今日のランチ

今日のランチ

2018/06/01

今日のランチ(2018.6.1)

豚キムチ丼・中華サラダ・ワカメスープ・牛乳・バナナ

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 日大のアメリカンフットボールの事件が、世の中の耳目を集めている。「相手選手を潰してこい」と監督に命じられ、危険なタックルで相手選手に怪我を負わせた。

 「潰してこい」とは言葉のアヤだ。そういうつもりでやれと言ったのだ、というのは監督とコーチの言い分である。

 この選手は自分の行動を自分で考えて、判断するべきだったのだ。

 監督やコーチの真の責任は、それは、自分で考え判断できない選手を育てたこと。選手のキャリアを人質にとって、監督やコーチの命令に無条件で従う選手を育てたこと。その選手に「潰せ」と命令しておいて、その選手が命令通りに行ったことを、「まさか本気にするとは」では済まされない。

 そしてこの問題は、日大だけの問題ではない。今の日本が抱える、いや、昔から抱えて来た問題だ。

 つまり、わたしたちは、特にわたしたち教師は、自分で考え行動できる人間を育ててこなかった。その代わり、大人の言うことを素直に聞く子供が良い子だとして、ロボットのように従順な人間を育ててきたのだ。

 上官の命令に従って非人道的な行為を行った兵士。政治家の意を忖度して文書を改ざんする官僚。上司の命令に従って偽りのデータを報告する社員。全て同じではないか?

 いま日大を批判しているマスコミも、日大が昨年度優勝した時に、その指導方法の問題点を誰も指摘しなかった。そのようなやりかたで優勝しても意味がない、と誰も言わなかったではないか。結果を出すために、子供たちをロボットのようにしては駄目だと、誰も言わなかった。

 スポーツに限らない。わたしたち教師は、従順な経済戦士を育てあげることに血道を上げ、生徒たちが実存的な存在として、幸福な人生を歩むことができるように教育してこなかった。

 自分で考え、自分の良心に従って行動できる人。自立心と同時に、価値観の違う相手をリスペクトできる人。そのような自由な人間が一緒に何かをやる時、もっとも創造的で、なにより楽しく、人生が豊かになり、それは経済的豊かさや勝利などの結果よりもずっと大切なことなのだということを教えなければ。

(T.H)