のぞみ寮通信

めぐみ館

2017/11/07

めぐみ館通信 2017年11月3日 第86号

「仲間と共に過ごす毎日から」

 今学期も折り返し。同じ場所で、同じ時間を仲間と共に過ごす毎日を積み重ねています。1年生の生活も半年が過ぎました。半年を仲間と過ごす関わりの中で、今まで閉じ込めていた感情や、芽生えた感情を語り始める生徒が出てきました。「少しお話したいです」と個別に話したい時間を求めてきます。悩みに直面し誠実に向き合おうとしている彼女たちの表情は真剣です。一人一人の話に耳を傾けながら、その誠実さに私も心を新たにされます。語り始めることは、成長のサインであり、チャンスであると思います。考えぬいて、悩みぬいて、歩んでほしいと願わずにはいられません。「スマホが使えるなら、こんなに悩まないと思うし、考えず、ずっとスマホに逃げていたと思う!」としみじみと語る生徒がいました。「でもこんな状況ってラッキー!だと思う」と、なんとも前向きです。どっぷりと人と関わる環境の寮生活の中で、悩みながら、壁にぶつかりながら、心揺さぶられる経験を重ねてほしいと強く思います。そして私も立ち止まらずに、前を向いて歩んでいこうと励まされています。(小菅)

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「新たな出会いに日」~2回目の部屋替え~

 部屋替えの度に増えていく荷物。「一体、この荷物どこに収まるのだろう?」廊下に積み重ねられた荷物見ながら心配してしまう私ですが、そんな心配をよそに、次々に手際よく新しい部屋へ移動して行きます。終わった人は、さりげなく友達の手伝いへまわります。気持ちのいい姿です。
 同室になったことで発見する仲間の新たな一面を感じながら、関わりを深めてほしいと願っています。(小菅)

 

 

礼拝のお話

「伝えられなかった言葉、持てなかった勇気」  1年 H.W

 皆さんには今、“何かを伝えたい相手”がいますか?例えば“ありがとう”や“ごめんなさい”などです。人によって伝えたいことは様々だと思いますが、わたしには“ありがとう”と“ごめんなさい”を伝えなければいけなかった人がいます。 

 その人は、中学1年生の時に知り合い、同じクラスになったことがきっかけでとても仲良くなりました。その人以外にもたくさん友達が出来、毎日楽しく過ごしていたのですが、中学2年生になった時、部活の先輩、後輩関係がうまくいかなくなり、私は人と関わるのが苦手になってしまいました。そんな私から周りはどんどん離れていき、仲良くなった友達とも以前のように話せなくなりました。

 しかし、その友達はいつも私に声をかけてくれました。ですが、私はどう返せばいいのか分からずにあいまいな返事をしていました。3年生になってクラスが変わっても毎日声をかけ続けてくれました。その頃の私は、毎日声をかけてくれる友達に対して、なぜか「暗くなった私をバカにしているのでは?」と勝手に思い込み、そっけない対応をするようになりました。

 でもそのような対応をとった私は後悔することになります。その友達は、私がそのような態度をとったことに対して“冷たくされた”と感じそのことを人に相談しているのを聞いてしまったからです。その友達は、私をバカにしていたのではなく、ただ心配をして声をかけてくれていたことをあらためて知って、申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。

 次は絶対に謝って、いつも声をかけ続けてくれていたことにお礼を言おうと思っているのに、その友達に話しかけられてもいつもと同じ対応をとっていました。次こそは、次こそはと思っているうちにあっという間に月日が経ち卒業式を迎えました。進学先は別だったので、会えるのは卒業式が最後になります。しかし、卒業式でも勇気が持てず、結局伝えられないまま終わってしまいました。

 今でもこのことをとても後悔しています。伝えたくても伝えられないとずっと後悔することになります。今、何か伝えたい人がいる方は、迷わずに伝えてみてください。それは勇気がいることですが、きっと伝わるはずです。この友達に会う機会があった時、今度こそ、きちんと“ありがとう”と“ごめんなさい”と伝えたいと思っています。

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