだと考える。能力や努力(できる能力)は自分の私有物ではないのだ。そしてタラントは自分が「人の役に立てる」と感じたとき大きく伸張する。

 

 OECD幸福度調査の上位国の多くは、中等教育レベルまで宿題を出さないそうである。大切なのは生きることの楽しさに気付くこと。その上で自分の使命に気付くと、勉強は自然とやるようになる。小さな器に詰め込むのではなく、まず器を大きくする。小春日和のランチホールでそんなことを考えた。

(S・K)