今日のランチ(2018.5.31)

今日のランチ

2018/05/31

菜めし・サケ照焼・春雨と野菜のソテー・味噌汁・牛乳・アップルシャーベット

　春雨で思い出すのは、何年か前の秋から冬への変わり目のこと。突然冬本番のような寒さが襲ってきた日があった。「今日はすごく寒いね」そう言いながら教授が講義室に入ってきた。「凍えるかと思ったよ」と続ける彼を私は振り返った。もっこもこのフリース、半ズボン、素足にサンダルの大きな男が震えていた。なんというアンバランスさ。隙がありすぎるのに、本気で寒がっていたその姿を思い出すと、今でもふふっと笑ってしまう。そんなお茶目な彼だが、やわらかい歌声もつ、結構凄腕のミュージシャンだった。彼の家に招いてもらったことがある。日本人である私が珍しかったのか、おばあちゃんがよく話しかけてくれた。テーブルに並んだ料理の中でそのおばあちゃんがすすめてくれたのが、春雨のようなくずきりのようなものと野菜が和えてある何味とも表現しがたいけれど、食べるとホッとする一品だった。サモアの家庭でよく食べられているそうだ。「初めて食べたけど、美味しい」私はそう伝えた（つもりだ）。しばらくしておばあちゃんが「これ、食べたら？好きだと思うよ」またも春雨をすすめてくれた。あれぇ？さっきも・・・と少し疑問に思いながらもまた少し皿に盛って「ありがとう、美味しい」と伝えた（はずだ）。私のリスニング力のなさと、おばあちゃんのサモア訛りの英語。何かがすれ違い続けていたのかもしれない。さらに私の英語は語彙力にも欠けていた。「美味しい」を表現する言葉が出てこず、声の調子や表情に変化をつけて必死にしのいだ。その度におばあちゃんは嬉しそうに微笑んでくれる。その後も同じようなやりとりが続き、私のお腹は春雨でぱんぱんになった。ところが、あれだけ何度も聞いたその春雨料理の名前だが、すっかり忘れてしまった。

　今日のランチ。派手さはないかもしれないが、個人的に今日のランチはいわゆる「神回」だった。菜飯、鮭、春雨、豆腐の味噌汁と思い入れのあるメンバーが勢ぞろい。それにしても、あの料理はなんだったんだろう。私は何をたらふく食べていたのだろう。どなたか、ご存知でしょうか。

(M.A)