自分探しの敬和学園で 人を、自分を、好きになる。
2017/09/29
菜めし・タラ塩麹焼・菜の花和え・芋煮汁・牛乳・ミニワッフル
俺は人生とは旧ソビエトの宇宙ステーション、ミールのようなものだと思う。
この旧式の宇宙ステーションは、アメリカの宇宙船が最先端技術に支えられていたのに対して、ほぼマニュアルの旧式なものだったが、当初5年の予定だった運用期間が、結果的には15年も運用された。
このミールを舞台にした「ドラゴン・フライ」という本がある。
ちょっと、ミールの日常生活を抜粋してみると、
「船内にキノコが生えた」
「船内で火事を起こし、何とか消火した」
「毎日の日課は壁の結露取り」
「無人宇宙船とのドッキングをコンピューター無し(距離の測定は窓から見て測距計で測る)で行っていたところ宇宙船が激突して壁に穴があく」
「船内の空調設備が壊れて気温は38度になる」
「停電してしまいコンピューター停止、止まってしまった 」
「ステーションの自転を窓から天測してマニュアルで復活させる」
ローテクだから、あらゆるトラブルは全てマニュアル(手動)で切り抜けねばならぬ。
面白いのは、こんなローテクのソ連製宇宙飛行機が今なお生き残り、最先端技術に支えられたアメリカのアポロ計画がもはや宇宙を飛んでいない、というところだ。
俺の35年間の社会人生活を振り返ってみると、ベストコンディションで、最高のスタッフと共に仕事ができたことなんて一度もなかった。
いつも何かのトラブルを抱え、人材や設備が不足し、問題だらけの中で何とか切り抜けてきた。
それではそういう仕事が駄目かというと、それがかえって良い仕事になっていたりする。
人生とはそういうもんなんじゃないか。
力の足りない人間が、様々なトラブルを抱えながら、何とか知恵を出し合い、助け合って、やっとこさ切り抜けて行くもんなんだ。
明日、敬和は50周年記念式典を行う。
敬和の50年のうち、30年を過ごさせてもらって思うのは、この30年もやはり、宇宙船ミールの生活のようだったな、ということだ。
一つ確実に言えることは、そのような中で、人間が、生徒も教師も、ちゃんと育って行く、ということだ。
そしてそんな生活が、実に楽しかった、ということだ。
(T.H)