敬和学園トピックス

のぞみ通信

  • 2010/06/28

    のぞみ通信 No.162(6月28日)

    信頼関係の中で                寮長 信田 智

     

    寮は本当に多くの方々の祈りとご支援を頂いて、ここまで守られてきました。ちなみに今回のバザーの献品にしても、何とも虫のいい、あつかましいお願いをいたしました。(ご当地の名産品を献品して頂きたい事、送料も自腹で負担して頂きたいこと)それにもかかわらず、実に多くの方々から、たくさんのご献品をいただきました。卒寮生もその保護者も含めて、寮生保護者の方々との信頼関係がなければ、このようなあつかましいお願いは出来るはずがありません。
     思い起せば、初代校長太田俊雄先生の時以来、卒業生の保護者の方たちが、子供が卒業しても、自分達は敬和学園との縁(えん)を切りたくない。ということで、縁(ゆかり)会が発足したと聞いています。私が敬和に来た頃は、ゆかり会として年一度、1泊2日の研修会が行なわれていました。皆様方の敬和に対する熱き思いが、敬和の力強い支えです。

     
     現在、のぞみ寮は男女あわせて160名が、生活を共にしています。思春期の子供が家に一人二人いるだけで、様々な問題が起きます。兄弟喧嘩もあれば、親子喧嘩もある。反抗期になり荒れることさえある。たとえ、中学まで問題が無かったとしても、高校に入って反抗期を迎えることもある。これら全てを含めて、子供も親も教師も共に成長して行く過程が、のぞみ寮での3年間です。様々な成長過程の中にある子供達が、一つの館に40名からいるのです。問題が起こらないはずが無い。問題が起きて当たり前なのです。
     ただ、その時どのような対応をとるか。どのように生徒と向き合うかが問われます。私達は決して逃げたり、ごまかしたりしません。生徒と保護者に対して誠実に真向かいます。そして、多くの教師がかかわり、敬和の大切な教育が展開し、素晴らしい成長の機会となります。時には、断絶されていた親子の関係が回復される機会ともなります。生徒も保護者も、謹慎中の苦しい葛藤を乗り越えて、敬和の教育を実感してくださいます。

     
     敬和の生活指導は、問題を起こした生徒に処罰を下す事ではありません。逆に教育の機会と捉え、自分の行った事実にしっかりと向き合い、何故そのような行動を取ったのか。その事が自分にとって周りの人にとって、どのような結果をもたらすのか。どこをどのように修正する事が必要なのか、そのために何をしなければならないか等々、教師と、親子でしっかり対話をしながら深めていく作業をします。見える現実に右往左往することなく、子供の成長のために何をすべきかを共に探っていきたいと願っています。

     

     

     

     

     

    <寮生リレー通信  (第 80 回)>

     
     光風館  
    『最高のフェスティヴァル』 T.S.(1年生:神奈川県横浜市) 
     初めてのフェスティヴァルに大きな不安と気だるさばかりを感じていた僕は、フェスティヴァルが終わった後すぐに、来年のフェスを楽しみにし、3年生になったら絶対チーフになろうと胸を躍らせていました。
     フェスティヴァルという未知なる行事は僕の憂鬱の種でした。当初、ダンスを希望していた僕は、オーディションに落ちてしまい、衣装部門になりました。が、男が衣装部門というのがどうにも嫌で、活動をさぼってばかりいました。フェスの前日、僕は準備の手伝いで、自分の連合のパネル(自分の連合をアピールする大きな看板)を運んでいました。パネルをスタンドに上げ、完成したものを見、パネルチーフが嬉し泣きしているのを見て、僕はとてもうらやましく思いました。そして、自分が衣装の活動をサボっていたのをとても後悔しました。先輩達は最後のフェスティヴァルで一生懸命準備していたのに、それに協力できなかった事を悔いた僕は、「せめて本番の二日間は一生懸命に、なおかつ楽しんでやろう!」と決心しました。
     一日目、想像以上に盛り上がっていたオープニング、とても面白かった劇、緊張した合唱、メチャクチャかっこよかったバンド演奏。どれもこれも、とても楽しいものでした。そして二日目。髪を少し染めて、気合を入れていった僕は、自分の競技はもちろんの事ながら、みんなの応援を喉が嗄れるほどに頑張り、自分のクラスが学年リレーで1位を取る事ができました。
     人生初のフェスティヴァルは、いろいろな事を学ぶ事ができ、目標と大きな希望を持てた最高のものとなりました。

     

     

     

     

    みぎわ館 
    『100の苦悩と102の実感』M.Y.(2年生:秋田県由利本荘)
     1年生が入寮し2カ月が経ち、敬和生において最大のイベントとも言えるフェスティヴァルを無事に終える事が出来ました。私は今回、どの連合にも属さず、「フェスティヴァル本部」に入りました。フェスティヴァル本部とは、フェスティヴァルに向けて取り組む連合を、規則に基づきながら取り締まり、運営していく機関です。
     私が本部をやろうと思ったきっかけは、去年初めてフェスティヴァルを経験して、裏方の仕事に徹している本部を見て、強く「やりたい!」と思ったからです。本部の仕事は、主に機材の貸し出しや連合の活動チェック、面倒な雑用等ですが、その他に各部門の担当者を本部で決め、その担当者になった人は最後までその部門に責任を持つという役割があります。私は今回、演劇を主として、競技も任せていただきました。初めての事だらけでしたが、部門チーフと担当の先生に、迷惑を掛けないように精一杯取り組みました。しかし、本部内でのトラブルや、連合への連絡不足、自分の力不足の為、沢山の人に迷惑を掛けてしまいました。さらに、そんな私を気遣ってくれた友達に、迷惑を掛けまいと強がっていたらケンカになってしまい、自分で自分を苦しめている時期もありました。すごく泣きたい気持ちでいっぱいでしたが、泣いたところで現状は変わらないと思い、本部チーフ・担当の先生・本部長・周りの仲間に励まされながら、やり遂げる事ができました。
     苦しさから解放されたいとは思うこともありましたが、本部を辞めたいとは思いませんでした。それは、私の周りに支えてくれる人がたくさんいてくれたからです。そしてわたしは本部の仕事を通して、仕事の重大さや周りと協力する大切さ、責任を持つ覚悟を学びました。きっと社会に出たら当たり前のようにやらなければいけない事なのですが、本部をやり遂げたことで学べて良かったと心から思いました。
     支えてくれた方々に最上の感謝を述べたいと思います。ありがとうございました。

