自分探しの敬和学園で 人を、自分を、好きになる。
自分探しの敬和学園で 人を、自分を、好きになる。
2018/10/30
沖縄もずく丼・ナムルサラダ・中華スープ・牛乳・杏仁豆腐
敬和に着任してすぐ担任を仰せつかった。前任校で9年連続担任だったので「さすがに1年目から担任は無いだろう」と高をくくっていたから、緊張した。担任したクラスは個性的で、野性味溢れる女子や、慈愛に満ちた男子がいたりした。その中に沖縄出身のＴ君がいた。
少し色が黒く、目はくっきりと二重で「うちなーんちゅ」の趣がはっきり出ているイケメンだった。入寮礼拝でお母様から「次に敬和に来るのは卒業礼拝です。それまで信頼してお預けいたします。どうぞよろしくお願いいたします。」と言われ驚いたことを思い出す。
考えればすぐ分かることだが、往復の飛行機代は馬鹿にならない。何かあってもすぐに迎えに来ることは出来ない。彼自身も帰りたくなっても帰れない環境に身をおいていたのだ。15歳の決断を重く受け止めると共に、その信頼された敬和教育の一端を担うことの責任の重さを感じた。
彼は様々な生徒が集まる敬和の多様性を大事にしてくれた。「卒業前にクラスアルバムを作りたい。」3年の自宅学習期間中も帰れない彼は、その時間をアルバム作成に奉げてくれた。今日は「沖縄もずく丼」。様々な思い出と一緒に頂いた。そのクラスアルバムは少し日に焼けて変色してしまったが、いまでも準備室の片隅に飾ってある。
（Ｓ・Ｋ）
