自分探しの敬和学園で 人を、自分を、好きになる。
2018/07/12
ごはん(ふりかけ)・サバ西京焼・ほうれん草おひたし・味噌野菜スープ・牛乳・シュークリーム
さばの皮を一枚めくると、そこには海が広がっていた。
人工から自然へ、
喧騒から静寂へ、
灰色から青へ、
日常から非日常へ、
舞台は転換し 世界は生まれ変わった。
茫洋とした海は光をたたえ、潮の香りが鼻に抜ける。
風は不規則にうねり、耳元をなぜていく。
足元は砂だ。白い砂が果てしなく続く海岸線。打ち上げられた木片は白化し、合間をカニが歩いている。海は優しく浜に打ち付けられ、その音は体内に太古の記憶をもって響く。
その白と青の世界の中で、箸を手に佇立していた。
私はどこへいくのだろう。
箸を仕舞い、ゆっくりと歩きだした。足元で貝殻が割れる音がする。
あの白いかもめのように、私は自由だ。
果てしない砂丘をゆっくりと進む。
日常を変えるのは簡単だ。あらゆる事象の隙間に扉は隠されている。
この歩みの先に何があるか、確かめてみようか。
(M.M)