     

     

     

     

     大望館  
    『フェスティヴァルを終えて』   Y.T.(3年:新潟県燕市)
     3年生になってすぐ、各クラスでチーフ決めが行われました。僕はそこで1年生の時からの憧れだった総合チーフに立候補しました。そして立候補や多数決でそれぞれの部門チーフが決まりました。そして最初に連合カラーとテーマ決めが行われました。雲仙クラスでは毎日の話し合いの末、連合カラーは「黒」テーマは「和」に決まりました。そして本格的に活動が始まるGW明けに向けて準備が始まりました。
     そしてGW明け、活動が本格的に始まると仕事がいっきに増えました、総合チーフの仕事は各部門のその日の活動の有無や進み具合を把握することなど、とにかく多く、予想以上に大変で、ときには疲れが溜まっている状態で連合のみんなをまとめなければいけない時なども多々あり、とてもストレスが溜まった時期もありました。しかしそんな時に僕を支えてくれたのは、間違いなく雲仙クラスのみんなでした。
     例えばストレスが溜まっている僕の話しを聞いてくれたり、特に大きなぶつかり合いもなかったり、連合の1、2年生への指示を3年生1人1人がやってくれたり、3年生で部活が忙しいなか連合活動に参加してくれたりしました。このように雲仙クラスのみんなの助けによって、僕は楽しく準備期間を送ることができました。そしてこの準備期間で、それぞれの部門ですばらしいものを作り上げることができました。そして当日、みんなの頑張りがあって、総合優勝することができました。この結果は決して自分一人で作り上げたものではなく、雲仙連合全員の頑張りがあってこその総合優勝だと思います。
     今回のフェスを通して友だちの大切さを本当に実感しました。これからの敬和生活では今まで以上に友だちを大切にしていきたいです。

     

     

     

     

     めぐみ館
    『最強!最高!のフェスティヴァル』
    K.R.(3年・福島県喜多方市)
    私は、今年のフェスティヴァルで、パネルチーフを務めさせていただきました。私は、絵が上手でもなければ、特別これと言ったセンスも何もありません。そんな私が、ほかの連合のパネルと戦えるものを果たしてつくれるのだろうか・・・。一枚の絵を描くので精一杯の私がこれからどうやったら縦1メートル80センチ、横90センチのベニヤ板12枚を使って絵が描けるだろうかと考えると、毎日不安な気持ちになっていました。
    デザインも色も中々うまくいかず、半泣き状態の私に手を差し伸べてくれたのは同じ館のMさんでした。彼女の存在は私にとってかけがえの無いものです。作業は炎天下の中のコンクリートの上にへばりついて描き、雨の日は狭い教室にベニヤ板をねじ込み、ペンキが床につけば死に物狂いで落とそうと格闘しました。決して楽な作業ではありませんでした。連合の1,2年生が毎日休まずに来てくれた事が何よりの励みでした。
     当日、子どもの落書きのようなパネルは、シンプルさとテーマの強調と、アイデア性が勝利をおさめ、予想だにしていなかった、2位と言う順位をいただきました。号泣だった私は、どうやって賞状いただいたか覚えていません。
     今日私が、フェスティヴァルのパネルを通して学んだことは、誰かの存在が自分を幸せにさせてくれると言うことです。あのパネルを作るうえで、誰一人欠けても、2位を頂くことは出来ませんでした。 何もしなくても、ただ、居てくれるだけで力になる。人の存在の大切さを改めて感じる事が出来ました。
     最強!最高!のフェスティヴァルでした。

     

     

     

     

     

     
    <スタッフから一言>

     

                   
     フェスティヴァル終了を待ってくれていたかのように、新潟も梅雨に入りました。フェスティヴァル前に雨が降らなかったのは何十年ぶりでしょうか。寮でも演劇や衣装の準備をしたり、ダンスの練習をしたりしている生徒の姿は生き生きとし、本番当日はさらに輝きが増していました。
     2010年度もあと1か月で前期が終業いたします。寮務教師は生徒の悩みに向き合い、課題を受け止め、問題行動に厳しく注意し、教え諭し、学年集団や館集団の形成に苦慮しながらもここまで歩んできました。また、外部講習や講演会に参加したり、2か月に1回の間隔で勉強会を開き、今現在の課題について研究発表したりする時間を持ってきました。これらは、のぞみ寮生が生き生きと学校・寮生活を送るための取り組みです。7月に予定しています保護者会、後期に行われます寮生保護者と話し合う会を通して、生徒一人ひとりの成長にとって良い機会が持てること願います。

    帆刈 仰也(寮務教師主任)

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