今日のランチ

今日のランチ

2018/10/26

今日のランチ(2018.10.26)

ドライカレー・コンソメスープ・牛乳・フルーツヨーグルト

1026

 

或る人は言った。カレーとは飲み物であると。

また或る人は言った。カレーとは人生であると。

 

 百人いれば百通り、カレー哲学があり、それは誰も介入することができない不可侵領域である。しかしそこに普遍的真理が埋もれているかもしれない。ならば、検証してみようではないか。カレーとは、飲み物であるのか。

 

 本日のカレーはドライカレー。カレーとは香辛料を用いたインド料理をヨーロッパ人が総称したものであり、カレーという料理は存在しない。カレーは抽象概念である。語源としてはドラヴィダ族の野菜、肉、食事、おかずを意味する「カリ」が転じて英語の「curry」となった。またインド料理はグレイビー(スープ状)とドライ(炒め物)に区分されるそうだが、どちらかというとドライに入るだろう。

 

 このような薀蓄は今日は副菜であり、本題の検証に移る。目の前にははるかインドから幾多の転生を繰り返し日本風となった「ドライカレー」が鎮座している。敬和のドライカレーの特徴はふんだんに使われたレーズンやコーンによるフルーティーな味わいだ。もちろん刺激的な味わいはマイルドに抑えられ、万人向けを追求した一品である。教員の中にもファンは多く、前日から楽しみにして呪文のように「明日はドライカレーだ」とつぶやくのである。一週間のコンディションのピークは間違いなくこの瞬間。

 スプーンですくって口に含むと芳醇で複雑な香りと味がいっぱいに広がり、幸せに満たされた。ゆっくりと味わい、レーズンやコーンの食感を楽しむ。飲み込むと、ガンジス川のごとくゆったりと胃に流れてゆく。これを飲み物とすることはもったいない。もっと味わいたい。私にとって「カレーは飲み物」は真理ではなかった。しかし、こんな楽しみが人生に何度となく訪れるとはなんと素晴らしい。「カレーは人生である」は、真理かもしれないと思った。

(M.M)