敬和の学園生活

日常の風景

2018/11/19

図書館ティータイム

 11月16日(金)の放課後、図書館にて図書委員会主催のティータイムが行われました。

 講師は土屋由紀夫先生。「忘れられない人々」と題して、先生が敬和での教師生活36年間の中で出会い、深く影響を受けた方々についてお話していただきました。

 まず、「安積力也先生」です。命がけで生徒にのぞみ、悩みをとことん聞く先生だったそうです。主の祈りについて教えて下さった事が、思い出深いとの事でした。主の祈りとは、そもそもは、食べ物を下さいという意味であったという事です。また、カリスマ教師になってはならない。カリスマ教師では、生徒の本音を引き出せないからだと言われていたそうです。

 二人目は、「藤田英忠先生」です。生徒に100枚レポートの課題を出す先生でした。初代太田校長の「教科の専門性を磨け」との言葉に応え、敬和に勤務しながら大学院で鳥の研究を深め、野鳥の会代表として皇族が福島潟を訪れた際、案内を務められたほどであったそうです。

 次いで、「辻元秀夫先生」です。フェスティバルのリレーで、辻元先生のクラスがトップでゴールする直前、辻元先生は喜びのあまりアンカーに抱きついた事があったそうです。まだゴールしていないことから、フェス本部の教師として土屋先生は、辻元先生のルール無視の行為にチーム「失格」の決断をしました。その時、辻元先生は、クラスの生徒に謝るしかなかったというエピソードを披露してくれました。

 最後に、質疑応答の場面で「朴長老夫人」についてお話下さいました。彼女はキリスト教会の牧師夫人で、石川学先生と韓国スタディーツアーで韓国を訪れた際、非常にかわいがってくれた人です。今、話題にもなっているように、ニュースで「反日」という事を聞いた事があると思うが、自分が韓国へ行った時は、そのような事は聞いた事はなかった。韓国の人には、とても親切にしてもらった。ネットやテレビの情報をそのまま鵜呑みにする事はどうかと考えているとの事でした。

 質疑応答では、「社会を学ぶ事はどんな意味があるか」の質問が出ました。人間は偏見や先入観から自由になれない。しかし、本当の自分があれば、他者から振り回される事はない。偏見や先入観から自由になり、本当の自分を構築するために社会を学ぶ必要があると話されました。

 また、「49回生は先生にとってどんな学年か」との質問も出ました。ここで、しばらくの沈黙があった後、先生は涙を抑える事ができず、「大切な忘れられない存在です。」と話されました。

 敬和は楽しい思いをさせてくれた。失敗もたくさんあったが、多くの出会いがあり、宝物を発見する事ができたと話されました。

 

 土屋先生は生徒に対する愛情が深く、49回生に対する質問が出た時には泣いておられ、生徒ももらい泣きをしていました。

 また、先生の各方面にわたる知識と教養は群を抜いています。先生の授業を受けて、尊敬する生徒がたくさんいます。

 こんな素晴らしい先生が敬和におられるのは、私達の誇りです。土屋先生こそ、今回のお話のテーマ「忘れられない人々」の中に入れられる先生なのではないでしょうか。

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