月刊敬和新聞

2017年10月号より「50周年記念行事は教職員のフェスティバルとなりました」

校長 小西 二巳夫

2017年9月30日
 敬和学園50周年記念行事を9月30日に行いました。大学25周年も併せて行いました。第一部の記念礼拝から第四部の祝賀会まで、それぞれに500人近い外部の方が出席してくださいました。たくさんの方がお出でくださったこと、それ自体が学校にとって何よりもの励ましです。敬和学園という存在を大切に、そして身近に感じて下さることが実感できるからです。せっかくお出でくださったみなさんを失望させては申し訳ありません。来てよかった、楽しかったと感じていただけるよう、そして何より敬和学園らしいといっていただけるよう、関係者の協力を得ながら、精一杯準備に当たらせていただきましたが、実際はどうだったでしょうか。心温まるご祝辞と言葉がけをそれぞれのお立場から頂戴しました。感謝いたします。

長い一日でした
 多くの方が、新潟市民芸術文化会館(りゅーとぴあ)で行った第一部の礼拝、第二部講演会、第三部演奏会と、会場をホテルに移した第四部祝賀会まで出席されました。すべてが終わって、お見送りをしている際にある方が言われました。「長い一日でした」。素直な気持ちを言葉にされたと思います。そしてこれは計画段階から予想されることでした。こうした行事をする場合、たいていは三つ程度に抑えるようです。あるいは二日に分けて行うようです。それがわかっていながら盛りだくさんのプログラムにしたのは、それなりの理由があったからです。何といっても50周年です。50年に一回のことです。50年後にはさらに大々的な記念式典を開催するはずですが、その時、私は当然その場にはおりません。準備に当たった学校関係者と出席された方の多くもいないはずです。そういう意味で一回限りですので、後先考えずにできるだけ思いを込めた記念式典をさせてもらうことにしたのです。

行事を通して生きる力を育む学校
 今年の学校紹介パンフレット「一人ひとりを大切にする敬和学園は 人気ではなく人気のある学校です」の学校行事のページには次のように書かれています。「敬和学園は一年間にいくつもの行事を行います。それは行事を毎日の学習と同じように、人が成長するためには大切と考えているからです。主な行事に6月のフェスティバル、9月の修養会、12月のクリスマス・賛美歌発表会などがあります。学年単位、クラス単位で取り組む行事もあります。寮の行事もいくつもあります。これらの特徴は企画から準備運営まで生徒が主体的に取り組むことです。行事に取り組む中で意見のぶつかり合いや失敗も出てきます。同時に助け合い支えあう姿勢も生まれてきます。敬和学園が行事を大切にするのは、その過程で学ぶことがたくさんあるからです。小西校長はよく言います。敬和学園は思い出作りのために行事をおこなうのではない。今を生きる力を養うためである」。

50周年記念行事が教育力を高めてくれる
 行事への取り組みが子どもたちの成長の大切な機会であるなら、それを教職員にスライドして考えるのは当然です。一日がかりの記念式典にする。外部の大きな会場を使用する。それぞれ性格の違う四つの式典を行う。それもこれまでに体験したことのない大きな規模で行う。それらを計画立案そして実行していくためには想像力や判断力、そして問題解決能力などが必要になります。さらに同じ法人内にある高校と大学ですが場所が違うこともあって、教職員同士が日常的に顔を合わせることもまずありません。それが一緒になって記念行事を行うのです。当初想定を超える大きな行事と考えられ、また自らが積極的に関わろうとの雰囲気も濃いとはいえませんでした。しかしそこは行事に比重をおいた教育をしてきた学校です。日常の教育と同時進行で進み始めました。話し合いを重ねる中から詳細な計画書が作りあげられていきました。それぞれの担当部署で創造的な取り組みが始まりました。こうして個々の単発的な動きが糸を撚り合わせるように一つになって行きました。長い一日が始まる前に、やってよかったと思える時間になると確信したのは私だけではなかったはずです。教職員を成長させてくれる、そして学校力を育むという意味で、50周年記念行事はまさに教職員のフェスティバルとなりました。